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特集・酢の上手な活用法

どのご家庭でも必ず一本はある、酢。 使いこなせているでしょうか?
健康・エコブームの中で酢がクローズアップされていても上手に使いこなすというまでは、
いかないかもしれませんね。
酢の種類とそれらが持つ効能・効果から使い道はたくさんあったのです。

酢の歴史は古く、古代エジプトの時代からあったようです。
あのクレオパトラが美と健康のために使っていたという伝説まであるほど。
では一体いつ頃日本に伝わってきたのでしょうか?
4世紀頃に中国から伝わってきたのではないかという説もありますが、
万葉集・古事記・日本書紀などに酢の話が残っていたことから推測されているようです。
もともと高級調味料として庶民にはほど遠いものでしたが、
奈良・平安時代からやっと暮らしの中で広く使われるようになったとか。

そもそも酢がどうやってできたのかも定かではなく、たまたまお酒をそのまま放置していてそれが酢になっていたという説もあれば、人が手を加え、初めて作り出した調味料という説もあったりで真偽のほどはどこにあるんだろうと思われるほど不思議な存在です。

酢が持つ効能・効果のひとつ、殺菌作用に注目したかの医学の父といわれる古代ギリシャのヒポクラテス(紀元前460~前375年頃)が治療に使っていた、あるいは回復期の患者に酢卵を飲ませたなどすごく価値の高いものであったという説も伝わっています。
最近では、美と健康、さらにはダイエットのひとつの方法から暮らしの中で困ったときのおばあちゃんの知恵袋的存在としても活躍の場を広げています。
やっぱり昔からの知恵はすごいものだと改めて見直してしまいます。

「酢」漢字に意味あり:
「酢」は、かめ(甕)を表す象形文字の「酉」と酸っぱさを表す「乍」が組み合わさってできた漢字です。
文字通り、お酒から発酵させて造られていることから、酸っぱいお酒とも言われます。
ちなみに、「す」と発音するのは「スッとする」や「すがすがしい」の「す」を語源とする説があります。
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長い歴史の中で進化してきた酢。酢がお酒からできるということは、お酒の種類だけ酢の種類があるということです。
その種類は大きく3つに分けることができます。
普段の料理でいつも登場するのが穀物酢。市場で見かけるほとんどがそれです。
最近、美容と健康のためにドリンクとしての活用を目的に登場しているのが果実酢。
フルーツの甘い香りが酢であることを忘れさせるほど。
まるでシロップのようなかわいいボトルもあってスペシャルな一本としておすすすめです。
さらに、酢の種類の中でも実にユニークな、玉ねぎ酢や豆酢、さとうきび酢など野菜や豆を原料とした酢も登場しています。
あれこれ試して飲みやすいお気に入りの酢を見つけてみてください。

酢カタログ
穀物酢 一般的に多く出回っているのが穀物酢。米、玄米、とうもろこしなどの穀物類から醸造され、マイルドでクセのない酸味が特徴。特に米酢は甘みがあり、和・洋・中、どんな料理にも合います。

01臨醐山黒酢
柔らかい酸味と豊かな香りが料理をおいしく引き立ててくれます。
02美濃有機玄米酢
コクと旨みが際立つ深い味わい。
03美濃有機純米酢
手間暇かけて熟成させた、香り高く柔らかな酸味が特徴です。
04やわらか酸味の穀
クセが少なく幅広い料理に最適な穀物酢です。
果物酢 ぶどうやりんごなどの果実を主原料にした酢です。自然の酸味や香りが特徴で、ドリンクやサラダ、デザートなどにぴったり。フルーティーな風味が料理を一層引き立ててくれます。

05フルーツビネガー パイナップルの酢
サラダやヨーグルト、洋風料理の隠し味にぴったり。
06フルーツビネガー ぶどうとブルーベリーの酢
自然な甘みと酸味は、口当たりがよく、ドリンクにしてもおいしい。
07フルーツビネガー ライチの酢
優しい酸味が飲みやすく、すっきりとした味わい。
08純ワインビネガー
フルーティーで、後味がすっきり。
09フルーツビネガー 純りんご酢
まろやかな味わいが人気。りんご本来の甘酸っぱい風味。
その他の酢 穀物と果物以外から造られた酢のことで、他の調味料と合わせた加工酢や酢酸菌以外から造られた合成酢も含みます。ひと味違った風味を楽しめます。

10かけろま きび酢
ミネラルが豊富で、まろやかな甘みと酸味が特徴です。
11飲むブルーベリーの酢
ブルーベリーの甘い香りと優しい酸味が特徴。
12飲むジューシー マンゴーの酢
マンゴーのトロピカルな香りが特徴。
13デザートビネガー ローズヒップの酢
ローズヒップの絞り汁とトマトの酢を合成した、マイルドな酸味が特徴。
14たまねぎ酢
玉ねぎの旨みとコクが楽しめ、焼き魚や野菜炒めにそのままかけてもOK。
15美濃有機すし酢
ちらし寿司や巻き寿司などにそのまま手軽に利用できます。
酢ってどんなもの
そもそも酢って何から造られるの? 酢の正体を探ってみたら、2つの造り方がありました。
1:天然微生物から造られる醸造酢
醸造酢とは、天然微生物である麹菌や酵母菌・乳酸菌、酢酸菌を使って造られる酢のことです。まずこれらの菌を使い、穀物や果物などの素材をアルコール発酵させ、お酒を造ります。果物の場合は、搾った果汁をアルコール発酵させて、ワインやりんご酒などにあたるお酒を造ります。このお酒に酢酸菌を加えて発酵させ、数ヶ月かけて熟成させるのです。こうして酢が出来上がり、ろ過、殺菌などの工程を経て出荷されます。
そもそも酢って何から造られるの?
2:氷酢酸や酢酸から造られる合成酢
合成酢は、醸造酢、氷酢酸、酢酸などを水などで薄め、砂糖や食塩、化学調味料で味を調えたものを指します。酢酸を主体としつつも、コハク酸やグルコン酸、乳酸、ブドウ糖、アミノ酸香料など、様々な成分が混ざっているのが特徴です。酢全体の1~3%程度しか造られていません。
酢の成分は?
酢の成分は?
酢の成分は、90%以上が水分です。その次にツンと刺激するにおいの正体である酢酸が4~5%程度含まれます。残りは2%程度のクエン酸やリンゴ酸、乳酸、コハク酸などの有機酸と1%程度のアミノ酸と言われています。その他に、果実酢などは糖分も含んでいます。有機酸は60種類以上、アミノ酸は20種類以上ともいわれ、酢を造る原料により成分の割合が異なってきて、味や風味の個性が出てきます。
酢コラム
もろみ酢は酢じゃないってご存じでしたか?
もろみ酢と言うからには、酢の仲間だと勘違いしている方もいるはず。しかし、農林水産省の定めるJAS規格では、酢酸を主成分としたものを酢とし、もろみ酢は清涼飲料水に分類されます。もろみ酢は、沖縄の伝統酒である泡盛の製造過程に生じる酒粕(もろみ)から造られているため、酢のように酢酸発酵を経ておらず、成分中に酢酸を含んでいないのです。その代わりに、天然のクエン酸をたくさん含んでいます。効能・効果は酢と同じ。ツンとした酢のにおいが苦手な方は、もろみ酢を活用されるといいですね。
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毎日摂りたい酢ドリンク