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プロに聞く「収益物件」売却術

佐藤 竜生
野村の仲介+
資産コンサルティング部長

収益不動産を「いつどのように売却するか」の判断には、エリアや物件、さらに金融情勢など、複雑な要素が絡んできます。2018年の最新の不動産投資の市場動向を踏まえた収益物件の売却の考え方をご紹介します。

2018年前半は待ったなし。主役の変わった不動産市場で取るべき戦略

2017年後半、収益不動産の需要と供給のバランスに変化が現れました。金融機関の融資引き締めに端を発するこの変化が、2018年前半にどう影響するのか、その行方を見通します。

2018年2月26日

■金融機関の融資姿勢に変化

不動産投資市場にとって昨年、つまり2017年は変化の年でした。2016年は、低金利や相続増税を背景とする収益物件の購入需要が旺盛で、物件の売却価格も高値で推移しました。この傾向は2017年前半まで続きましたが、後半に入ると様相が変わります。そのきっかけは金融機関の融資姿勢の変化です。

それまでは、低金利・長期間の積極的な融資姿勢がサラリーマン投資家の増加につながり、マーケットを下支えしていました。しかし、融資に積極的だった地銀・信金をはじめとする金融機関が、空室率の上昇など過剰供給リスクを懸念する金融庁・日銀の意向を受け、2017年後半に入ると融資の引き締めを図るようになったのです。

1年前なら物件価格の全額をローンで賄えた物件でも、少なくとも1割~2割の自己資金が求められるようになりました。この影響を顕著に受けたのが、サラリーマン投資家層でした。買いたくても希望条件の融資が通らずに買えないケースが増え、これまでサラリーマン投資家層がよく購入していた1億円~2億円前後の収益不動産の売却にブレーキがかかっています。ただし2017年秋ごろから、株価の上昇等で自己資金の確保に成功したサラリーマン投資家が、物件購入に至るケースも出てきています。

■売却物件が急増、しかし都心は物件不足

ここ数年の収益不動産への需要増を受け、主に一戸建てを扱っていた建売会社等が積極的にアパート建設に参入し、活気ある市場が形成されていました。しかし、収益不動産の供給が充実する一方で、前述の通り、買いたくても買えない層が増加しています。売却の環境が厳しくなれば、非公開で売買されることの多かった物件も、インターネットなどに掲載し、公開での売却活動を余儀なくされています。その結果、2017年末にかけて、数字上の売却物件数が急増しました。

また、投資家の都心志向が強まっており、東京23区内、特に千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区に需要が集中しています。背景にあるのは、少子化やライフスタイルの変化による東京への極端な転入超過です。比較的若い世代が、家賃が高くても通勤時間を短縮できる都心の駅近に住居を求める傾向があります。また、増加している外国人投資家も都心志向が強く、これらの層によって高い入居率が期待でき、安定した賃貸収入を見込める都心の収益物件が人気となっています。

■サラリーマン投資家から富裕層へ マーケットの主役交代

収益物件の購入において、2割の自己資金を入れられるサラリーマン投資家は、まだまだ一部です。それに対して、富裕層の購入意欲は高まっています。特に建築・建設業界の法人やオーナーは、景気の上昇に伴い本業や株で得た豊富な余剰資金を収益不動産に投資しています。こうした富裕層が購入を希望する物件は価格も高額なものが多く、3億円~10億円の一棟レジデンスや区分のタワーマンションなどを求める傾向が顕著です。

相続対策として、相続税評価額をより圧縮できる上、安定した入居率を確保できるという理由で、都心の高額な収益物件を求める富裕層も増えています。日本社会の高齢化に伴い、今後も相続対策層の母数が増加することを考えれば、この傾向はしばらく続くでしょう。

資産を保有する富裕層に対しては、メガバンクを中心とする金融機関も融資条件を大幅に緩和し、顧客の囲い込みを図っているため、さらにサラリーマン投資家と富裕層の二極化に拍車がかかっています。

■郊外の物件は早めの見極めを

東京23区内の物件へ需要が集中する一方、郊外の物件は苦戦を強いられています。少し前までは、郊外でも利回りさえ高ければ、金融機関が積極的に融資に応じていたため、成約につながっていました。しかし、融資条件が厳しくなった今、神奈川、千葉、埼玉等でも、都心から少し離れた立地の収益物件は、空室率が3割に及ぶとも言われており、投資家にとって魅力を感じづらいのが実情です。

このような厳しい状況下で売却に成功しているのは、数年前から売買を行っている情報感度の高い方々です。2017年の夏までは売却価格を強気に設定していた売主も、最近の市場傾向を敏感に捉え、購入希望者からの価格交渉に柔軟に応じるようになっています。価格交渉を柔軟に受け入れることができれば、郊外の物件でも早期成約の可能性があります。

いずれにしても、郊外の収益不動産を保有している方は、早めに動くのが得策と言えるでしょう。例えば、郊外の1億円~2億円の収益不動産を売却して、小さくても都内の収益不動産を購入した方が、将来資産価値が上がる可能性が高まります。

■市場が複雑になる中、情報の重要性が高まる

都心の駅近で、さらに耐用年数が長くローン期間も長いRCの一棟マンションは、確かに人気です。しかし、こうした条件の物件はなかなか市場に出てきません。当社でも、昨年7月~9月の3ヵ月間と、10月~12月の3ヵ月間を比べると、23区内の契約物件数の割合は大きく下がりました。需要はあるものの供給がないためです。その代わり、苦戦を強いられると述べた神奈川、千葉、埼玉の割合が伸びています。都心の物件が出ないため、周辺で利回りなど条件の良いものから成約しているのです。

このような複雑な市場では、特にマーケットに則した適切な情報をいち早くキャッチできるかが重要になってきます。需要と供給のバランスや相場観があることはもちろん、買い手の動向を左右し、市場変化のきっかけともなる金融機関についても、最新の融資姿勢や特色あるローン商品の情報を豊富に持っていれば、買主様が融資を受けられるようサポートすることができます。その結果、売り手と買い手とのマッチング率を高めることができるのです。

今年に入って、売却物件の増加はますます顕著になることが予想されます。収益不動産マーケットは前述の通り、エリアごとに異なり、対象となる物件の個別状況によっても、高値取引の可能性の高・低が変わってきます。その違いを的確にとらえ、売主様にご提案できることも当社の強みの一つです。

もし、いま売却をご検討であれば、機を逃さずにご相談ください。

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