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不動産コラム vol.45
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これからはユニバーサルデザイン!
~社会市場構造の変化とユニバーサル化~
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年をとれば視力が落ちたり足が悪くなったりなど、身体機能が低下します。高齢者や体が不自由な人でも使い易い商品は、「共用品」とか「バリアフリー商品」とか呼ばれ、ようやく市場に浸透してきようで良く目にするようになりました。 21世紀は高齢化社会といわれ、日本では2005年に成人人口の50%が50代以上になると推定されています。こうした高齢化や国際化・価値観の多様化など社会構造の変化する中で、障害のある人や高齢者、外国人、男女など、それぞれの特性や差異を越えて、すべての人が暮らしやすく活動しやすい社会をつくっていくことが重要な課題となっています。
こうした社会をつくっていくためのキーワードが「
ユニバーサルデザイン
」です。
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ユニバーサルデザインは、ユニバーサル(universal普遍的な、すべての人々の)デザイン(design計画、構想、設計)で、障害の有無、年齢、性別、国籍、人種等にかかわらず多様な人々が気持ちよく使えるようにあらかじめすべての人に配慮した、環境、建物・施設、製品等のデザインを計画する考え方です。最初から取り除かれている(特別な調整をしない)ことを指します。
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似たような言葉に「
バリアフリー
」があります。バリアフリーは障害のある人が社会生活していく上でバリア(障壁barrier)となるものをフリー(除去free)することで、段差解消などハード面(施設)の色彩が強いですが、広義には障害者の社会参加を困難にする障害の除去(ソフト面の思いやり、気持ち)を含みます。
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両者の違いは例えばトイレの設計する場合、バリアフリーの視点では健常者の使うトイレ、障害者用トイレを設置することになります。しかし、ユニバーサルデザインではこのようなやり方を採用しません。なぜならば健常者用と障害者用を区別して作ること自体が新たな精神的な障害(バリア)を作る可能性があるからです。
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現在は、「ユニバーサルデザイン」を理想としつつ、「バリアフリー」の観点で実績を積み上げていこうとしている段階にあると言えます。一般製品・サービスでは使い易さの追求や一般化の力が働いてきた段階、すなわちユニバーサル化が始まった段階にあります。
残念ながら私達が従事する不動産関係では、不特定多数の者が利用する公共建築物や道路、住宅などに於いては段差解消、手すり、誘導用のブロック等々、ハートビル法や品確法の保住宅性能表示(高齢者等への配慮)制度導入等、政策の展開によりやっとバリアフリー化が始まったばかりです。
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ユニバーサルデザインの実現させるためのポイントとして7つの原則が定められていますので紹介します。
原則1:
誰にでも公平に利用できること
原則2:
使う上で自由度が高いこと
原則3:
使い方が簡単ですぐわかること
原則4:
必要な情報がすぐに理解できること
原則5:
うっかりミスや危険につながらないデザインであること
原則6:
無理な姿勢をとることなく,少ない力でも楽に使用できること
原則7:
アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
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上記の二つ考え方は福祉の基本理念として「ノーマライゼーション」の具体的実践でもあります。これは障害を持つ人の人権を認め、取り巻いている環境を変えることにより、健常者と同様な生活が送れる社会をつくりあげていくことです。
「自分が障害者になった時にどうしてほしいか」
ノーマライゼンーションの父バンク・ミケルセン
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