「ナスは油と相性がよく、だし汁も自分でつくると、
おいしくなりますよ。」
ナスは和・洋・中とレシピの幅も広く、食べやすい食材です。
しかも身体を癒してくれる成分も含まれていて、秋の優秀食材なのです。
この時期は旬のナスがオススメです。
「秋ナスは嫁に食わすな」といわれてきた言葉があるほど、そのおいしさは語りつがれてきました。もともとナスの料理というのは、昔から精進料理などに使われてきましたが、最近では疲れた身体を癒し、免疫力を上げる成分があることがわかってきました。おいしく料理してたっぷりいただくことは心にも身体にも、いいことずくめといっても言いすぎではないほど。ナスの魅力を今回のレシピで満喫してみませんか。
ナスの成分値
(生・可食部100g当たり)

- エネルギー
- 22kcal
- たんぱく質
- 1.1g
- 炭水化物
- 5.1g
- 食物繊維
- 2.2g
- カリウム
- 220mg
- カルシウム
- 18mg
- マグネシウム
- 17mg
- 鉄
- 0.3mg
- 亜鉛
- 0.2mg
- マンガン
- 0.16mg
- リン
- 30mg
- βカロチン
- 100mcg
- ビタミンK
- 10mcg
- ビタミンB2
- 0.05mg
- ビタミンB6
- 0.05mg
- ビタミンC
- 4mg
- ナイアシン
- 0.7mg
- 葉酸
- 32mcg
5訂増補「日本食品標準成分表」より引用
コレステロールを下げるナスニンや
ポリフェノールも含有、カリウムも豊富な野菜
紫の色素にふくまれるナスニンにはコレステロールを下げる働きがあり、またアクの成分にはポリフェノールが含まれているので、抗酸化作用があり、免疫力を高め生活習慣病などを予防する働きもあるといわれています。カリウムも豊富で、むくみ予防などにも働きかけてくれます。
良いナスの見分け方
ヘタの切り口が黄緑色のものを選びます。ツヤがあり濃い紫色のものが新鮮。傷があるかないかもポイントです。ヘタの大きさに比べて実が小さいものは未熟ですから避けましょう。
だし汁のとり方(濃いめ)
昆布は約10cmの長さのもの2枚を鍋に入れ、約500ccの水に30分浸しておきます。そのまま鍋を火にかけ、沸騰したらかつおの削り節約15gを入れ、2分ほど煮立て火を止め、濾しておきます。
ナス提灯のエビあんかけ
調理時間約30分

作り方
(1)エビは殻を外し背わたをとる。(2)長ねぎはタテに4つ割りにして粗みじん切り、しょうがもみじん切りにする。(3)絹サヤはさっと塩茹でする。(4)ナスはヘタと花止まりを切り取り、両方の切り口から1cmほどのところに包丁でタテに1cmおきの深い切込みを入れ、鍋に湯を沸かしナスを入れて芯まで火が通ったら取り出し、ひねって皿に並べておく。(5)長ねぎ・しょうがを大さじ2の油で炒め香りが出たらエビを加えさっと炒める。あんかけ調味料で味を整え、水溶き片栗粉を入れてナスにかける。(6)(3)の絹サヤを飾ってできあがり。

材料(4人分)
ナス5本、長ねぎ1/2本、しょうが少々、殻つき無頭エビ10尾、絹サヤ10枚、油適宜、あんかけ調味料(※だし汁カップ1、みりん大さじ2、醤油大さじ3)、水溶き片栗粉大さじ2
ナスとピーマンの味噌炒め
調理時間約20分

作り方
(1)ナスはタテ半分に切りタテ長の乱切りにして、大さじ5の油で炒め、皿に取り出しておく。(2)玉ねぎは細めのくし切り、人参は細切り、ピーマンは乱切りにしておく。(3)合わせ調味料を混ぜ合わせておく。(4)豚肉を炒め、(1)(2)を入れ、(3)の調味料を回し入れ、皿に盛り付けてできあがり。

材料(4人分)
豚肉150g、ナス4本、ピーマン2個、玉ねぎ1/2個、人参4cm位、炒め用油約1/2カップ程度、合わせ調味料(だし汁大さじ5、みりん大さじ1、味噌大さじ2、豆板醤小さじ1)
ナスの素揚げ
調理時間約15分

作り方
(1)漬け汁の材料を混ぜ合わせて置く。(2)針しょうがをつくる。(3)ナスは半分に切り、ヘタを取り、切り口から1cmのところから包丁を入れ、7mm幅で切る(4)ナスを素揚げする。(5)揚げたての(4)のナスを漬け汁につける。(6)皿に盛り付け、針しょうがを飾ってできあがり。翌日に、冷やしておいて食べてもおいしいです。

材料(4人分)
小ぶりのナス8本、揚げ油適宜、しょうが1かけ、つけ汁(※だし汁3/4カップ、みりん大さじ2、醤油大さじ2、酢大さじ1、酒大さじ1、めんつゆ大さじ1、種を除いた唐辛子1本分位の輪切り)
いんげんとナスの甘辛煮
調理時間約15分

作り方
(1)ナスは横に半分に切り、さらにタテとヨコに4つに切る。大さじ5くらいの多めの油で炒め皿に取り出しておく。(2)いんげんは、さっと下茹でして半分の長さに切る。(3)熱したフライパンに油をしき、手羽中をこんがりと焼きつけ、(1)と(2)を入れて炒め合わせたら、味付け調味料を順に入れて煮込む。(4)ときどきざっくりと混ぜ返し、手羽中に火が通ったら、最後に醤油で味を整え、皿に盛り付けてできあがり。

材料(4人分)
鶏の手羽中250g、ナス6本、いんげん150g、油適宜、味付け調味料(だし汁大さじ5、みりん大さじ2、醤油大さじ3、塩少々)
料理/岡崎晴美先生
晴美先生の本業は針灸師。世田谷区北沢で開業されている。先生を慕い、新幹線で地方から通ってくる人もいるほどの知恵と技術を持った達人おばあちゃんだ。多くの体調不良の患者さんを見てきた経験から、その原因のひとつに食生活の乱れがあると気がつき、時には手作りの総菜を渡されることもある。「先生から健康だけでなく元気ももらえる」と評判のある元気いっぱいの先生だ。