不動産コラム vol.56
平成14年分の路線価及び評価倍率については、8月2日(金)に全国の国税局・税務署で公表予定です。従来、路線価等の公表日はお盆過ぎとなっていましたが、相続に関する親族間の話合いは、各親族とも都合がつきやすいお盆に行われることが多く、「路線価の公表はお盆前に」との納税者の声に応え、時期を早めた事情があるようです。 なお、各国税局及び46税務署には全国分の路線価図等を設置します。
千葉東、市川、松戸、成田、神田、京橋、芝、品川、新宿、東京上野、目黒、世田谷、渋谷、豊島、足立、葛飾、八王子、立川、武蔵野、横浜中、 横浜南、神奈川、川崎北、藤沢、甲府
また、国税庁はこのほど財産評価基本通達の一部を改正しましたのでお知らせ致します。 主な改正点としては、セットバックを要する宅地の評価減割合が従前の3割から7割へ拡大されたことが挙げられます。「セットバック」とはご承知のように道路幅員4メートル未満の狭い路地では建物の建替えの際に建築基準法の規制で再建築不可の部分、すなわち、道路の中心線から2メートルのところが道路境界線とみなされ道路敷地として提供しなければならない宅地部分を意味します。(平14課評2-2外追加)
都市計画道路予定地の区域内ある宅地の価額は、地区区分、容積率、地積割合の別に応じて定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する取扱いとなりました。
山林の財産評価については森林法やその他の法令に基づき土地の利用や立木の伐採について一定の伐採制限が付いた山林については、制限の程度により段階的に控除割合(0.3~0.8)が定められました。
土地区画整理事業施行地内の宅地評価は従来、評価時点で仮換地が指定されている場合、その仮換地の価額で評価することとされており、仮換地の造成工事が施行中で完了まで1年超と見込まれるケースでは、完成時の宅地価格の95%の評価でした。今回、仮換地が指定されていても仮換地について使用収益の開始日が別に定められていて使用収益できず、造成工事が行なわれていない場合は、従前地の価額で評価することとなりました。
上記の評価取扱いは平成14年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価及び平成14年分以後の地価税の課税価格計算の基礎となる土地等の評価に適用されます。
なお、改正不動産鑑定評価基準は来年1月1日から施行されますが、改正のポイントは収益性を重視した鑑定評価の充実で、複合不動産の個別性に着目し、毎期の収益の予測等からの収益還元について、詳細に説明する手法(DCF法)を導入します。平成15年分路線価に影響してくると思われます。社会環境の変化に応じて法律・制度の改正が行なわれますと、財産評価の方法も変更が予想されます。今後も土壌汚染が判明した土地、Jリートの評価、商法改正関連等で次々に登場すると思われます。年に一度は改正事項を確認したいものです。