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不動産コラム
 Vol.123(H16.10.22)  


東京都では「住宅用火災警報器」の設置義務付け


10月1日から改正施行された「東京都火災予防条例」では、新築一般住宅には住宅用火災警報器を設置する事が義務付けられました。
火災警報器設置済の場合は無い場合と比較して死者発生件数が1/3、損害額は1/2であったという報告もあり、今回の義務付けにより今後の住宅火災による被害防止への効果が期待されます。

近年、住宅火災による死者が増加しています。消防庁の調査によると、住宅火災による死者数は、全火災による死者数の概ね7割を占めるとともに、建物火災による死者数の実に9割以上を占めています。
さらに高齢化の進展により、死者数に占める高齢者の割合は増加しています。

東京都では、今回の消防法の改正に先駆ける形で、東京都火災予防条例として、住宅の新築又は改築の際に『住宅用火災警報器を設置する事』が義務付けられました。

東京都の調査によると、住宅火災による死者について、いくつかの特徴が見られる事がわかりました。
 
(1)出火時の状態は「就寝中」が4割と最多。
(2)就寝中の火災発生による死亡確率は28%。
(3)深夜帯の死者は全体の1/3。
(4)住宅火災の死者の57%が高齢者。
(5)住宅火災の死者の7割は逃げ遅れによる。

これらの事から、特に就寝中の高齢者が、火災に気づくのが遅く、逃げ遅れて死亡するケ-スが多いということが分かります。 表
詳しい調査の結果では、死者数・通報時間・焼損面積等の比較において火災警報器の設置効果が高いという結果が出ています。

火災警報器の種類は煙により感知する「煙式警報器」、火災により発生する熱を感知する「熱式警報器」等があります。条例では基本的に「煙式」を設置することとしています。 イメージ図
設置する場所は全ての部屋(浴室、トイレ等除く)・台所・階段です(イメージ図参照)。

火災警報器は防災設備取扱店などでの取扱いとなり、消防署では販売しませんので注意して下さい。また、購入の目安として右記のマ―クを参考にして下さい。 マーク

米国では火災警報器の設置義務化から約20年間で設置率が9割強に増加し、その結果死者数は約4割減少となっています。

都内における新築住宅は年間約17万戸であり、火災警報器設置によるメリットは大きいと期待されます。また火災警報器の普及に伴い、機器の低価格化や悪質業者の排除などが求められています。

今回は東京都に限った条例ですが、その他の地方公共団体も消防法改正により平成18年6月までに、条例等を制定・施行するものと思われます。東京都以外や既存住宅に関しては当面対象外となりますが、一度検討してみてはいかがでしょうか。






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