不動産サイト nomu.com  >  不動産コラムトップ  >  Vol.122 地価・マンション価格の動向はこちら
不動産コラム
 Vol.122(H16.10.07)  


平成16年基準地価の発表


国土交通省が9月21日発表した7月1日時点の都道府県地価調査(基準地価)は、全国ベースの住宅地で△4.6%(前年は△4.8%)商業地で△6.5%(前年は△7.4%)と住宅地では7年ぶり、商業地では4年ぶりに下落幅が縮小した。東京圏では下げ止まりの傾向が広がりを見せ、他の圏域の中心都市にも同様の傾向が一部現れてきている。

住宅地の下落率は全国平均で△4.6%と昨年から0.2ポイント縮小し、昨年下落幅が0.5ポイント拡大したのに対して下落幅縮小となりました。地域別に見ると、三大都市圏では住宅地商業地とも下落幅は縮小しました。

地方圏では住宅地で▲4.4%と7年連続で下落幅の拡大となり、商業地は7年ぶりに下落幅が縮小したものの下落率は△7.1%と大幅な下落が続いています。

東京圏の住宅地の年間変動率を、半年毎に追ってみますと「表1」のようになります。 今回、東京圏全体では△4.3%の下落率ですが、特に東京都区部の上昇・横ばい地点が大幅に増加し、神奈川県・埼玉県・千葉県にも下げ止まり傾向が波及しています。

東京圏住宅地・年間変動率の推移(公示地価と基準地価を3年間併記)
表
※変動率の縮小は△、拡大は▲で表す ※数字は各々前年1年間の変動率を表す(半年間ではないことに注意)

東京圏住宅地では、すべての地域で下落幅が縮小しました。千代田、港、渋谷の3区は上昇、千代田区は全地点が上昇しました。東京都区部に近接する地域では、浦安市が上昇地点の増加などによって、市全体の平均値上昇に転じたのをはじめ、武蔵野市、市川市、千葉市、川崎市、横浜市、柏市などに上昇や横ばい地点が現れ、下げ止まり地点は広がりを見せました。反面郊外部の通勤遠隔地のように交通利便性が劣る地点では依然大きな下落が見られました。

大阪圏住宅地では下落幅が前年比で2.1ポイント縮小し、マンションなどの住宅需要が堅調な大阪市天王寺区と中央区、神戸市東灘区の3地点で上昇が見られました。しかし郊外を中心に高い下落率が続いており、地価の二極化が顕著となっています。

法務局によると3大都市圏の所有権移転登記件数(売買取引)は増加傾向です。ここには大都市圏の地価反転を見越した不動産開発や、内外の投資ファンドの資金流入が背景に見られます。また銀座シャネルの自社ビル建設、横浜市の「みなとみらい線」開業等、海外ブランド店の進出や大規模再開発も地価の底打ち傾向を後押ししています。

「土地神話」崩壊の後、台頭してきたのは収益性が価値を決める「市場原理」です。それにより路線価の2倍以上で取引される土地がある反面、地価下落が下げ止まらない土地もあるという「地価の個別化」の現象が明確になってきています。






[an error occurred while processing this directive]