タマネギを毎日摂って、疲労回復に役立てましょう
今の時季は、とても甘みが強くて美味しいですよ
身が固くしまっていてつやのあるものを選びましょう
独特の辛みや甘みがあり、あらゆる料理に使われるタマネギ。旨み成分を多く含んでいるため、西洋では料理のベース(出汁)として重宝されています。
タマネギは、精力剤の役目
古代エジプトの時代に栽培され、当時から労働者の精力剤として食されていたタマネギ。日本へは明治時代に伝わり、北海道で栽培が始まったとされます。食用としている部分は茎や根ではなく、葉っぱの部分で、成長と共に厚みを増して球形に重なり合います。旬は、新タマネギの3~5月と黄タマネギの9~10月の2回。栄養面では、カリウム、ビタミンB1、Cなど、まんべんなく栄養素を含んでいます。特に優れているのは糖質。果糖やブドウ糖などを多く含んでいるので疲労回復に重要な役割を果たします。旬の新タマネギを使った料理をおいしく食べて日頃の疲れをほぐしましょう。
硫化アリルの力
切った瞬間に涙が止まらなくなったり、食べたらピリピリと辛かったり、やたらと料理する側を困らせるタマネギ。これは、硫化アリルという成分で、空気にふれると硫黄を含んだ催涙性物質に変化します。血液をサラサラにし、動脈硬化の原因となる血栓やコレステロールの代謝を抑制、血栓を出来にくくする作用が期待できる優れた野菜。タマネギは、生活習慣病になりがちな現代人の体に欠かせない食材といえます。
切り方のポイント
冷蔵庫でキンキンに冷やしたり、電子レンジで軽く熱を加えてから包丁ですばやく切ると涙が比較的出にくくなります。
タマネギの成分値
(生・可食部100g当たり)

- エネルギー
- 37kcal
- たんぱく質
- 1.0g
- 脂質
- 0.1g
- 炭水化物
- 8.8g
- 食物繊維
- 1.6g
- ナトリウム
- 2mg
- カリウム
- 150mg
- カルシウム
- 21mg
- マグネシウム
- 9mg
- リン
- 33mg
- 鉄
- 0.2mg
- 亜鉛
- 0.2mg
- βカロテン
- 1mcg
- ビタミンB1
- 0.03mg
- ビタミンB2
- 0.01mg
- ビタミンB6
- 0.16mg
- ナイアシン
- 0.1mg
- 葉酸
- 16mcg
- パントテン酸
- 0.19mg
- ビタミンC
- 8mg
5訂増補「日本食品標準成分表」より引用
タマネギとトマトのマリネ
調理時間約15分

作り方
(1)タマネギとトマトは、輪切りにスライスしておく。レモンは半分に切り、飾り用に2、3枚スライスする。残りは、搾り器で搾る。(2)器に、タマネギ、トマトの順で交互に重ねて盛り付ける。(3)重ねて盛り付けた上に、ホタテの貝柱を粗くほぐしてのせる。(4)(3)にオリーブオイル、(1)のレモンの搾り汁をかけ、塩、こしょうで味を調え、レモンを飾り、パセリをちらしたらできあがり。
材料(2人分)
新タマネギ1個、トマト1個、ホタテの貝柱1缶、オリーブオイル適宜、レモン1個、塩適宜、こしょう適宜、パセリ適宜
タマネギと牛肉の洋風肉じゃが
調理時間約40分

作り方
(1)タマネギは、皮を剥き、半分に切る。さらに1.5cm幅に細切りにしておく。人参は厚めの拍子切りにする。ニンニクは、うすくスライスする。しらたきは、サッと湯通しして取り出したらサッと水にくぐらせ、適当な長さに切る。絹さやは、サッと湯通しする。(2)フライパンにサラダ油を入れ熱したら、(1)のニンニクを入れ、香りが出るまで炒める。そこに牛肉を入れ、表面が白っぽくなってきたら火から外し、ボウルなどに上げておく。(3)牛肉を炒めた鍋にじゃがいも、人参をサラダ油で炒め、油がややなじんできたら(1)のタマネギ、しらたきを順に加え、さらに炒める。(4)(3)にお湯を加え、蓋をしてひと煮たちさせてから、だしの素、砂糖、酒、みりん、醤油を加え、炒めておいた牛肉を加える。じゃがいもが煮えて水分がなくなるくらいまで煮込む。(5)器に盛り付けて、(1)の絹さやをちらしてできあがり。
材料(2~4人分)
タマネギ2個、ニンニク2片、しらたき1パック、絹さや6枚、牛肉(薄切り、切り落としなど)200g、じゃがいも5個、人参1本、サラダ油適宜、お湯3カップ、だしの素適宜、砂糖小さじ3(黒砂糖でも良い)、酒大さじ3、みりん大さじ2、醤油大さじ4
タマネギたっぷりのビーフシチュー
調理時間約90分

作り方
(1)沸騰した湯に塩を入れ、インゲンをサッと茹でる。茹でたインゲンは半分に切っておく。タマネギは、2個をみじん切り、残りの2個は六つ割りにする。じゃがいもは、2つ切り、小ぶりのものならそのまま皮を剥くだけ。人参は、大きめの乱切りにする。(2)牛肉の角切りは、冷蔵庫から出し、室温に戻しておく。(3)(2)の牛肉に強めの塩、こしょうをふり、下味をつけておく。(4)(3)にまんべんなく小麦粉をまぶす。(5)大きめの鍋にサラダ油を熱し、(4)の牛肉を1つずつ入れて、両面に焦げ目がつくまで焼く。(6)(5)の牛肉をボウルにとりあげ、赤ワインをたっぷりとふっておく。(7)牛肉を焼いた鍋に、サラダ油を少量たして(1)のみじん切りにしたタマネギをきつね色になるまで炒める。(8)(7)のタマネギに(6)の牛肉をあわせて、ローリエ、ホールトマトを入れ、お湯を注ぎ、肉が柔らかくなるまで1時間以上煮込む。(9)(8)に(1)のじゃがいもと人参を入れ、ペコロス、(1)の六つ割りにしたタマネギ、ドミグラスソースを入れ、さらに煮込む。(10)火が通ったら塩、こしょうで味を調え、バターを入れてひと煮立ちさせる。器に盛り付けたら、(1)のインゲンを飾ってできあがり。
材料(4人分)
タマネギ4個、インゲン6本、牛肉角切り(すね肉、すじ肉でも良い)800g、小麦粉適宜、ローリエ3~4枚、ホールトマト1缶、ドミグラスソース1缶、じゃがいも5個、人参3本、ペコロス12個、お湯500cc程度、塩適宜、こしょう適宜、サラダ油大さじ5+少量、赤ワイン1カップ、バター30g
料理/岡崎晴美先生
晴美先生の本業は世田谷区北沢にて開業している「岡治療室」の針灸師さん。「人が大好き」という先生は子供三人を育てたパワフルおかん。家族の健康に気を遣い、常に栄養のある献立を考えている。撮影中も「いっぱい作ったから食べてね」とスタッフを気にかけてくれる優しいお人柄です。日頃から患者さんに慕われ、通いつめる方も大勢いらっしゃいます。今回もおかんの栄養いっぱいの料理がうまい!