2012.3.30:Vol.253

平成24年1月地価公示は下落率の縮小傾向を示した
1月1日地価公示は全国平均で住宅地が前年△2.7%⇒今年△2.3%、商業地も前年△3.8%⇒今年△3.1%と下落率が縮小しました。平成20年秋のリーマンショック以降、4年連続の地価の下落となりましたが、各大都市圏及び地方圏共にそろって下落率が縮小し、国土交通省では、大震災の影響により不動産市場は一時的に停滞したが、被災地を除き比較的早期に回復傾向を示していると分析しています。
東京圏の住宅地
- 1.東京圏全体では平均で△1.6%(前回△1.7%)と下落率が縮小しました。エリア別で最も下落率の小さい東京都が△1.0%、下落率の大きい埼玉県でも△2.3%と、変化幅の小さい傾向が継続しました。
- 2.東京圏で変動率プラスの市区としては、川崎市中原区+0.4%(前回+0.1%)木更津市+0.1%(前回△0.6%)君津市+0.1%(前回△0.5%)の3市区。個別地点での上昇率ベスト10は、戸塚区3地点、中原区2地点、茅ヶ崎市・藤沢市・高津区・多摩区・木更津市の各1地点で、新設商業施設や再開発エリア周辺が上昇地点となっています。逆に下落率ワースト10は震災の影響を受けた浦安市が占める結果となりました。
- ※大阪圏も平均で△1.3%(前回△2.4%)と下落率は縮小です。エリア別では大阪市中心6区で+0.4%、神戸市東部4区で±0%と上昇/横ばいエリアが見られます。
東京圏の商業地
- 1.東京圏全体では平均で△1.9%(前回△2.5%)と下落率が縮小しました。
- 2.東京圏の変動率プラスの市区としては、川崎市が全体で+0.1%(前回△0.4%)となったほか、中原区+1.2%(前回+1.7%)、幸区+0.7%(前回△0.0%)、高津区+0.1%(前回△0.1%)及び木更津市+0.3%(前回△1.0%)がプラスでした。
- 3.個別地点ベスト10には、足立区3地点、中原区3地点、墨田区・幸区・戸塚区・新宿区1地点と再開発周辺や商業集積地点が並びます。一方ワースト10は、千葉市中央区3地点、取手市3地点、渋谷区2地点、新宿区・野田市1地点となりました。
今回の公示地価が示す特徴
- 1.リーマンショック以降4年連続の下落となりましたが、下落率は前年に続いて縮小傾向です。
- 2.国土交通省の分析では、大震災の影響から年前半に下落率が拡大し年後半に回復傾向を示して下落率が縮小したが円高や欧州危機の先行き不透明感による影響も見られる、また人口の増加した地域で下落率は縮小傾向・住環境や交通利便性ある地点で回復傾向が目立つとしています。
- 3.東京圏住宅地を概括すると、東京都・神奈川県で下落率が縮小し、千葉県は震災の影響により下落率拡大、埼玉県は横ばいという状況です。一方大阪圏住宅地では阪神間を中心に上昇・横ばい地点が全地点の20%(東京圏6%)あり、回復傾向を示す地点の割合が多くなっています。