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プロに聞く「収益物件」売却術

宮澤 大樹
野村の仲介+
資産コンサルティング部
副部長

収益不動産の売却にフォーカスしたとき、重要なのは「いつどのように売却するか」という「出口戦略」です。売却を検討する際に抑えておくべき考え方についてご紹介します。

2017年後半を「売り時」とみる理由と、有効な出口戦略

金融政策に変化が訪れるかも知れないと言われてきた2018年を目前に控え、不動産投資家の心理にも微妙な変化が見られます。2017年も折り返しを迎えた今、今後の不動産市場を見通します。

2017年9月29日

■不確定要素が増えた今こそ「売り時」

これまで、アベノミクスによる金融緩和政策と融資金利の低下、円安による外国人投資家の積極的なインバウンド投資などにより活況を呈してきた不動産投資市場ですが、今後については2017年内一杯の短期的な視点と、1年後以降の中長期的な視点を分けて考えた方がいいでしょう。

中長期的な視点では、アベノミクスを支えてきた2人の指導者、安倍首相と日銀の黒田総裁が2018年に揃って任期満了を迎えるというトピックスがあります。黒田総裁の任期は、来年2018年4月まで。再任の可能性も取り沙汰されていますが、現時点では不透明です。また、安倍首相も2018年9月に連続2期目の自民党総裁の任期が満了します。3期目再選の可能性はありますが、かつてほど圧倒的な支持率が得られない現状では、不確定な要素が多いと言わざるを得ません。
不動産市場はこれまで、低金利かつ長期で融資を組むことができたため、「買いやすい」状況が続き、相場は下支えされてきました。しかし、今後は政治と金融政策が不透明なため、不動産投資市場の先行きも見えづらくなっています。

また、生産緑地指定が解除され、土地を手放す人が大量に発生するのでは?と言われている、いわゆる2022年問題もあります。
さらに、もうひとつの不確定要素が、外国人投資家の存在です。東京オリンピックが決定した時に購入した都心の不動産を彼らがいつ手放すのか、また彼らの「売り」によって相場にどのような影響が出るのか、現時点では不明です。

一方、短期的な視点で捉えたとき、今の状況が少なくとも年内は続くと考えています。2017年5月に行ったノムコム・プロの意識調査では、投資用不動産は「買い時だと思う」「間もなく買い時が来ると思う」という回答があわせて47.8%でした。

前年、前々年と比べて減っており、5割を切りましたが、「今現在でも47.8%もの人に投資用不動産の購入意欲がある」と捉えることもできます。
実際、相続税制が改正されたことに伴い、相続対策として投資用不動産を購入する層や、株など他の投資商品との比較で、低金利で安定したキャッシュフローが得られることに魅力を感じ、賃貸経営に乗り出すサラリーマン投資家の購入意欲は衰えていません。買いたいと思う人がいるということは、売れることの裏返しです。中長期的には不透明だからこそ、短期的には「買い手のいる今こそが売り時」と言えるでしょう。

■売りやすい不動産と、売った方がいい不動産

では、どのような物件が売りやすい不動産なのでしょうか。
端的に言えば「新しくて立地のいい物件」です。これは、「買い手に人気のある物件」と言い換えることができます。具体的には、耐用年数の長い鉄筋コンクリート造築浅で、将来的な人口減がゆるやかな立地の物件は、買い手に人気の物件と言えます。
ポイントは、融資です。上記のような物件は、金融機関の評価が高く、長期間ローンを組むことができます。長期間ローンが組める物件は、たとえ利回りが低めでもキャッシュフローが見込めるため、買い手に人気の売りやすい物件と言えるのです。

売りやすい不動産とは別に、売った方がいい不動産というものもあります。
長い目で見て、日本の人口が減少していくことは疑いようがありません。人口減少が進む中、数年前と比べて明らかに違うのは、「売りたくても売れない不動産」が出てきたということです。極端な例かも知れませんが、バブル期に建てられた地方のリゾートマンションが数十万円の価格でも売れないケースがあります。維持管理費と固定資産税の負担が重く、買い手がつかないのです。
これから地方圏はどんどん人口が減っていくしょう。既に横浜市・川崎市でも空室率が30%を超えたという統計もあります。(※)人口が減れば空室が増え、空室が多ければ、それだけ物件の資産価値は低くなりますから、査定額も低くなりますし、融資の条件も悪くなり買い手が付きづらくなります。このような郊外の物件は、早めに売って現金化するか、都心の条件のいい物件に買いかえを検討した方がいいでしょう。

(※トヨタグループ不動産調査会社・株式会社タス「毎月更新!空室率が一目で分かる賃貸住宅市場レポート」より)

■先行き不透明な中で取るべき出口戦略

出口のタイミングとしては、「儲かる見込みがあるなら、すぐにでも売った方がいい」というのが私の考えです。理由は前述の通り、中長期的な先行きが不透明であることと、今現在なら買い手がいるからです。

さらに、ここ数年の上昇相場のおかげで、以前なら運用益(インカムゲイン)中心だった不動産投資が、運用益+売却益(キャピタルゲイン)のトータルで考えられるようになったことも大きなポイントです。購入時の試算では、5年間かけて運用益を上げる予定だった物件が、今なら運用益+売却益で3年を待たずに回収できる可能性もあります。

一方で、今所有している物件を東京オリンピック後まで保有し続けるのも、決して間違いではありません。低金利・長期間の融資で収益不動産を購入した方は、きちんとキャッシュフローが得られるはずですから、出口までの期間をはっきり決めずに、「運用益を得ながら市場の様子を見る」という選択肢もあります。

■より高く売るために、所有物件の収益力を高める

既に所有している物件をより高く売りたいなら、物件自体の収益力を高めて利回りを上げる対策も有効です。
これまで、私たち資産コンサルティング部では賃貸管理運営サポートとして、ご契約いただいたオーナー様向けにさまざまな収益力アップの提案を行ってきました。「売り時」を迎えた現在、そのノウハウを売主様向けにも提供しています。
一例として、100坪超の土地付き一棟アパートの事例をご紹介します。

売却相談をいただいたのは、相模原市内で最寄り駅から徒歩10分強という立地、100坪を超える土地に建つアパートです。
この物件の
・土地面積が広い
・駐輪スペースはあるが、バイク置場はない
・既に自動販売機は設置済み
という点に着目し、収益力を高めるために、空きスペースにバイク置き場(7台分)の設置を提案しました。
バイク置き場についてはサブリース形式を採用したため、オーナー様にとっては初期コストが不要な上、稼働状況に関わらず物件の収益力をアップできる点が高く評価されました。

この他にも、売電収入を見込んで太陽光発電システムを導入する、土地の余剰スペースを有効活用してレンタル収納スペースを設置するなど、物件の特性を考慮した収益力アップの方法が考えられます。
こういった対策はわずかな収入しか期待できないと思われるかもしれません。しかし、たとえば表面利回り7%の物件で、年間収入が42万円増えれば、売却時に600万円の価格アップを狙うこともできるのです。
収益不動産の売却方法は、さまざまです。当社の担当者は、不動産のプロとして日々、多くのお客様や金融機関とやり取りし、マーケット感を掴んでいます。繰り返しになりますが、中長期的に先行き不透明だからこそ、今、売却を考える時期なのです。

今が売り時!まずは所有物件の現在価値の把握から!

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