根だけではなく、葉っぱも栄養があってとてもおいしいんですよ
いろいろな調理法もあって作るのも楽しくなります
どんな料理にも良く合い、
栄養価も高いことから
日本で最もなじみの深い野菜。
寒い季節には、温かいダイコン料理を食べて乗りきりましょう!
弥生時代に伝わった、
日本になじみの深い野菜「ダイコン」。
ダイコンの旬は、10月下旬~2月にかけてで、甘味が強くなり水分もたっぷりの今が一番おいしい季節です。ルーツは、地中海地方や中央アジアといわれ、エジプトでは4000年以上も前に食料として存在していました。もともとはアブラナ科の一種で、古くから品種改良がおこなわれたため、今では100種類以上もあるといわれています。日本では青首ダイコンが主流ですが、三浦ダイコンや練馬ダイコン、櫻島ダイコン、辛みダイコンと各地方によってさまざまな色・形をしています。また、その調理方法の幅も広く、煮物や炒めもの、ダイコンおろしなどバラエティーに富んだ工夫ができるのも魅力。ぜひ、この季節にダイコン料理を食卓に並べてみてください。
豊富なビタミンCとアミラーゼが
消化を助けます!
ダイコンの根の部分はビタミンCとでんぷん質分解酵素のアミラーゼを多く含んでいます。このアミラーゼは消化酵素が豊富で食べ物の消化吸収を促進。もたれや二日酔いなど、胃の弱い方に最適な成分です。捨ててしまいがちな葉の部分は、根よりもビタミンCを多く含み、βカロチンも豊富など、捨てるところのない優れもの野菜です。風邪をひきやすいこの季節だからこそ、栄養価の高いダイコンをたっぷり摂ってください。
ダイコンの成分値
(生・可食部100g当たり)

根 | 葉 | |
---|---|---|
エネルギー | 18kcal | 25kcal |
たんぱく質 | 0.5g | 2.2g |
脂質 | 0.1g | 0.1g |
炭水化物 | 4.1g | 5.3g |
食物繊維 | 1.4g | 4.0g |
ナトリウム | 19mg | 48mg |
カリウム | 230mg | 400mg |
カルシウム | 24mg | 260mg |
マグネシウム | 10mg | 22mg |
リン | 18mg | 52mg |
鉄 | 0.2mg | 3.1mg |
亜鉛 | 0.2mg | 0.3mg |
βカロチン | - | 3900mcg |
ビタミンK | - | 270mcg |
ビタミンB1 | 0.02mg | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.01mg | 0.16mg |
ビタミンB6 | 0.04mg | 0.18mg |
ナイアシン | 0.3mg | 0.5mg |
葉酸 | 34mcg | 140mcg |
パントテン酸 | 0.12mg | 0.26mg |
ビタミンC | 12mg | 53mg |
5訂増補「日本食品標準成分表」より引用
ぶりダイコン
調理時間約50~60分

作り方
(1)ぶりをひと口大に切りボウルに入れ、塩をまぶしてくさみをとる。沸騰したお湯をかけ、身が白くなったら冷水で綺麗に洗い、うろこをとる。(2)ダイコンは皮をむき、食べやすい大きさの乱切りにする。(3)しょうがは半分を薄切りに、残りを飾り用に千切りにしておく。(4)鍋にお酒、醤油、だしの素を入れて煮立たせ、(2)、(1)、(3)を入れてふたをして中火で煮る。(5)ときどきふたを開け、水分の量をみる。煮立ちすぎて水分が少なくなったらお湯を適量足しても良い。(6)時々鍋返しをしながら、まんべんなく味を染みこませる。20~30分煮て竹串がすっと通ったら醤油で味を調える。(7)器に盛りつけ飾り用のしょうがをあしらえばできあがり。
材料(5~6人分)
ダイコン2/3本、ぶり2切れ(あら、かまでも良い)、しょうが1かけ、塩大さじ2、お酒1カップ、醤油1/2カップ、だしの素少々、塩少々
ダイコンのおでん
調理時間約60分

作り方
(1)昆布を水で戻し、長さ20cm位に切る。幅4cm位にさいてひと結びして水で30分程煮ておく。(2)ダイコンは皮をむき、厚さ4~5cmの輪切り(ダイコンに隠し包丁を十文字にいれる)にして米のとぎ汁かお米ひとつまみを入れて20分程茹でておく。(3)こんにゃくは1cmの厚さに切り、真ん中に切れ目を入れ、片端を中央の切れ目にくぐらせ手綱こんにゃくにして茹でる。(4)里いもは皮をむき、まるごと茹でてぬめりをとる。(5)鶏ガラ2羽分は、水で洗って血合いを取りのぞき、水から煮る。丁寧にあくを取りながら出し汁を作る。(6)玉子は常温に戻し、10分程茹でて水につけて殻をむく。(7)糸こんにゃくは下茹でする。ハンペンは三角切り、ちくわは斜切りにする。(8)練り物は熱湯にサッとくぐらせて余分な油分をぬいておく。(9)鶏ガラの出し汁に昆布の煮汁、塩、だしの素、醤油、みりんを加え、煮立てる。練り物をサッと煮て、旨味を煮汁に出したらボウルにあげておく。こんにゃく、昆布、ダイコンを味の染みにくい順に入れ、とろ火で15分程煮る。(10)(6)、(7)、練り物を入れ、とろ火で12~13分煮る。(11)塩、醤油で味を調える。一度火を止め、数時間おく。(前日にここまでやっておくとおでん種に味が染みこみ、よりおいしくいただけます)(12)とろ火で煮こんで、器に盛りつけてお好みで和からしをそえたらできあがり。
材料(5~6人分)
ダイコン1本、昆布2~3枚、こんにゃく1丁、里いも5~6個、鶏ガラ2羽分、玉子6個、糸こんにゃく1パック、練りもの各種、ハンペン1枚、ちくわ2本、塩大さじ2+適宜、だしの素少々、醤油大さじ5+適宜、みりん大さじ3
ダイコンと人参の紅白なます
調理時間約20分

作り方
(1)昆布を料理用ハサミで幅1mm程に切る。(2)タコはそぎりにして酢をまぶしておく。(3)ダイコンと人参は5cm位の長さに細切りにする。ボウルにダイコンを入れ、塩大さじ2をまぶしておく。人参は別のボウルに入れ、塩小さじ2をまぶしておく。(4)大きなボウルに塩大さじ2、砂糖大さじ1、お酢大さじ4を入れて塩、砂糖がとけるまでサッと火にかける。(5)水分の出た(3)のダイコンは手で軽くしぼり、人参は硬く絞る。(4)に(1)、(2)、(3)を入れて混ぜ合わせる。(6)器に盛りつけてできあがり。
材料(4人分)
ダイコン1/2本、人参1/2本、昆布1/4枚、タコ(ボイルしたもの)100g、塩大さじ2+小さじ2、砂糖大さじ1、お酢大さじ4
ダイコンの葉とじゃこの炒め煮
調理時間約20分

作り方
(1)ダイコンの葉っぱをまるごと下茹でする。(2)人参は太めの千切りに切る。(3)油あげは縦2つに切り、横幅5mmに切る。(4)じゃこはフライパンでから炒りしてお皿にあげておく。(5)フライパンにサラダ油を入れて(1)、(2)、(3)、(4)の順に入れ、炒めていく。(6)お酒、みりん、醤油、だしの素を加え水分がなくなるまで炒める。(7)5分程炒めたら、ごま油をまわしいれて香りをつける。(8)器に盛りつけ、お好みで七味唐辛子、またはいりごまをふりかけたらできあがり。
材料(4人分)
ダイコンの葉っぱ1株、人参1/3本、油あげ1枚、じゃこ1パック、サラダ油大さじ1、ごま油大さじ1、お酒大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ2、だしの素適宜、七味唐辛子適宜、いりごま適宜
料理/岡崎晴美先生
晴美先生の本業は世田谷区北沢にて開業している「岡治療室」の針灸師さん。「人が大好き」という先生は子供三人を育てたパワフルおかん。家族の健康に気を遣い、常に栄養のある献立を考えている。撮影中も「いっぱい作ったから食べてね」とスタッフを気にかけてくれる優しいお人柄です。日頃から患者さんに慕われ、通いつめる方も大勢いらっしゃいます。今回もおかんの栄養いっぱいの料理がうまい!