2012.02.09:Vol.251

2011年の東京圏への転入超過人口は7万人を下回る
総務省は、住民基本台帳を基に毎年1年間における人口移動の状況を発表しています。都道府県間の移動者総数は、年間約234万人(前年比+6千人)。阪神大震災のあった1995年以来16年ぶりの増加となりました。
また、転入人口-転出人口=転入超過人口といい、これが各地域の人口移動による増加状況を表す指標となります。東京圏では、6万2809人の転入超過ですが、2007年に平成に入ってのピークである15万5150人を記録して以降、2008年から4年連続で減少が続いています。
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東京圏の2011年転入超過人口は6万2809人となり、1996年以来連続して転入超過ながら、前年からは3万20人の減少となっています。
名古屋圏、大阪圏は共に前年は転出超過でしたが、今回は共に転入超過となっています。
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2011年・年間の人口移動報告によると、転入超過の都県は11都県(前年8都県)となり3県増加しました。前年の転出超過から転入超過へ転じたのは愛知、大阪、兵庫、岡山、京都の5府県となっています。このうち大阪府・京都府は阪神大震災のあった1995年以来16年ぶりに転入超過になりました。
また、転出超過では、福島県が-3万人強の転出超過となり、震災の影響が顕著に表れています。
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東京圏では、千葉県が1956年以来55年ぶりに転出超過に転じたことが特筆され、その他の都県でも転入超過人数の減少傾向が続いています。
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首都圏及び関西圏の主要都府県の転入超過人口の推移をグラフで示してみます。
■図:住民基本台帳による人口移動転入超過人数の推移(総務省:住民基本台帳人口移動報告より)
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東京都の人口移動における転入超過人数は、2008年よりその超過人数が減少に転じています。ただ、その減少数は今回やや鈍化していて、特に東京都区部において4年ぶりに転入超過数が増加している(前回33,098人⇒今回35,435人)ことが影響しているものと思われます。
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大阪圏では全体として1974年以降一貫して転出超過が続いていましたが、今回38年ぶりに転入超過となりました。
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全国の転入超過数の上位5市町村をみると、東京都特別区部・福岡市・札幌市・大阪市・仙台市と圏域の中核都市が上位を占めていて、かつ、対前年比で全て増加しています。
逆に転出超過数の上位10市町村をみると、福島県4市・宮城県4市町・千葉県2市となっていて、東日本大震災の影響による人口移動の現状が表れているものと思われます。
(担当:池田 徹)