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不動産コラム vol.75

資本金1円で株式会社を設立  ―新事業創出促進法の最低資本金特例

技術やアイデアなどソフトな経営資源があっても資金がないサラリーマン、学生、主婦等による幅広い開業・創業の促進を目指し、資本金1円で会社を設立することが可能になりました。

現在、商法と有限会社法が定める最低資本金は株式会社1000万円、有限会社300万円ですが、このハードルがベンチャー企業を育ちにくくしている要因であるとの指摘を受け、本年2月より「中小企業挑戦支援法(新事業創出促進法等の一部改正)」が施行され、5年間の特例ですが最低資本金の制約が緩和され、併せて

会社設立手続(振込保管証明、監査役調査等)も簡素化されて、起業が容易になりました。
なお、安易な会社設立を防ぎ債権者保護のため、財務情報の開示が義務づけられています。

この特例措置の背景として、90年代後半以降、開業率が廃業率を下回り続けていることがあります。直近では開業率約4%、廃業率約6%となっています。
低迷する経済の活性化につなげるため、創業、新事業などの新たな事業活動に「挑戦」する中小企業者等を積極的に支援しようということが目的です。
なお、資本の額が1 円でよいとしても、自ら設立手続する場合でも登録免許税等、株式会社の場合約30万円、有限会社で約20万円が必要です。また、会社設立後、利益の有無にかかわらず法人住民税均等割を毎年7万円は負担することになります。

そもそも「法人」は、法律上、権利・義務の主体たりうるもので、一定の組織を有する団体(社団)を指します。法人化は権利義務の主体が明確になり、対外的に第三者へ対抗することができ、法人名義で融資を受けられるなど、信用力が与えられ、安定した活動が可能となります。一方、株式会社・有限会社が倒産した場合、その実質的な所有者である株主・社員(出資者)は会社が負担していた債務の弁済義務を負わないため(有限責任)、会社に対して融資をした金融機関や売掛債権を持っていた者(会社債権者)が、会社が倒産した場合のリスクを負担するこ

  非営利 営利
公益 社団法人、財団法人、学校法人、医療法人、NPO法人 公益企業:鉄道会社
ガス会社、電気会社
非公益 労働組合、信用金庫、協同組合、法律要件を満たした同窓会や町内会などの中間法人 営利企業:株式会社
合名会社、合資会社
有限会社、相互会社

とになります。最低資本金の規制は、会社設立時点で最低資本金以上の財産を保有させることにより、会社債権者のリスクを軽減することを大きな目的としているわけです。 資本金額が大きいから倒産しないというわけでもありませんが、過小資本ではリスクも取れない、すなわち、節税のため少資金での安易な会社設立や、ペーパ

ーカンパニー乱立への防止策でもあるわけです。また、起業だけを考えるのなら、合資会社、合名会社でも個人でもいいわけですが、問題なのは法人格の有無などで、取引しない企業が多くあり、一般論として有限会社・株式会社の方が、信用力が高いのも現実です。

 
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