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不動産コラム vol.49

シックハウス対策が建築基準法に導入されます。 ~2003年度から法律で使用規制へ~
去る3月8日、建築基準法の一部改正案が閣議決定しました。項目は下記の通りです。
  1)まちづくりに関する都市計画の提案制度の創設
  2)用途地域における容積率等の選択肢の拡充
  3)容積率制限を迅速に緩和する制度の導入
  4)地区計画制度の見直し
  5)シックハウス対策の為の規制の導入 
※他の項目は 次の機会に!
今回はシックハウス対策を取り上げてみます。
シックハウス症候群とは、住居内の化学物質(ホルムアルデヒドなど)
が原因となって起きる病気で、「新築病」と呼ぶ事もあるようです。主な化学物質をあげてみます。
発生源 化学物質 指針値
(厚生労働省)

合板類、家具、
フローリング(接着剤)
ホルムアルデヒド 0.08 ppm ※性能表示制度対象物質
塗料、ニス、施工用接着剤 トルエン 0.07 ppm
塗料、施工用接着剤 キシレン 0.20 ppm
塗料、施工用接着剤 エチルベンゼン 0.88 ppm
断熱材、畳芯財、難燃剤 スチレン 0.05 ppm
衣類防虫剤、トイレ芳香剤 バラジクロロベンゼン 0.04 ppm  
シロアリ防止剤 クロルピリホス 0.07 ppb  
※数値は (室内濃度基準)
※これらは総称して、VOC(揮発性有機化合物)と呼ばれています。また、指針値はヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値とされています。
既に性能表示制度がスタートして、マンションや戸建ての販売の中で特に「ホルムアルデヒド」を中心としてシックハウス対策は任意に取られはじめてはいるのですが、今回、建築基準法で最低ラインを定めることは対策が義務化されることとなり、またその緊急性も高いとされています。シックハウス対策が社会問題化している指標となっているのがトラブル件数ですが、2000年、2001年と相談件数が急増していて、実際、昨年の専門家調査では対象4,500戸のうち27%が、厚生労働省の指針値0.08ppmを上回ったという結果もあります。

シックハウスの対策の基本は、1,発生量の削減と 2,適切な換気です。
今回の建築基準法改正案では、厚生労働省の検討会が指針値を示した13の物質のうち、下記の2物質をまず対象として規制することとされました。
  1)ホルムアルデヒド=発散する恐れのある建築材料の使用の制限と換気設備の設置。
  2)クロルピリホス =発散する恐れのある建築材料の使用を禁止。

特にホルムアルデヒドは、トルエンやキシレンなどが半年でかなり減少するのに比べて濃度減少期間が長く、要注意物質です。「中古住宅」でも安心は出来ません。従って、JASやJISの基準でもその放出量区分別に、例えばJASでは、FC0~FC2という記号をつけて表示しています。FC0はいわゆる「低ホルムアルデヒド」と呼ばれる材質で、性能表示でも最高ランクですが、昨今はこの材料を使用することが常識ともなってきています。
私たちは、様々な物質を口から体に取り入れていますが、重量で調査すると、食物が7%、飲料として8%、それ以外が外気を始めとする空気で、実に室内空気として55%を取り入れていると言われています。この2物質以外も順次規制されることとなるでしょう。 
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