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プロに聞く!不動産投資コラム 元サラリーマン大家が紹介! 赤井 誠氏(あかい まこと)

第10回 売却すべき物件とその基準は?

2019年12月12日

バブルの時代には不動産投資というものは、物件を購入してさらに高値で売却してキャピタルゲインを取る投資方法が主流でした。しかし、バブルが崩壊し、物件の利回りが向上し、さらに低金利になってきてからは、物件を購入して家賃収入すなわちインカムゲインを得るというのが一つの主流になってきています。一方で、購入したらすべて保有し続けるのではなく、時には物件の売却をして一定の利益を先取りすることも重要になってきます。

今回は、どのような時にどういう物件を売却していくべきなのか、その基準はどうすべきなのかについて、お話ししたいと思います。

周辺環境の悪化に対応

購入した不動産の中には当初の検討があまく、自分の思った通りの収益が得られないものも存在します。その理由が、自分自身の勉強不足・力不足なら、今後の努力によって収益性は改善する可能性はありますが、周辺環境の変化、例えば、学校の移転、工場の移転、商業施設の廃業など、自分自身の力ではどうにもならないものの影響であれば、早い段階で見切りをつけ、物件を整理することを考えた方が良いと思います。

頑張ればなんとかなるというものと、どうにもならないものは実際に存在し、努力家の方ほど後者の物件もぎりぎりまで頑張ってしまい、逆に被害を拡大してしまいます。自分の力で解決できない問題が発生することが分かった時点で、早めに売却する判断をすべきで、それが結果として一番傷が浅くて済む方法だと思います。

私の一棟目もまさにそのような感じでした。最初の物件なので必死に頑張りましたが、供給過剰の地域でなんとか2年頑張りましたが、やはりうまく収益を上げられませんでした。比較的早く判断したため、同価格で売却できましたが、その後、物件の家賃は30%以上下落し、早めに決断して良かったと胸をなでおろしました。

新築物件にシフトする

収益物件において当初は中古で利回りの高い物件を求めがちです。しかし、そのような高利回りの物件は何らかの問題を含んでいるものが多いです。それでも、不動産投資を始めて最初のうちは物件数も少なく、多少課題があっても高利回りの物件を購入し、キャッシュフローを多く手に入れることを優先する投資家は多いです。例えば駅から遠い物件であっても、営業努力をすることで空室を減らしたり、狭い物件でも、デザインクロスや家具・家電を付けて募集するなど、マイナス要因を補うプラス要因を物件に加えることによって、空室を減らし、稼働率を上げるということが可能になります。

しかしながら、投資規模を拡大して物件数を増やしていくと、そのような対応が時間的にも肉体的にも大変になってきます。
また、物件が古くなってくると、どうしても設備故障が増えてきます。エアコンやコンロなどは比較的簡単に安く交換できますが、上下水道管の劣化などは相当な費用が掛かります。
そのため、手間のかかる古い物件や何かしら問題のある物件を売却し、多少利回りが低くても手のかからない新築や都心部の駅近の物件に買いかえていくことは、安定的な不動産経営を行うためにも重要になってきます。

私は、投資を始めた初期にはあまりお金を持っていなかったので、即家賃収入のある中古物件から始めました。その物件を自分でいろいろ考えてDIYをしたり、物件紹介のパンフレットを当時は少なかったカラー印刷で作成して、仲介会社に持ち込んだりして物件の入居率を上げる努力をしていましたが、3棟目を購入して部屋数が40室を超えてからは、一人でサラリーマンをやりながら中古物件の再生をすることに限界を感じて、手間を減らすために新築にシフトしてきました。

好立地の物件にシフトする

地方や都心部でバス便などの利便性の悪い地域で投資している場合も同様です。地方や都心部のバス便などの物件は積算価格が高くて融資が受けやすいというメリットがあります。そのため、投資の初期段階で購入する投資家は数多く存在します。

ただ、例えば、地方の物件であれば、鉄筋コンクリートの大型の物件であることが多く、時間が経つにつれて劣化などの問題が発生しやすくなります。また、このようなエリアは土地値が安く、建物の面積が大きいために積算評価が高くなっている場合が多いものです。
さらに、広さの割には家賃の相場は低く、さらに固定資産税も高い傾向があります。そのため、購入時には有利に働いた積算評価も維持運営していく上では多額の修繕費や原状回復費、さらに高額な固定資産税などによって収益を圧迫してくる可能性があります。
ある程度収益を得た後は、積算価格は低くなりますが、早めに効率よく収益を上げられる都心部などの物件に入れ替えしていく方が安定的な経営ができることになります。

このように現状や将来に不安がある場合は、早めの売却を検討すべきだと思いますが、逆に順調に運営をできている物件に関してはどのように検討すべきでしょうか。

私は近年の不動産投資ブームの際に、駅徒歩10分以上の物件はすべて売却し、現在は駅に近い物件のみを所有しています。理由は、私は20分程度なら全然問題なく歩くのですが、自分の息子たちを見ているとあまり歩きません。そのため、シングル対象の物件に関しては、将来性を考えてすべて売却しました。

次の章では順調に運営できている物件でも、私がどのような場合に売却を検討しているかをお話ししたいと思います。

買う側が融資をつけやすさを基準にする

売却をするということは、他の誰かが購入するということです。投資家への売却の場合、購入後にキャッシュフローが得られなければならないため、融資期間がどの程度とれるかということが非常に重要です。
例えば、築17年の鉄筋コンクリート(RC)と鉄骨(S造)と木造の場合を例にとってみましょう。

耐用年数築年数残存年数
鉄筋コンクリート 47年 17年 30年
鉄骨 34年 17年 17年
木造 22年 17年 5年

図からわかるように同じ築年数でも、銀行が重要視する残存の耐用年数というものは違っています。そのため、次に買う人が長い期間の融資が付けられる時期に売却を検討することは、非常に重要です。例えば鉄筋コンクリートの場合は築17年まではあとから購入する人も30年の融資がつけられますが、それ以外の構造ではそのような長い期間の融資が付けられません。そのため、売却時には利回りを高くして売るようになります。

ただ、時代や状況とともに変化しますが、このような決められた法定耐用年数に限らず、銀行が独自の判断で耐用年数を決めているところもあります。
たとえば、鉄筋コンクリートや鉄骨造は60年、木造は40年等です。
現実的には、現在の施工技術から言って、このような法定耐用年数以上の耐用年数があるのは間違いありません。
このように残存の耐用年数を考えて、売却のタイミングを決めることで、常にリスクを抑えた投資が実現できます。

得られる利益で判断する

私は借金をしながら不動産投資を進めています。そのため、定期的に売却も行うことで、自己資本比率の確保を行い、不動産投資全体の安全性を高めています。
そのため、一定数の利益がでれば、基本的に売却することにしています。私の判断基準は5年分のキャッシュフローがでることです。
この基準は人によって違うと思いますが、今後5年分のキャッシュを先に手にするということは、その後の空室リスクやトラブルリスクなどもなくなり、満室で運営できたことと同じです。それであれば先にその金額を手にいれて、さらにそれを再投資する方が効率的だと考えています。

以上のように、さまざまなリスクを減らすための売却と今後のより強力な投資を進めるための売却、自分の目標と現在のポジションを理解して売却を考えてみることも不動産投資としては重要なことだと思います。

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