「自宅がいくらで売れるか」を知るための査定をしてもらい、売却活動を委託する不動産仲介会社が決まったら、いざ、売り出しです。しかしその前に、広告などに掲載する「売出価格」を決めなくてはなりません。必ずしも、「不動産仲介会社から提示された査定価格=売出価格」ではないのです。
売却する動機もさまざまですし、売主によっては特別な事情を抱えていることもあります。マイホームの買いかえで新居が先に決まってしまい、その残金決済に間に合うように売らなければならないとか、購入費用に充てるために最低限いくら以上で売らなければならないとか。特に急いでいないけれど、高く売れるなら売却してみようという人もいるでしょう。それぞれの希望条件に合わせて、査定価格に多少のプラスマイナスをして、売却価格を決めるのです(図1参照)。
たとえば、少しでも高く売りたいなら、査定価格にプラス5~10%上乗せするケースもあり得ます。一方で、なるべく早くに売りたいなら、査定価格通りかやや低めに調整する。低めといっても、あまり下げすぎる必要はありません。仮に査定価格が3000万円だとしたら2980万円するなど、目を引きやすい設定にするといった工夫で十分です。
高めに設定する場合は、あまり相場からかけ離れてしまうと、売りにくくなるおそれがあるので注意してください。最近は、インターネットの不動産関連サイトをマメにチェックして相場をよく調べている購入希望者が少なくありません。同じような条件なのに、1つだけ相場より高い金額で登録されていると目立ちますから、問い合わせなどの反響につながらず、売れ残るおそれがあるのです。
長期間売りに出していれば、いずれ売れるというものではなく、売れないまま、ずるずると値下げをせざるを得なくなる可能性のほうが高いでしょう。最終的には当初の査定価格で出していたほうが高く売れたということも珍しくありません。不動産仲介会社が出した査定価格をベースに、営業スタッフのアドバイスを聞きながら、納得できる落とし所を探ってみてください。
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