不動産投資に対する関心が高まっています。これは、預貯金金利の低い個人資産家に 限らず不動産投資の専門家である企業(生損保、不動産、金融、建設、商社など)においても同様です。今回実施された調査はそれら企業45社の不動産投資に対する考え方をまとめたものです。昨年10月実施された調査との比較を交えてご報告します。
それらの企業の65%は「条件に合う物件があれば検討する」という回答を含めて不動産投資に積極的になっています。(昨年は54%)
その期待利回りはどうでしょうか。
※この調査では丸の内大手町所在のグレードの高いビルを投資モデルとして想定している。
(※数字は回答標本の中央値を表す)
これによると、不動産投資企業の期待投資利回りは5.0%にまで減少していて、昨今のいわゆるファンドバブルの実態を表しているようにも思えます。しかしながら、平成10年の旧国鉄本社用地の入札では、当時の落札価格は想定利回り4%台と言われていました。3年経過した今、その利回りに限りなく近づいているともいえるわけで、落札した企業の先見性を見る思いがします。
この調査では、加えて立地条件等の違いによる還元利回りの格差を調べています。 (1)立地条件:(丸の内大手町地区と比較した立地条件による還元利回りの格差) 日本橋虎ノ門+0.5%、品川大崎+1.0%、神田神保町+1.0%など (2)築年数:(築5年未満の建物と比較した場合の築年数による格差) 5年~10年 +0.3%、10~15年 +0.8%、15~30年 +1.5% (3) フロアー面積:(ワンフロア-500㎡以上のビルと比較した場合の規模による格差) 300~500m2 +0.5%、300m2未満 +1.0% (4) 維持管理:(維持管理が良好なビルと比較した場合明らかに管理状況が劣るビルの格差) +1.0% この他にも、設備・耐震構造・テナントの質などの指標が挙げられています。これらの格差を積み上げた数字がその物件に期待する利回りということになります。