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nomu.com通信 vol.11 |
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■建設省は来年の土地税制改正案として、長期譲渡税20%を要望しました。 |
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現在、5年を超えて所有している土地の譲渡税は一律26%(所得税20%、住民税6%)となっています。これに対して、バブル崩壊後、もう土地は特別な資産ではなくなったのだから、本来の総合課税並みの課税ベースにもどすべきではないかという議論が、建設省から出ていることは既報vol.6でお伝えした通りですが、その具体的要望内容が明らかになりました。(9月28日付日経新聞による) |
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建設省の案は次の2案です。 |
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(1)
一律20%(所得税15%、住民税5%)に引下げる。 |
(2)
譲渡益が6000万円以下の部分を20%に引下げ、6000万円超部分は26%とする。 |
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7月の段階では、本来の譲渡益課税の原則である、1/2総合課税に極力近づけるべきとの原則論を主張していました。その具体策がこの案となった訳ですが、それについて少し検証してみたいと思います。
それぞれの考え方と現行税制とによる税額を算出してみると下表のようになります。 |
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この表により、今回の建設省の案の内、(2)の6000万円までを20%に減税する案が本 来の総合課税の原則に限りなく近い案であることがわかります。実際には1/2総合課税の場合、他の所得があればさらに(2)に近くなります。
逆に、(1)の一律20%案の場合、本来の税額より譲渡益が大きくなるにつれて税額が割 安になっていくことがわかります。 |
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今、土地の長期譲渡所得税率を引下げる検討がなされているのは、主に不動産の流動化を促し活発化しつつある土地取引を停滞させないようにするためで、バブル潰しのための税制に終止符を打つ目的があると考えられますが、本来の税制を下回ったものにするところまで下げるのかどうか。引下げを実行する場合は、従って(2)の案に落ち着きそうに思います。 |
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もし、来年からこの建設省の減税案が実行されると、今年中に土地の売却を考えている方にとっては、選択の必要性に迫られることになります。
地価はまだまだ下がりつづけていますので、売却は早く実行する方が有利であると考えられます。しかし、これから年末にかけては、長期譲渡に該当する場合は、来年の譲渡とした方が手取金額が増える可能性が出てきました。
従って、現時点でどちらの方向になるかはわかりませんが、年内に売買契約をする場合でも、可能ならば引渡しを来年まで引伸ばす努力をしてみる必要があるということになりそうです。税制改正の動きを見ながら、申告時期を契約時にするか引渡し時にするかの選択もできるわけですから。 |
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あくまで、今回のこの案は、建設省の要望レベルです。実際の決定は自民党の税制調査会が決定することになります。優良宅地供給の軽減税率はどうなるのかという疑問も残りますが、今後の動向に注目していきましょう。 |
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