和風、洋風問わず、どんな料理にも合います
ほんのりとした苦味が、とても美味しい野菜です
黄色い綺麗な花々を咲かせる菜の花。実は、とても栄養価が高く、風邪を引きやすい季節の変わり目にもぴったりの食材です。
栄養たっぷりで万能野菜の菜の花
菜の花といえば黄色いお花畑を連想してしまいますが、花を咲かせる前の青々とした蕾や茎は、ほんのりと苦味を含んでいて美味しい野菜です。実はとても栄養価が高く、ビタミンCはほうれん草の約3.5倍、β-カロテンはピーマンの約5倍。その栄養価の高さを利用して、花を咲かせてしまった菜の花は収穫の際に取り残しておき「鋤きこみ」という有機肥料として畑に耕されます。今度は別の野菜の自然肥料として栄養分を分け与えるのです。そんな仲間想いの栄養たっぷり菜の花は、”見てよし“”食べてよし“”肥料によし“と三拍子揃った万能野菜。是非、食卓に並べて春の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
効能
アブラナ科の特有成分、イソチオシアネート
アブラナ科である菜の花には、特有の栄養成分イソチオシアネートがあります。この成分は、ガン予防に最適な活性酸素を抑制するもので、抗菌作用や血液をサラサラにするなどの作用が期待できます。
調理の仕方
菜の花の根本を少し切り、しばらく冷水にさらしシャキッとさせます。茹でるときはサッと素早くがポイント。また、油で手早く炒めることで水溶性のビタミンCやβ-カロテンの栄養を損なわずに摂取することができます。
菜の花の成分値
(生・可食部100g当たり)

- エネルギー
- 33kcal
- たんぱく質
- 4.4g
- 脂質
- 0.2g
- 炭水化物
- 5.8g
- 食物繊維
- 4.2g
- ナトリウム
- 16mg
- カリウム
- 390mg
- カルシウム
- 160mg
- マグネシウム
- 29mg
- リン
- 86mg
- 鉄
- 2.9mg
- 亜鉛
- 0.7mg
- βカロテン
- 2200mcg
- ビタミンK
- 250mcg
- ビタミンB1
- 0.16mg
- ビタミンB2
- 0.28mg
- ビタミンB6
- 0.26mg
- ナイアシン
- 1.3mg
- 葉酸
- 340mcg
- パントテン酸
- 0.73mg
- ビタミンC
- 130mg
5訂増補「日本食品標準成分表」より引用
菜の花とイカのスパゲッティー
調理時間約30分

作り方
(1)塩を入れた熱湯で菜の花をサッと茹でる。(2)ニンニクをスライスする。ベーコンは、食べやすい大きさに切る。唐辛子は種を取り除き輪切りにする。(3)イカは、胴から足、内臓を引き出して離す。胴を縦に切り開き、骨、わた、卵などを洗い、皮を剥く(皮を布巾などで掴むと剥きやすい)。次に5cmの幅に切る。その表面に斜め交差に切れ目を入れ、松笠のようにする。このあとに2~3cm幅の食べやすい大きさに切る。沸騰した湯に入れ、軽く湯通しする。(4)塩を入れた熱湯でパスタを茹でる。(5)鍋にオリーブオイルをしき、(2)のニンニク、ベーコン、唐辛子の順に入れ、弱火で香りを良く出す。(6)(5)に(1)を加えたあと、(4)を入れて混ぜ合わせ、塩で味を調える。器に盛りつけたらできあがり。
材料(2人分)
菜の花1/2束、パスタ200g~300g、ベーコン4枚、イカ1ぱい、ニンニク1個、唐辛子1本、オリーブオイル適宜、塩適宜、こしょう適宜
菜の花の明太子和え
調理時間約15分

作り方
(1)水に昆布を20分程つけて戻しておく。(2)(1)にカツオ節を加えて火にかけ、出し汁を作っておく。(3)沸騰した湯に塩を入れ、菜の花をサッと茹でる。湯から取り出したら10~14cm位に切る。(4)明太子は、袋をやぶり、中身を取り出す(写真1)。取り出した明太子の中身に、冷ましておいた(2)の出し汁大さじ5を加えてペースト状にする。(5)(2)の残った出し汁に醤油、塩を加え、これに(3)の菜の花を入れ、漬けておく。(6)器に(5)の菜の花を盛りつけ、(4)の明太子を上にのせたらできあがり。
材料(2~4人分)
菜の花1束、明太子1腹、水50cc、カツオ節50g、昆布1枚、醤油大さじ2、塩適宜
菜の花とあさりの鍋
調理時間約30分

作り方
(1)水に昆布を20分程つけて戻しておく。(2)(1)にカツオ節を加えて火にかけ、出し汁を作っておく。(3)塩を入れた熱湯で菜の花をサッと茹でる。(4)ニンニクは皮を剥いて半分に切り、芽を取り除く。白菜は長さ5cm位に切る。あさりは殻を水で洗っておく。(5)葛きりは、熱湯に入れて7、8分間、鍋底などにつかないようにかき混ぜながら茹でる。茹でたら素早く水にさらす。生ゆばは、適当な大きさに切る。(6)大きめの土鍋に(2)の出し汁を入れ、塩、醤油少々、酒を加え味を調える。(4)のニンニクは、最初から入れ、煮立ったら白菜を入れて出し汁にコクをつける。(7)あさり、葛きりを入れ、最後に(3)の菜の花を入れて、ひと煮立ちさせる。(8)器に盛りつけてお好みで柚子の皮、七味などをかけてできあがり。
材料(4人分)
菜の花2束、白菜4枚、ニンニク10個、葛きり50g、あさり100g(砂抜きしたもの)、生ゆば100g、水1000cc、カツオ節100g、昆布1枚、塩適宜、醤油適宜、酒1/2カップ、柚子の皮適宜、七味唐辛子適宜
料理/岡崎晴美先生
晴美先生の本業は世田谷区北沢にて開業している「岡治療室」の針灸師さん。「人が大好き」という先生は子供三人を育てたパワフルおかん。家族の健康に気を遣い、常に栄養のある献立を考えている。撮影中も「いっぱい作ったから食べてね」とスタッフを気にかけてくれる優しいお人柄です。日頃から患者さんに慕われ、通いつめる方も大勢いらっしゃいます。今回もおかんの栄養いっぱいの料理がうまい!