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不動産コラム
 Vol.140(H17.11.29)  


■障害とバリアフリー


バリアフリー住宅が推奨されて久しいですが、「障害」を身近に感じている人はどれだけいるのでしょうか?内閣府の調査では6割が「身近に障害のある人がいたことがある」と答え、その内2割強はその人は「自分自身又は家族等身近な親族」であると回答しています(※1)。その他、障害者の現状について、特に身体障害者にスポットを当てて内閣府調査「平成17年度 障害者白書」よりご紹介します。
※1 H17年1月「障害者の社会参加に関する特別世論調査」より

障害者の全体数は身体障害者351万6千人、知的障害者45万9千人、精神障害者258万4千人であり、およそ国民の5%が何らかの障害を有していることになります。
在宅の身体障害者は図1のように年を追うごとに増加傾向にあり、特に65歳以上の割合の推移を見ると(昭和45年・31.4%)→(平成3年・47.4%)→(平成13年・60.2%)と上昇しており、平成13年時点で身体障害者の約6割を65歳以上が占めるまでになっています。
在宅の身体障害者の障害程度で1・2級の重度障害者の割合も(昭和45年・27.0%)→(平成3年・40.7%)→(平成13年・45.6%)と上昇しており、特に平成3年からの10年間の増 加総数52.4万人の内、約7割の37.5万人 が1・2級の重度障害者となっています。


18歳以上の在宅の身体障害者数について、障害の発生時の年齢分布を見ると、40歳台以降の発生が58.0%と6割近くを占めており、65歳以上の発生はその内2割となっています。(図2参照)
特に障害種類別に見た時、聴覚・言語・視覚障害等は40%前後が40歳までに生じているのに対し、内部障害の場合は15.2%に止まり、40歳以降の発生が大部分を占めています。(図2参照)
これらの状況を踏まえると、今後、人口の高齢化により身体障害者数は更に増加していくと内閣府は予想しています。


そこで在宅の身体障害者(18~70歳)の住宅リフォームの状況を見ると、62.7%がリフォームを 必要としており、その内、リフォームが済んでいるのは45.6%、何らかの理由でリフォームをしたくてもできていない人が17.1%(構造上困難2.7%、借家のため5.1%、資金不足9.3%)となっています。
住宅リフォームをした箇所として、トイレ(54.8%)、風呂(52.3%)が半数を超えており、続いて台所(23.4%)、玄関(22.1%)、階段(17.1%)、居室(16.9%)、廊下(16.3%)、訪問灯等の設置(4.8%)となっています。
かたや「高齢化進展によって重要となる課題」として「バリアフリーに配慮した住宅政策、まちづくり」を挙げた割合は14.7%となっており、社会保障制度や就業関連、介護対策に比べて、関心はあまり高いとはいえない状況にあるようです。(「高齢社会対策に関する特別世論調査」 平成17年10月 内閣府調査より)





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