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2009.8.10:Vol.210

住宅・土地統計調査の概要から

総務省が実施している「住宅・土地統計調査」は、昭和23年以来5年毎に実施されており、わが国における住宅の実態を調査しているほとんど唯一の全国調査ともなっています。今回の調査時期は平成20年10月で、平成21年7月28日に速報として公表されました。今後、高齢者世帯の増加、特に単身高齢世帯の増加が社会問題となってくる等の課題が浮かび上がってきています。今回は調査の中から、特徴的な話題をいくつか取上げてみます。

住宅数と空き家率

総住宅数5,759万戸の内、居住世帯のある住宅は4,961万戸(86.1%)、空き家の住宅が756万戸(13.1%)となっています。空き家率の高い県は山梨県20.2%、次いで長野県、和歌山県。低い方は沖縄県10.2%、神奈川県10.5%、埼玉県10.6%です。
■図1:空き家の内訳

共同住宅の増加

住宅の内、戸建ては55.4%、共同住宅は41.7%ですが、 平成15年との比較では、この5年間で戸建ては3.7%増 ですが、共同住宅は10.5%増と急増しています。特に、東京都における共同住宅の割合は69.6%に達していて、住宅の約7割が共同住宅となっています。共同住宅率が5割を超えているのは、他に神奈川県56.1%、大阪府54.8%、沖縄県53.3%の4都府県のみです。

共同住宅の高層化

共同住宅の階数別の戸数割合を見ると、6階以上の建物の割合が約33%となっていますが、平成15年調査と比較して、今回の平成20年までの5年間での増加率では約24%増と増加していて、特に11階建て以上のものが約34%増、15階建て以上のものは約76%増と高層化が進んでいる事がわかります。
建物階数別 戸数割合(%) 5年増加率(%)
1・2階 27.6% 5.6%増
3~5階 39.8% 4.6%増
6階以上 32.6% 23.7%増
(うち11階以上) ( 12.7%) (34.1%増)
(うち15階以上) (  2.8%) (75.8%増)

高齢者用設備の増加

この5年間では、下表のように、高齢者向けの設備の設置が進んでいる実態が見えます。
また、消防法の改正の影響もあり、自動火災報知器の設置も進み、平成15年23.7%から平成20年は45.0%と設置率が倍増しました。
高齢者のための工事は、トイレを和式から洋式に変える工事、手すりの設置など239万世帯で実施されています。

■図2:高齢者のための設備がある住宅の割合

住宅の建築時期

建築された時期別に住宅の割合をみると、1960年(昭和35年)以前のものは6.0%ですが、1991~2000年の間に建てられた住宅は23.4%と最も多くなっています。共同住宅だけでみると、この20年以内築のものが約半数を占めていることになります。全体としては、1981年の新耐震基準より前の住宅の比率が、まだ3割以上を占めているという課題が見えてきます。
■表:建築年別住宅の割合(築年不詳のものを除く)
建築年別 住宅全体(%) 共同住宅のみ(%)
~1960 6.0% 0.8%
~1970 7.8% 5.0%
~1980 18.1% 14.2%
~1990 20.1% 20.8%
~2000 23.4% 27.4%
~2009 17.4% 20.9%

資料:総務省ホームページ「平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の概要」より

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