中高層住宅価格(マンション)の年収に対する倍率は平成3年以降、縮小または横ばい傾向で推移してきましたが、平成13年上期の倍率は全圏域でバブル前の昭和61年の水準をも下回る結果となり、価格と年収との相関関係は格差が縮小しました。これは(社)都市開発協会が、三大都市圏の新築マンション価格とサラリーマン世帯年収との乖離を定期調査しているものです。
平成13年上期の標準的なマンション価格とは、民間が供給したマンションの専有面積1m2当たりの平均価格を基に標準的中高層マンション(専有面積75m2 ※1)価格を算出したものです。
マンション価格のサラリーマン世帯の年収に対する倍率は、平均的年間収入758万円※2に対し、乖離率は各圏域ともわずかに縮小しています。下図のようにバブル絶頂期の平成2年には、平均的なマンション価格が年収の10倍に達し、一般サラリーマンには手が届かなくなり、当時大きな社会問題というより政治問題になりました。その後は、不良債権問題、不況の到来?とともに倍率は縮小し続けて、名古屋圏、東京圏に続き今回大阪圏でも地価高騰前の倍率水準を下回ったことになります。なお、一律で倍率を比較するため全国平均年収を採用していますので、東京都市圏の金額で比較しますと、東京圏の倍率は5倍程度で、倍率は更に下がることになります。
マンション価格の平均的年間収入に対する倍率を、距離圏別に見ますと次のようになります。東京圏(東京駅基点)では0~10km=年収の6.83倍、以下10~20km=5.31倍、20~30km=4.90倍、30~40km=4.23倍、40~50km=4.32倍、50~60km=3.98倍です。大阪圏では都心部でも年収の4倍台、名古屋圏では3倍台です。