借り換えで返済額を減らすもうひとつの方法
- 住宅ローンを返済していますが、勤務先の業績があまり良くなく、少しでも返済額を減らしたいと思っています。貯金があまりないので繰上返済はできません。借り換えたとしても金利はいまとそれほど変わらず、負担は減らないように思います。返済額を減らす、なにかいい方法があったら教えてください。(37歳 男性 会社員 Sさん)
- 住宅ローンの返済が困難になった場合には、一刻も早く、借入先の金融機関に相談することをお勧めします。それほど深刻でない場合は、住宅ローンを借り換えて、返済期間を延ばすことでも負担を軽くすることができます。ただし、対応してくれる金融機関はいまのところ限定されています。
借入額・金利・返済期間で決まる、毎回の返済額
住宅ローンの毎回の返済額は、「何パーセントの金利」で「いくら」借りて、「何年間で返す」のか、という3つの要素で決まります。 金利が低いほど、借入額が少ないほど、また返済期間が長くなるほど、毎回の返済額は少なくなります。 繰上返済するのが難しいSさんには、金利と返済期間を変えて毎回の返済額を試算した下の表がイメージをつかみやすいかもしれません。
上の条件では、金利が0.5%違うと毎回の返済額は8,000円前後、返済期間が5年違うと1万円以上違うことがわかります。 返済額を抑えるには、金利を下げるか、返済期間を延ばすのが効果的です。
借り換えで、返済年数は延ばせる?
現在は、多くの銀行で様々な住宅ローンが利用でき、魅力的な金利のものを選んで借り換えることができます。 けれど、借り換え後の住宅ローンでの返済期間は、いまのローンの残存年数を限度にしているのが一般的で、返済期間を延ばすのは難しいのです。 つまり、残りの返済期間が20年のローンを借り換えると、借り換え後のローンの返済期間は20年が限度となってしまうのです。
しかし、新生銀行の「パワースマート住宅ローン」では、 借り換えでも、最長35年という返済期間が可能になっています。 申し込み時に20歳以上65歳以下で、かつ完済時に満80歳未満である、など所定の条件を満たせば、いまの住宅ローンの残存年数に関わらず、 35年までの返済期間を設定できます。いまのローン金利が比較的低いSさんのような人でも、返済年数を長くすることで、メリットを受けられるのです。
返済期間を延ばすなら、ここをチェック
利用する前に、注意したいこともあります。ひとつは、返済期間を延ばすと「総支払額」が増えてしまうことです。 先の例で、3,000万円を金利3%で借り35年で返済すると、毎回の返済額はおよそ1万円減りますが、 総支払額は約296万円増えます(繰上返済をしなかった場合)。総支払額の多い、少ない、で損得を考える必要はありませんが、 どのくらい増えるかはあらかじめ知って納得しておいた方がいいでしょう。
ふたつめは、完済時まで支払い続けられるかを確認しておくことです。 とくに、勤務先を退職後も返済し続けることになる場合には、退職金や貯蓄で完済できるのかなど、具体的に考えておく必要があります。 なお、パワースマート住宅ローンの繰上返済手数料は無料なので、貯金が貯まるたびに繰上返済をして、完済時期を早めることもできます。 さらに、普通預金口座で指定額を上回る分を最低1円から繰上返済にまわす「自動繰上返済」を活用すれば、手間もかかりません。 子どもが成長し教育費がかからなくなる、数年後は奥様も働き始め収入がアップするなどの見込みがある人は、検討してみる価値は十分にありますね。