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不動産コラム vol.88
■ 「住宅ローン控除」平成15年度改正点について
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この4月1日から、住宅ローン控除の適用を受けていた人が転勤等で転居した場合でも、その後同一家屋に再度居住することとなったケースについては住宅ローン控除の再適用が認められることとなりました。
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従来、住宅ローン控除制度の適用を受けていても、一度転居してしまうと、それが「転勤等のやむを得ない事情」からの場合であっても、その後、再度居住した際の再適用は認められませんでしたが、今回の改正により、転勤の命令等の「やむを得ない事情」から、当該住宅を居住の用に供さなくなった場合でも、一定の要件の下で、再居住の際、住宅ローン控除の再適用を受けることが可能になりました。
なお、今回の改正の中で、住宅ローン控除を受けていた家屋を、平成15年4月1日以後に居住の用に供さなくなったケースで適用になる点には、注意が必要です。
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ところで、住宅ローン控除の再適用を受けるためには、次の要件をすべて満たしている必要があります。
【1】
家屋を居住の用に供しなくなった日の属する年の前年分以前において、住宅ローン控除の適用を受けていた者であること
【2】
居住の用に供しなくなったことが、(1)給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居、又は、(2)その他(1)に準ずるやむを得ない事由に基因していること
【3】
再居住の日が、居住の用に供した日に応じた一定の期間内であること
【4】
再居住の日以後の各年においてその年の12月31日まで引き続き居住の用に供していること
【5】
家屋を居住の用に供しなくなる日までに、「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、家屋の所在地を所轄する税務署長に提出していること
【6】
再適用を受ける最初の年分の確定申告書に、住宅ローン控除を受ける金額についてその控除に関する記載があり、かつ、(1)その金額の計算に関する「住宅借入金(取得)等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した人用)」、(2)住民票の写し及び(3)住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書を添付していること
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実際に想定されるいくつかのケースを列挙してみます。
【1】
本年、住宅を購入し直ちに居住の用に供したが、本年中に勤務先からの転勤命令があり、転居することになった。
2年後に家屋に再居住した場合には、住宅ローン控除の再適用が受けられるか?
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住宅ローン控除の再適用は、「住宅ローン控除の適用を受けていた居住者」に限り認められることとされています。このケースは、住宅の取得等をして居住の用に供した日に属する年中に、転居により居住の用に供しなくなることから、その年の12月31日まで引き続き居住の用に供しておらず、住宅の取得等をした本年において住宅ローン控除の適用を受けることができないことになります。したがって、勤務先からの転勤命令に伴い転居した場合であっても、「住宅ローン控除を受けていた居住者」に当らないことから、将来、家屋に再居住したとしても、住宅ローン控除の再適用を受けることができません。
【2】
平成12年に住宅を取得し住宅ローン控除の適用を受けていたが、平成15年に転勤により転居した。その後、平成17年に再居住し住宅ローン控除の再適用を受けているが、平成19年に再度転勤により転居することになりました。将来、その家屋に再居住した場合には、住宅ローン控除の再適用を受けられるか?
→
租税特別措置法には、住宅ローン控除の再適用の回数については、特段の定めはありません。
したがって、再居住が複数回であったとしても、最初に家屋を居住の用に供した年以後の一定の期間内であれば、住宅ローン控除の再適用が認められることになります。
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この他に「居住の用に供しなくなった場合」と「再び居住の用に供した場合」の意義について、本人の転居後も配偶者等親族が引き続き居住していた場合と配偶者等親族が本人よりも先に再居住した場合につき通達が新設されていますので、ケースごとに注意を払う必要があります。
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