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不動産コラム vol.93

■マンション標準管理委託契約書の改定
「マンションは管理を買え」といわれます。維持管理の良し悪しにより、その資産価値や住み心地が大きく変わってくるからです。
日常の管理で重要な管理会社との管理委託契約書のガイドラインが、この4月に大幅改定になっています。関連法令の整備や消費者保護の観点、委託業務範囲の多様化に対応したものです。
 
ここ2、3年でマンション管理組合の活動を支える各種法律が成立、改正されています。
マンション関連法令は取りあえず建替え制度を中心として整備されたことになります。
1.マンション管理適正化法(マンション管理士等の創設やマンション管理業の登録を義務付け)と、2.マンション建替円滑化法(建替え組合設立や建替え決議後の具体的手法の明確化)の成立、そして3.区分所有法の改正(修繕・建替え決議の要件緩和等)です。
 
マンションの憲法と呼ばれる「区分所有法」はマンションの所有関係を始め、管理組合や管理運営の原則を定めています。マンション生活のトラブルはマンションの維持管理ルールである管理規約にしたがって運用され、解決がつかなければ最後に区分所有法を拠り所としています。実際の日々の運営面では管理の主体である管理組合の8割以上が、その業務を管理会社に委託している現状があります。ですから実務的には管理を委託する契約は大変重要な契約といえます。  
この重要な管理委託契約は、これまで「中高層共同住宅標準管理委託契約書」が指針とされ活用されてきましたが、今般、20年ぶりに見直しされました。消費者保護の観点を加え、委託業務の範囲や処理の多様化に対応したもので、マンション管理適正化法との整合性、管理業務の範囲・内容の明確化、コメントの充実など、マンション管理のあり方を改善した「マンション標準管理委託契約書」として大幅な改定がなされたのです。
契約更新 更新契約時に重要事項説明が必要となったことを踏まえ、更新の申し入れ時期を3ヶ月前までと明記するとともに、自動更新条項を削除
財産の分別管理 管理組合財産の保護のため、出納業務に係る財産の分別管理(通帳・印鑑の管理、収納方式等)について詳細に規定
委託費の内訳 委託費の関係が明確になるよう、委託費の内訳を明記
免責事項 マンション管理業者の免責事項について整理・明確化
コメントの充実 マンション管理適正化法の趣旨の徹底、管理組合等が標準管理委託契約書を使い易くするため、コメントで管理委託契約書、各条項の考え方を補足
マンション標準管理委託契約書は標準形であり、実際の契約に当たっては、個々のマンションごとの状況や管理会社の思惑により適宜修正され、微妙に内容が異なっています。
ですから管理組合の理事の方や宅建業の従事者は言うに及ばず、購入時や居住する際には、「管理規約」だけでなく、「管理委託契約書」も一読することをお勧めします。
新築、既存を問わずマンション管理の重要性を再認識し、この機会に管理組合規約を読み直し管理委託契約の内容を点検してみてはいかがでしょうか。
★管理会社との委託契約書についての主なチェックポイント
1.管理費の保管口座は管理組合の理事長名義となっているか?
2.修繕積立金の保管口座は管理組合の理事長名義となっているか?
3.管理費と修繕積立金の保管が明確に区別されているか?
4.駐車場が管理会社名義で、その使用料が管理会社に入っていないか?

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