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不動産コラム vol.81
■マンションの「買い換え難易度」
東日本不動産流通機構(東日本レインズ、藤田和夫理事長)では、いろいろな角度から首都圏の不動産市場の現状分析を試みています。それらからマンション購入者の資産デフレの状況と「買い換え難易度」と、築年数から見た首都圏の不動産流通市場を紹介します。
平成15年3月発表資料
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「資産デフレの状況とその影響について」と題した報告によりますと、マンション購入者の資産デフレの状況を把握し、年収や貯蓄、住宅ローンの借り入れ条件などを加味した「買い換え難易度」を推計しています。バブル経済期の購入者を中心に資産デフレの影響は深刻で、買い換えが困難となっている状況が生じていると、結論付けています。
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最初に売却損益額(資産デフレの状況)を推定。86年以前(築16年以上)に新築マンション(専有面積70m
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)を購入したケースでは、売却価格からローン残債を充当しても売却益が生じています。一方、87年以降のバブル期の購入ではローン残債を抹消しきれず、多額の売却損が生じています。
最も売却損の大きいのは90年購入の場合で、購入額6,538万円、02年に1,881 万円で売却、ローン残債(4,479 万円)と経費(5%)を差し引くと売却損2,692万円。
88~97年の10年間にマンション購入した場合は500 万円以上の売却損。
(万円)
売却損益額
88~92年では平均2,066万円の売却損との試算結果です。
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このため、返済可能額と、買い換える物件の住宅ローン返済額とを比較する、「買い換え難易度」指数は一定のゆとりの目安である100を超えているのは、87年以前の購 入者層と、従前住宅を比較的低価格で購入でき、しかも金利も低水準である98年以降の購入者層に限られる結果となっています。
(指数)
買い換え難易度
売却損が出た場合、その分ローンを組むことになりますので、買い換えは厳しくなっています。
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次に東日本レインズを通じて成約した首都圏の中古マンションと戸建住宅の「平均築年数の推移」です。住宅ストックの蓄積や古い物件の取引が堅調である状況が続いているために、両物件ともこの10 年間上昇傾向にあります。これは古い物件のほうが比較的安価なこと、立地が優位であることなどがその理由として考えられます。昨年1年間に成約した
中古マンションの平均築年数は16.09年
です。築10 年以内の物件と、築20年超の物件の比率は拡大し、全体ではやや築浅にシフトしています。これは築11~20年の物件そのものが少ないことと、上述のように同時期の物件が資産デフレの影響を大きく受けているといえます。
同戸建住宅の平均築年数は17.14 年
で、この10年一貫して上昇しています。
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