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不動産コラム vol.97
■上場三年目のリート・不動産投資信託
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日本版の不動産投資信託が東証に誕生して2周年。上場不動産投信も七銘柄となり投資家の認知度、浸透度も高まってきました。 しかしながら「利回り」に注目が集まり、実際のところその中身はよく認識されていないようです。リートは確定利回り商品でなく、配当率低下リスク、投資元本割れリスク、投資法人の運営リスクなどリスク管理が重要となります。改めて留意点を見てみましょう。
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不動産投資信託とは、投資家から集めた資金などをもとに複数の不動産に分散投資し、その賃貸料や売却代金を投資家に配当することを目的とした金融商品です。不動産投資信託は米国でREIT(Real Estate Investment Trust)と呼ばれ、日本ではJ-REITと呼ばれています。 リートは投資対象がそもそも分散投資が難しいとされる不動産なだけに、運用対象のエリア、物件の用途、規模等とリスク分散する戦略は投資家にとっては有益だと言えます。
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上場後徐々に機関投資家の比率が増加し、個人投資家の比率が低下していますが、これは機関投資家が収益のベースが賃貸料であり配当の見込めるリートに資金をシフトしたこと、不動産の現物保有から不動産証券の購入という運用方法に転換しはじめたものと分析できます。
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ところでこのリートの最大の魅力は配当利回りの高さです。超低金利下で5%前後の実績を出し、最近の予想配当利回りも4~5%台と1%台の10年物長期国債利回りに対して相対的に高い結果となっています。価格形成に大きな影響を与える株価変動や長期金利ですが、リートの利回りは金利上昇局面にあるこれからが、正念場と言えそうです。
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また、リート組み入れビルといえども「2003年問題」の影響は免れず、取得時の既存テナントの一部流出も耳にします。これまで商品化されたリートは、ファンドを組成する母体の信頼性が重要な要素となっていました。
セカンドステージに入ったJ-REITは単に利回りだけでなく、組み入れられた「不動産の質」を吟味し、テナント情報など運用データの「経営の質」にも投資家自身は注意を払う必要が出てきました。
投資評価のポイントも変化し、建物のグレードアップを含めテナントリーシング能力の高さ、運用の実力が問われる時期に入ってきました。
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今年度内にも野村不動産グループなど三銘柄が上場を準備しており、リート市場はその規模の拡大とともに、長期的視野で資産形成を図る商品として今後の成長が大いに期待されています。
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