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不動産コラム vol.36
マンション価格の年収倍率 バブル前下回る
         ~価格と年収との相関関係 (社)都市開発協会~
 

中高層住宅価格(マンション)の年収に対する倍率は平成3年以降、縮小または横ばい傾向で推移してきましたが、平成13年上期の倍率は全圏域でバブル前の昭和61年の水準をも下回る結果となり、価格と年収との相関関係は格差が縮小しました。これは(社)都市開発協会が、三大都市圏の新築マンション価格とサラリーマン世帯年収との乖離を定期調査しているものです。

平成13年上期の標準的なマンション価格とは、民間が供給したマンションの専有面積1m2当たりの平均価格を基に標準的中高層マンション(専有面積75m2 ※1)価格を算出したものです。

 
1.標準的なマンションの価格 2.年収に対する倍率
(千円) H11年 H12年 H13年上期 前年比率
東京圏 43,275 40,725 40,050 △1.66%
大阪圏 35,400 32,925 31,125 △5.47%
名古屋圏 26,625 26,250 25,800 △1.71%
 
(倍) H11年 H12年 H13年上期
東京圏 5.50 5.29 5.28
大阪圏 4.50 4.28 4.11
名古屋圏 3.38 3.41 3.40

マンション価格のサラリーマン世帯の年収に対する倍率は、平均的年間収入758万円※2に対し、乖離率は各圏域ともわずかに縮小しています。下図のようにバブル絶頂期の平成2年には、平均的なマンション価格が年収の10倍に達し、一般サラリーマンには手が届かなくなり、当時大きな社会問題というより政治問題になりました。その後は、不良債権問題、不況の到来?とともに倍率は縮小し続けて、名古屋圏、東京圏に続き今回大阪圏でも地価高騰前の倍率水準を下回ったことになります。なお、一律で倍率を比較するため全国平均年収を採用していますので、東京都市圏の金額で比較しますと、東京圏の倍率は5倍程度で、倍率は更に下がることになります。

 
3.住宅価格のサラリーマン世帯の年収に対する倍率の推移(三大都市圏)

マンション価格の平均的年間収入に対する倍率を、距離圏別に見ますと次のようになります。東京圏(東京駅基点)では0~10km=年収の6.83倍、以下10~20km=5.31倍、20~30km=4.90倍、30~40km=4.23倍、40~50km=4.32倍、50~60km=3.98倍です。大阪圏では都心部でも年収の4倍台、名古屋圏では3倍台です。

政府は平成4年に「生活大国五カ年計画」で、「大都市圏でも年収の5倍程度で取得可能に」と目標を掲げましたが、その目安はほぼ達成したことになります。政策ではなく景気低迷で...。年間収入の低下率以上に価格の下落率が大きいことは、マンション購入がますます現実的なものとなっていることを示しているといえるでしょう。「望ましい倍率は年収の4倍前後、生活を切り詰めれば手が届くのは年収の5倍前後」(同協会)ということですが、皆さんの生活実感では如何でしょうか。
  ※1 旧建設省「都市居住型誘導居住水準(S61)」や第8期住宅建設5箇年計画(H13~17年度)」で3人世帯の水準である専有面積75m2を標準的マンションの床面積としています。
※2 総務省「貯蓄動向調査報告」H12年勤労者世帯年間収入全国平均769万5千円に、同省「家計調査報告」H13年1月~6月の勤労者世帯の実収入平均額に対前年同期伸び率△1.50%を乗じたものです。
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