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不動産コラム vol.76
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■住宅におけるピッキング用具を使用した侵入盗による被害 |
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最近、住宅を対象とした侵入盗の認知件数が急増しています。また、ピッキング用具を使用した侵入盗は、平成11年頃から急増したものが、平成13年は前年と比べて減少し、その検挙・防犯両面から対策が功を奏したと見られていましたが、平成14年には再び増加の傾向にあります。
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住宅を対象とする侵入盗の認知状況
平成10年から平成14年までの住宅を対象とする侵入盗の認知件数を見ますと、平成10年以降年々増加の一途をたどっており、平成14年は189,336件で、5年の間に50%以上の大幅な増加を示しています。特に平成14年は前年比16.9%と急増しており、誠に憂慮すべき状況にあると言えます(ちなみにこの間の検挙率は70.5%→61.2%→37.6%→28.3%→27.4%と逆に低下の一途をたどっています)。
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年別
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平成10年
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平成11年
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平成12年
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平成13年
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平成14年
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認知件数
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123,863件
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134,492件
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154,074件
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161,883件
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189,336件
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(指数)
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(100)
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(109)
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(124)
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(131)
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(153)
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検挙率
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70.5%
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61.2%
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37.6%
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28.3%
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27.4%
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ピッキング用具を使用した侵入盗の認知状況
ピッキング用具を使用した侵入盗は、平成11年ころから急増し、平成12年には29,211件を数えました(平成11年以前については全国統計はありません)。平成13年の全国の認知件数は、19,568件で、前年に比べ9,643件(33.0%)減少しました。平成14年に入ると、減少傾向は途絶え、徐々に増加傾向に転じています。平成14年1月から10月の認知件数は16,695件で、前年同期(15,748件)と比べて947件(6.0%)の増加となっています。
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年別
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平成12年
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平成13年
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平成14年
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前年同期比増減
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(1~10月)
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(1~10月)
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認知件数
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29,211件
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19,568件
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15,748件
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16,695件
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+947件(+6.0%)
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ピッキング用具を使用した侵入盗の防止対策
まず、ピッキングに強い錠を取り付けることが大事です。最近では、(財)全国防犯協会連合会が行っているCP-C認定制度(シリンダー錠のシリンダー部分を対象に耐ピッキング性能を評価する制度。平成12年7月1日から運用開始)による認定を受けた錠を採用する動きが広まっています。更に、ピッキングに強い錠をひとつ取り付けるだけでなく、ワンドア・ツーロックの考え方により補助錠を取り付けることも効果的です。また、ピッキングによる振動を感知して警報を鳴らすピッキングセンサーなども登場しています(通常のドアの開閉には反応しません)。
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新手の手口への防止対策
防犯関連の商品が爆発的に売れています。関心が高いのは、やはり鍵関係です。ピッキング対策を施した高性能シリンダーだけでなく、新手の手口に対応する商品も売れています。ドアに穴を開けて内側からつまみを回す「サムターン回し」を防ぐプラスチックカバーや、ドアと錠の隙間に針金を差し込んで開錠する「カム送り」防止用の補修部品などです。鍵穴を金属製のケースで覆い、二重にロックするアイデア商品も人気があるようです。また、ドアにガードプレートを取り付けることは、ドアと枠の隙間をなくすことによって、バールによるこじ破り対策としても、ドアの隙間を突いたサムターン回し対策にも有効と考えられます。
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住宅への侵入盗は、万が一住宅内に人がいれば強盗等の凶悪事件に発展するおそれもあるので、私たちの側でも「自分の身は自分で守る」という意識を強く持っていかなければなりません。
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