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不動産コラム vol.41

「マンション」の歴史を振り返る
12月9日(日)に「マンション管理士」の資格試験が行われました。本年8月1日に施行された「マンション管理適正化法」によって設けられた新しい資格で、申込者数が十万人を超える人気資格となっているようです。ここ数年の新築マンションの大量供給にともない、マンションに対する関心が日増しに高まっていることを物語っており、これまで放置されていた「管理組合運営」と「建物管理業務」の質が飛躍的に向上し、今後の中古マンション流通の活性化につながるものと期待されます。
この注目される“マンション”の歴史について簡単に振り返ってみたいと思います
戦前のマンション
日本で最初にRC造の共同住宅が出現したのは、大正5年に、三菱鉱業が長崎県高島町に鉱員住宅を建築した“炭鉱住宅No.30”で、一般住宅としては、大正12年に当時の東京市が市営アパートとして建築した江東区深川地区の“古石場住宅”です。 マンションの歴史の象徴的な存在となっている“同潤会アパート”は、関東大震災による被災者の住宅対策として「財団法人同潤会」が大正13年5月に設立され、東京・横浜各地に供給されたものです。その後、同潤会は解散され住宅などは住宅営団に継承されました。さらに、その住宅営団が、戦後GHQの命令により解散されて地方公共団体の管理下におかれ、昭和26年以降に居住者に払い下げられ、結果的に区分所有建物となったのです。   区分所有マンションというものが一般化し始めたのがこの頃からです。
戦後のマンション
戦後、大都市の住宅事情は壊滅的になり、住宅建設が急がれるなか、都市の不燃化・土地の高度利用を目的として、RC造の公営マンション建設が積極的に進められ、分譲形態としては“宮益坂アパート”が昭和28年に完成しました。 その後昭和30年に設立された日本住宅公団(現住宅・都市整備公団)が賃貸マンションの供給を開始し、31年には千葉市の“稲毛海岸住宅”を分譲販売しました。 民間分譲マンションとしては、昭和31年に入居を開始した“四谷コーポラス”が第一号だといわれています。
 マンション供給の推移
分譲マンションは、その後、マンションブ―ムを幾度か繰り返し、ストック戸数は国土交通省の調べによると、平成11年末の段階で368万戸となりました。恐らく1000万以上の人がマンション生活をしていることになります。現在もマンション供給は順調にそのストック戸数を増やしており、“マンション”という言葉がそのまま法律や国家資格の名前に使用されるほどになりました。
  今後、日常生活における騒音等だけでなく大規模修繕や建替え等、区分所有ゆえの様々な問題が出てくることになります。マンション管理士が多数誕生し、誰もが安心してマンション暮らしができるような環境が整備されることを期待したいものです。
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