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nomu.com通信 vol.5
平成12年度の相続税路線価は8年連続で下落(東京圏は△7.2%) 

さる8月4日に今年度の路線価が公表されましたが、全国の標準宅地の平均路線価は、前年比▲7.0%の下落となりました。

東京圏としては、▲7.2%の下落でしたが、前年より0.4ポイント縮小しました。前年は各エリアすべてにおいて下落幅が拡大していましたが、今回は特に都区部において0.9ポイントの下落率縮小となったことにより東京圏としても下げ幅が縮小しています。

地区別では、東京都が前年より△1.0ポイント縮小して△5.8%と縮小しました。都内 48税務署毎の最高路線価は41ヶ所で下落、6ヶ所で同額、唯一立川駅北口で値上がりしています。

埼玉県では、大宮・浦和・川口の東京近接地域で低下のテンポが緩んだため、全体として前年と同率の下げに止まりましたが、所沢で▲18.5%など県北部西部で大幅な下落となっています。

神奈川県では、下落率が全体としてもさらに▲0.4ポイント拡大しています。

千葉県は、▲0.7ポイント拡大していて、首都圏で唯一2桁台の下落を続けています。また、下落率としても全国一の数字となりました。第2位は大阪府の▲10.9でした。

都市圏と地方圏という見方で整理すると、東京圏、名古屋圏では下落率縮小、大阪圏ではリストラによる企業閉鎖などの影響で下落率が1.7ポイント拡大となっています。また、それ以外の地方圏はここ3年間、▲4.5%⇒▲5.9%⇒▲6.3%と拡大傾向です。
この傾向から、幾つかの事柄が浮かび上がってきます。
1. 相続税がどんどん軽減していきます。例えば、田園調布ではピーク時の路線価の1/4まで下落していますから、日経新聞の試算では、300平米の土地を持っていた人は、同条件の場合91年相続で相続税3,000万円に対し、今年相続では121万円と実に1/25で済むことになります。
2. 物納不動産が増えています。相続税では現金で相続税が支払えない場合で延納でも困難な場合に例外的に現物納付が認められています。そのほとんどは土地です。国は引き取った土地を売却していくことになりますが、買い手がつかず在庫がつみあがっていく状況にあります。99年度の更地の在庫は92年度の22倍にも及んでいてますます増えていくことになります。
3. 会計方法の変更によって、企業としては資産の評価が時価評価となることから新たな損失を出さずに土地を処分できるようになるため、ますます値ごろな不動産が出回る可能性が高くなっていて、これが地価の下げ要因のひとつになっているのではないかという見方がでてきています。
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