不動産投資の最新動向
2018/2/22

不動産投資なら『脱サラ』も『本業両立』も可能?

「大家業は1か月5時間程度・・・」--今回は資産規模6億円で家賃収入5000万円、不動産投資塾を率いるカリスマ大家の長岐さんにお話をうがいました。サラリーマン時代に不動産投資を始め、数年で目標の「月100万円の手取り」を達成した、成功の秘訣やエピソードをお届けします。

即・脱サラはリスク。ジャンプの前に「助走期間」を!

――長岐さんは、2009年2月に、表面利回り10%の一棟マンションを2億5,000万円で購入されました。2008年秋のリーマンショックで市況が急変、現金化を急いでいた売主さんと価格交渉が成立して、当初の売り出し価格より安くなった。あと2ヵ月遅かったら、融資引き締めで取引が流れていたかもしれません。これが第1号でしたね。2棟目は、いつ頃になりますか。

長岐:最初に買えた時は「いくらでも買えそう。どんどん物件を紹介してほしい」と思っていました。でも、甘かったですね。市況の変化で融資審査も厳しくなっていましたし、"総量規制"というか、個人の与信枠があることを知りませんでした。しばらく賃貸経営をして返済実績を積み、手持ち物件の担保余力が出るまで苦労して、ようやく1棟目から1年半後に2棟目を購入できました。そこで、当初の目標をクリアできたので、2011年6月に銀行を退職したんです。

――当初の目標とは? どのような目標を立てていたのですか。

長岐:不動産の家賃収入から経費を引いたキャッシュフロー、いわゆる「手残り収入」で月100万円稼げるように頑張ろうと思いました。

――100万円達成したら、と最初から決めていたわけですね。

長岐:そこまで確信を持っていたわけではありません。会社をリストラされる可能性もあったので、まずは3年、不動産収入が当時貰っていた給料を上回るよう真剣に取り組んで、いつでも辞められる準備をしておこうという考え方です。結果的に、2棟合計の資産額が4億円で、家賃収入が4,000万円、年間の手取りが1,200万円になったので、前倒しで脱サラできたわけです。

――脱サラまでのステップはどのように考えるといいでしょうか。

長岐:いきなりサラリーマンを辞めて起業する人もいますが、それはリスクが高いと思いますね。私の場合、不動産鑑定士という資格があったので、会社を辞めてもすぐに路頭に迷うことはありませんでした。それでもいきなり起業となれば、2~3年は稼げない時期があるでしょう。サラリーマン時代に大家業(賃貸経営)を副業にして、そこで収入の基盤というか、生活できるレベルの収入が得られたことは、脱サラの「助走期間」ができたという意味ですごく良かったと思います。


「時間とお金」の余裕を持てるストックビジネス




――脱サラに備えた副業としては、不動産投資は非常に有効といえるのではないでしょうか。

長岐:おっしゃる通りです。融資を引いて物件を買う最初のステップまでは大変な面もありますが、購入してしまえば、ほとんど自分の時間がとられません。週末に少しずつ、1ヶ月5時間程度で月に100万円の収入を得られる。時給単価でいうと非常に高いでしょう。いや、そもそも大家業は時給とは違う概念、つまり、仕組みを作ってしまえば収入が得られるストックビジネスです。時間的な拘束が長い本業で労働収入を得ながら、副業でストックビジネスを持つことは、他の投資や副業では実現できません。要するに「時間とお金」の両方の余裕が持てるということです。

――長岐さんは、「副業でリスクを少なく成功するための"4つのポイント"」(2018年1月15日掲載)というブログを書かれていますね。1.やりがいが持てる楽しいビジネスであること。2.協力者がいること。3.収入が安定していること。4.競合が弱く、初心者が参入しても勝ちやすいこと。この4つのポイントを備えている副業が、まさに不動産投資だと思うのですが、いかがでしょうか。

長岐:そうですね。第1に、不動産ビジネスというのは、非常に社会的意義の高い職業だと考えています。人間の生活に不可欠な"衣食住"の中でも根幹となる"住"を担っているからです。オリジナリティのある工夫をして良いサービスを提供すれば、入居者から感謝され、収益アップという結果も付いてきます。

第2に、大家業は、賃貸経営に関わる業務のほとんどをアウトソーシングできます。入居者管理やメンテナンスは管理会社、集客やマーケティングは不動産仲介会社、会計は税理士など、各分野の専門家とチームを作って「しくみ化」することができ、大家さん自身は重要な意思決定の役割をすればいい。

第3に、購入してすぐに収益化でき、家賃収入は月々安定し、変動幅も小さい。

そして、不動産投資・経営は、特別な才能がなくても、勉強すれば初心者でも参入できます。現に古いタイプの大家さんと、ビジネス感覚を持ったサラリーマン大家さんの世代交代が進んでいる。

この4拍子揃ったビジネスモデルは大家業以外にありません。

次の頁では、大家業のユニークな事例、無限の可能性について伺います。>>

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ガイド:宮澤 大樹
(野村の仲介+ 資産コンサルティング部)

1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。

他の投資商品との比較から不動産投資の具体的な投資・運用方法まで、初心者の方にも、経験者の方にも参考になる内容を、わかりやすく丁寧にご説明いたします。