購入需要は高止まりを維持、
金利上昇下でも堅調な動き。
2024年6月〜2025年6月の期間における錦糸町センターでの購入問合せ新規登録数は、ほぼ全ての月で前年同月比100%を超えており、特に2024年6月(130%)、8月(142%)、11月(140%)は、前年を大きく上回っています。2024年10月に主要銀行が変動金利を引き上げたにもかかわらず、購入意欲は底堅く推移。将来のさらなる金利上昇を見越した「今のうちに購入したい」という心理が、需要の下支えとなっていると考えられます。
売却意欲は鈍化傾向、
売り手優位の市場は継続中。
錦糸町センターでの売却問合せの新規登録数は、2024年8月以降、前年をわずかに上回る月も散見するものの、多くの月で前年を下回っており、特に2025年2月(79%)や4月(75%)では大きく前年を下回っています。購入問合せとの乖離が続く中、「まだ売れるが様子を見たい」という売主の姿勢が見て取れます。需給バランス的には依然「売り手優位」ではあるものの、今後の市況次第で転換するリスクも孕んでいます。
株価の乱高下と円相場の影響、
購入意欲に変化も。
2024年8月以降の株価変動や為替の不安定化により、購入問合せ数にもわずかな減速の兆しが見られます。特に2025年1月(98%)と6月(76%)は、いずれも前年を下回る結果となり、需要の一時的な落ち込みが確認されました。変動金利の上昇や投資家心理の冷え込みが影響している可能性があります。ただし、全体としては引き続き前年比100%超の月が多く、慎重さを見せながらも一定の需要は維持されているといえます。
価格高騰は一服も、
「売りどき」は今か。
2025年6月の売却問合せは前年比121%と急増しており、「売りどき」と見た動きが一部で顕在化していることが読み取れます。背景には、価格上昇トレンドがやや落ち着きを見せ始めたことや、金利上昇による今後の価格調整を見越した判断があると考えられます。購入需要が高水準である今こそ、売主にとって好機であり、市場の変調前に動く判断が求められる局面にあります。
