コラム一覧に戻る
ノムコムTOP
不動産コラムTOP
>
ノムコム Backnumber一覧
> Vol.87
不動産コラムTOPへ
不動産コラム vol.87
■住宅ローンの選択
□
一般に「住宅・教育・老後」は人生の3大支出といわれます。
なかでも住宅はもっとも高額な買い物のひとつです。
住宅ローンも新しい商品が続々登場しています。ライフプランは個々人によって違ってきます。今まで以上にしっかり情報収集し、少しでも負担の少ないローンを利用したいものです。
□
先週、債券市場で大企業向け融資や住宅ローンなどの長期金利の目安となる新発10年債利回りが0・570%、比較的利回りが高い20年債や30年債も過去最低を更新し、30年債は初めて終値で0・995%と、すべての国債利回りが終値で1%割れとなりました。金利は短期のものほど低く長期のものは高い、というのが金融の世界の常識でしたが、「翌日物の短期から超長期まで、すべてが0%台で並ぶというのは世界の歴史にもない」(財務省)という、特異な現象となっています。現在の長期金利の低下は債券人気と裏腹の関係にあり、債券価格の上昇では利回りは下がり、価格の下落では利回りは上昇します。この傾向を受けすでに大手銀行を中心に固定型の住宅ローン金利を引き下げ、過去最低水準となっています。企業の資金需要減退と公庫融資縮減にともない、住宅ローンは各行とも一段と金利を下げるキャンペーンを実施するなど、顧客の獲得競争が激しくなっています。
□
ところでこのローンですが、ここ数年間でその商品性は改善され多様化しましたが、他方、内容が複雑で利用者からみた審査基準がわかりにくくなっているのも事実です。民間融資は返済できるかが審査の主眼ですので多重借入などがなければ、制限が緩やかで気楽に利用できます。反面、安易に利用し、数年で金利負担に苦しむ人も多くいるのも事実です。 公的融資は利用資格の制限はあるものの、金利など有利な点はあります。
現在、基準金利が過去二番目の2.1%、11年目以降は年3.5 %という低金利にある住宅公庫融資
ですが、今春より下記のように手続きが簡素化、スピーディとなっています。
(取扱は本店と北陸支店のみ)
1.融資手続き短縮化
・公庫の窓口で直接融資の申込受付を開始し、翌日には審査結果。
・融資実行も約一ヶ月で可能。
2.同時決済処理
・中古住宅は登記手続と資金受取が同日に行うことが可能。
3.調査判定書が不要
・築5年以内の公庫既融資マンションについては「調査判定書」が不要。
・対象物件は「公庫リ・ユース融資対象住宅」表示の広告可
□
借入先は様々なものがあります。自行の住宅ローンしか知らない銀行員に中立的なアドバイスを望むのは難しいですし、通常は不動産を取得するときに業者から提案される場合が多いと思います。大手行は横並び金利ですが、新興の銀行をはじめネット系や大手信用金庫等では、繰上げ返済方法から保証人の有無、住宅ローン残高から円普通預金の残高を差し引いた金額だけにローン利息がかかるといった預金連動型住宅ローン等様々な商品があります。 これからは各ローンの特色や融資条件など情報を収集把握し、自分にあった住宅ローンを選択することが一段と大切になってきました。人によって使い勝手が違いますので、自分の可能な返済額と総返済額をよく比べ、自分の尺度で考えた最適な返済計画を見つけましょう。
□
住宅の購入や建築はライフイベントの中でも資金的に負担の大きいものであり、自身の資産形成、人生設計に大きな影響を与えます。住宅ローン選択のポイントは金利ですが、目先の金利にとらわれず中長期的な観点、すなわちローン返済の源泉たる仕事との関係、教育費、生活費や老後資金等々、単に返済金だけでなく各家庭の資産状況の推移を予測したローン計画を立てることが肝要となります。いくら超低金利といえども、「借りられるだけ、借りる」、「今返せるだけ、借りる」、という姿勢では社会や家庭の環境変化に対応できません。
不動産コラムTOPへ
[an error occurred while processing this directive]