不動産投資・収益物件 > 収益物件の査定・売却 > プロに聞く「収益物件」売却術 > ~事例紹介(7)~ 関係の悪化した所有者同士の意見を調整し、早期かつ高値で売却

プロに聞く「収益物件」売却術

鈴木 浩司
野村の仲介+
ソリューション営業二部
営業一課 専任課長

収益物件は、一棟マンションや区分マンション、規模の大小や構造の違いなど、実に多様な側面を持ちます。権利関係についても同様で、例えば一棟マンションのご相談をいただいた場合でも、実は複数の方が所有権を持っている場合があります。そのような物件の売却にあたっては、所有者同士の調整が欠かせません。

~事例紹介(7)~ 関係の悪化した所有者同士の意見を調整し、早期かつ高値で売却

複数の所有者がいる不動産の場合、全ての所有者の意見をとりまとめて、全員が納得できるような売却を目指す必要があります。今回は、他人同士の二家族が所有する一棟マンションを売却した事例をご紹介します。

公開日:2019年03月15日

※内容、担当者の所属・部署名等は公開日時点のものです

■血縁関係のない二者の敷地に共同で建てられたマンション

今回ご紹介するのは、隣接する土地の所有者二人が共同で建てたマンションの売却事例です。山手線の駅から徒歩5分以内に位置するこのマンションは、地下1階、地上5階で、1階に店舗、それ以外のフロアは住居という構成です。土地と同じ按分で二人の所有者が店舗と住居を区分所有する形をとっていましたが、一棟マンションとしての売却がご希望でした。

そもそもの土地の所有者(ここではAさん、Bさんとします)に血縁関係はありません。しかし、二人は非常に仲がよく、お互いの土地単独では、建築コストや法規制によって高い建物が建てられないため、二人の土地の上に共同で一棟のマンションを建てました。今から30年近く前のことです。
その後、Aさんは80代後半と高齢になり、Bさんと、その相続人であったBさんの息子さんは亡くなってしまいました。Bさんの持ち分は、Bさんの息子さんの妻が相続しましたが、この頃には両家の折り合いはかなり悪くなっていました。

当社へご相談いただいたきっかけはAさんの長女からの査定依頼でした。お話を伺うと、A家は、B家からB家分の権利(持分)を買い取ってほしいと相談されているものの、その希望金額の妥当性に疑問を抱いていました。
A家では当初、売却するつもりはありませんでしたが、築年数が30年に近づいて維持費もかかるようになってきたため、B家の権利を買い取るよりは一緒に売却した方がいいと考えるようになったそうです。

■根拠のある適正な査定と、柔軟な販売方法の提案

まず、A家、B家、そして私が立ち会う形で、売却に向けた話し合いの場を設けました。当初、B家の方々は、A家に買い取ってもらうことを強く希望していましたが、それはA家のご希望とは異なります。私は仲介者として「双方が最も重視していることは何なのか」、「それらを叶えるためにはどのような選択肢があるのか」、そして「どのようにするのがお互いにとって最善か」を整理しました。そのうえで、売却までに必要なことについて丁寧にご説明していきました。

価格査定については、当社へご相談いただく前に他の不動産会社へも依頼をされていたそうです。しかし、その際に提示された査定金額には明確な根拠がなかったため、信頼して任せることができないとお考えになったようです。

当社では、周辺で過去に成約した物件の価格などを参考として示しながら、標準の査定額のほかに、上限価格と下限価格をご提示しました。上限・下限は、高値売却にチャレンジするかどうか、また、売却期間の長期化や買い主様から条件等を提示された場合などに備える意味もあります。

さらに、当社と提携している不動産税務に詳しい税理士からの助言をもとに、売主様の売却手残りが最大になるようシミュレーションを行いました。このような姿勢に加え、私が収益物件を専門に扱っているという信頼感もあり、当社に媒介を任せていただくこととなりました。

また、両家ともご商売をされている関係から、売却活動においてはあまりオープンにしないでほしいというご要望をお持ちでした。当社の場合、過去に当社を介して収益物件を売買されたお客様や、収益物件に興味のある登録会員様が大勢いらっしゃるため、売却方法についても柔軟に対応できることを伝えました。

■両家の意見や認識の食い違いを一つひとつ確認

売却活動の過程で最も大変だったのは、共用部の管理や修繕に関する確認作業です。廊下やエレベーターなどの共用部に関しては、どこをどちらの責任で管理しているのかが曖昧になっており、A家、B家の意見に食い違いが生じていました。

分譲マンションの場合、管理組合があり、管理組合から委託された管理会社が共用部の管理を行うのが一般的です。しかし、今回のケースでは自主管理形態を採られており、A家とB家の間に入る管理会社が存在しませんでした。そのため、当社が間に入り、双方から修繕履歴などの書類を提出してもらい、一つずつ確認作業を行っていきました。

実は、両家の折り合いが悪くなった直接的な原因も共用部にありました。当社にご相談いただく直前、共用部の修繕費用について、考え方の違いから双方の間に深い溝が生じてしまったそうです。

■関心の高い層にだけアプローチし、早期・高値売却を実現

売り出しにあたっては、まずノムコム・プロの会員に対し「メール限定」の物件情報としてお知らせしました。ノムコム・プロでは、会員登録時に関心のある収益物件の条件を登録できます。今回は、メール会員約19,000名の内、当該物件に希望条件がマッチする会員だけを対象としてメールを配信しました。すると、すぐに5件の反応があり、その内のお一人と、具体的な商談を進めることになったのです。

買主様へのプレゼン資料として「物件の近くに新たに商業施設がオープンし、人の動きが活発化する」といった情報を集めて資料を作成し、物件の価値をもれなく伝えられるよう努めました。

買主様は、物件と同じ地域で飲食店を営まれている方で、そもそもの希望条件にマッチした物件であった上、仮に1階店舗のテナントが退去しても、買主様ご自身のお店を出店すれば空室リスクを抑えられるというお考えがありました。
それもあって、上限としていた査定額で売却が決まりました。

最大の不安材料は、買主様が融資を受けられるかどうかでした。これについても、当社と付き合いのある金融機関など、複数の金融機関へ融資の相談をして、最終的に最も条件のよかった金融機関から融資を受けることができました。

終わってみれば、両家と媒介契約を交わしてからわずか1ヵ月、しかも上限価格での売却が実現し、この結果には大変ご満足いただきました。仲違いの原因となっていた共有部分の修繕費についても、売却したお金の中から支払われて、最終的には半分ずつの負担で決着し、双方ほっと安心されたご様子でした。

■お客様一人ひとりに対して、最善と思えるご提案を

今回の事例を振り返って、早期かつ高値での売却が実現した理由として、次があげられます。

  • 収益物件を数多く取り扱っている実績から、適正な査定ができた
  • 不動産税務に詳しい税理士との連携で、税務面でのアドバイスができた
  • 条件にマッチした関心度の高い層に直接アプローチできた
  • 金融機関との良好な関係から、条件のよい融資を可能にした

私が常日頃から心がけているのは、お客様一人ひとりに対して、最善と思える提案をすることです。今回の事例でも、両家それぞれの話をお聞きして、それぞれが最も重視している点を見極めた上で、双方が納得できる選択肢をご提示しました。こういった点も、スムーズな売却につながったのではないかと思います。

当社では、収益物件に対する高い知見と、多種多様な専門家とのパートナーシップによって、お客様をサポートする体制を整えています。

不動産売却でお困りのことがございましたら、是非一度お話を聞かせてください。

今が売り時!まずは所有物件の現在価値の把握から!

投資用不動産の売却・査定なら

※海外の不動産はお取り扱いできません。国内でも地域や物件により、お取り扱いできない場合がございます。

収益物件アクセスランキング

  • 1位
    1,900万円
    利回り:9.22%
    東京都板橋区
  • 2位
    5,999万円
    利回り:7.71%
    東京都杉並区
  • 3位
    15,500万円
    利回り:9.91%
    神奈川県横浜市磯子区
  • 4位
    11,500万円
    利回り:5.59%
    東京都中野区
  • 5位
    9,800万円
    利回り:7.16%
    東京都豊島区
不動産投資セミナー(参加無料)詳しくはこちら! メールマガジンバックナンバーはこちら