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不動産コラム vol.65

土地建物の税金

例年、秋から年末にかけて、来年度の税制改正についての議論が活発化します。今年は、例年になく土地建物に関連した項目が並んでいますが、それだけ景気に直接関連する話題となっているということだろうと思います。年末までのあと2ヶ月の「税制改正の動向」を理解するために、土地建物にまつわる税制の全体像を把握してみましょう。

「土地建物にかかる税金」には下記のようなものがあります。(印紙税、事業税は除く)
課税段階 
税の項目
課税対象
備考
取得段階
登録免許税
土地・建物
国税
不動産取得税
土地・建物
都道府県民税
特別土地保有税(取得分)
土地
市町村民税
事業所税(新増設分)
建物
市税(一定規模以上の都市)
相続税・贈与税
土地・建物
国税
消費税
建物
国税+地方税
保有段階
固定資産税
土地・建物
市町村民税
都市計画税
土地・建物
市町村民税
特別土地保有税(保有分)
土地
市町村民税
事業所税(既設分)
建物
市税
地価税――停止中
土地
国税
譲渡段階
所得税
土地・建物
国税
法人税
土地・建物
国税
住民税
土地・建物
都道府県、市町村民税
土地建物がこれほど多岐にわたる税を課せられるのは、高度成長時代を経てずっと右肩上がりの時代が続いた時期に、「土地は特別に有利な資産であり、土地を購入する人には経済的に負担能力があるだろう」ということから他の資産より重い税を課すことにしたものです。また、この重い税が土地の投機的取引を抑制するという役割も持っていました。
しかしバブル崩壊後10年を経た今では、「土地は特別に有利な資産」ではなくなっています。土地建物にのみ重い税を課す制度は、他の資産との不均衡を生んでいます。しかも、上記資産課税(譲渡税は含まない)の全税収に占める割合は、地価がこれほど下落しているにもかかわらず、年々増加(H2年7.5%⇒H11年12.4%)している事も不動産の流動化の阻害要因になっていると指摘されています。
今回の改正で特に関心が高いのは、「生前贈与の非課税限度枠の拡充」です。FRKの住宅購入者に対する調査では、贈与を受けた人の割合が17%で、その一人当たりの平均額は619万円となっています。550万円に拡大された住宅取得資金贈与の特例を意識して活用した人が多かったことを表しています。
税制改正の議論は、「各省庁の要望」・「政府税制調査会(首相の諮問機関)」・「経済財政諮問会議」・「自民党税制調査会」・「財務省」が主な調整役となります。 現時点で、様々な改正の議論が浮上していますが、これまで新聞等に出ているものはこうありたいというものばかりです。昨年までの例では、12月14日の「税制大綱」発表直前数日の「自民党」対「財務省」の駆引きで決まってきました。今年は政府主導で決定することになるのかどうか、改正内容はふたを開けるまで予断は禁物です。
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