ノムコムトップ > 家ココチトップ > 家ココチ[vol.3] 母のココチ 「すっきり使いやすい、おしゃれキッチン収納のツボ」 | ||||||
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ストック食材、器、調理道具・・・。日々、こまかなものが増えがちなキッチンですが、「使い勝手の良さ」「すっきり収納」「おしゃれ」を両立させるのは、そう簡単ではありません。今回はそんなお母さんたちの永遠の悩みどころ、キッチン収納のツボをレポート。食材やキッチンツールが一般家庭よりはるかに多い「食のプロ」料理家の大川雅子さんの教室sasser(サッセ)をたずねました。住居用マンションの一室を、自分で床を張り、壁を塗ってリメイクしたという温もりあふれる快適空間のそこかしこに、家庭のキッチンにも応用できるユニークなアイデアが潜んでいます。 | ||||||
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料理教室というと、広々したシンク、大きなテーブル、ガス台や鍋がずらりと並んだモダンな空間を想像しますが、大川さんの料理教室はすべてが“予想外”。東京・青山の古いマンションの一室、もともと住居用として使われていた50平米ほどのワンルームをほぼ自分の手で改装して、焼き菓子の教室に使っています。 「住居用だから、キッチンは一畳半しかありません。人ひとりが立てば、横幅はいっぱいになっちゃうの。でも11階だから、窓からの眺めがそれはもうすばらしかった。それで迷わず決めてしまいました。狭さや不便は、工夫すればいくらでもなんとかなりますから」 まずはクロスの上に床を張り、壁を白くペイント。シンクは合羽橋でシンプルな業務用ステンレスを購入。アンティークふう煉瓦を壁に貼り、硬質のステンレスにぬくもり感をプラスしました。スパイス棚ももちろん手作り。調理台は小さな冷蔵庫2台を左右に置き、その上にボードをのせただけの簡単なもの。よく使う平皿の収納は、無印良品の組み立て式プラスチックワゴンに、皿立てスタンドを置いています。 「引き出しも棚もなかったので、見せる収納です。あるもので、何とかしよう。身の回りにあるモノをうまく使って、身の丈にあった収納にしようと考えました」 |
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ビビットな色合いのル・クルーゼの鍋が並ぶアイアンのスタンドは、じつはガーデニング用。ル・クルーゼ社製鍋専用スタンドもお持ちですが、それでは全然足りず、このアイデアを思いついたそう。 このように大川さんは、本来、キッチン用に企画されていない収納用具を、キッチンに転用するのがかなりお得意。 | ||||||
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「棚は横から取り出すので、奥のものが見えづらいですよね。上からつめこみ方式だと、全てを見渡せるので、食材をストックしても使い忘れがなくて無駄が出ません」 ところで、このケース。本体も蓋も、ブラックやベルベッドなど色のバリエーションがありますが、大川さんは、黄と青の蓋をセレクト。狭い空間をすっきりおしゃれに見せるには、使う色を決め、どんなに便利でもそれ以外の色のものは買わないのがコツです。 「ときどき遊びの差し色が欲しくなって、ル・クルーゼの鍋は赤だったりするんですよ」 持つときはいくつかのルールを心に掲げ、できるだけ、あるもので、身の丈にあった収納を。おしゃれ心と創意工夫がつまった料理家の城は、やはり、暮らしのヒントが満載なのでした。 取材・文 大平一枝/暮らすこと |