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不動産コラム vol.25
不動産の時価会計

今、時価会計というキーワードによって日本の会計基準が変わりつつあります。ところが我々はこの中身を良く知らないまま新聞記事を受け入れているような気がします。不動産の証券化など外国では常識であるかのごとき考え方がどんどん入ってきていますが、この時価会計の基準となる国際会計基準は実は2000年3月にほぼその形を整えた世界的に見ても新しい考え方であるということを覚えておきたいと思います。(一方、米国基準というのも存在していて日本ではこちらをモデルにする?)
※時価会計の対義語は取得原価主義会計です。

新会計制度において時価評価が直接関係するのは、以下の3点です。
(1)販売用不動産(棚卸資産)の強制評価減――2000年3月期から導入
(2)金融商品会計の時価評価――2001年3月期から導入
(3)固定資産の減損会計――2003年3月期からの導入予定
  このうち(1)と(3)が不動産の時価会計としての問題になる制度ということになります。
 
販売用不動産の強制評価減
実質的に2001年3月期から義務付けられたこの制度は、従来棚卸資産について「低価基準」すなわち時価と取得価格のいずれか低い方を期末資産の評価額とする基準があったにもかかわらず販売用不動産については時価の算定が困難であることから実施しない企業がほとんどでしたが、今回「時価が取得原価よりも著しく下落したときは、回復する見込みがある場合を除き時価をもって評価する」という規定について、概ね50%以上取得原価から下落している場合がこれにあたるとして強制的に評価減を行うこととされたものです。(これを回避するため固定資産に振り替える事例も見られた)
固定資産の減損会計
そこで今後の最大の課題が、この減損会計のゆくえです。
(2)の金融商品の時価会計は含み益含み損いずれが生じても貸借対照表には時価で計上されることとなりますが、(3)の減損会計はある一定の方法で測定された時価が帳簿価格を下回ることとなった場合にのみ帳簿価格をその評価額まで切り下げます。従って含み益は反映されません。この対象資産は固定資産と投資その他の資産です。
本来、固定資産は値上がり目的で保有している資産ではないので時価評価にはなじまないものですが、将来に生じると予想される損失を先送りしないために適用されます。固定資産の評価は、A)売却による収入、B)その資産から生じる将来キャッシュフロー収入 のどちらか高い方で行うこととされています。
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