
ノムコムで探した このお家…
パパは家の前に花壇を作りました。
そしてそこに、シンボルツリーとして一本のゴールデンアカシアの苗木を植えました。
「大きくなぁれ!」
子どもたちは、我先にと苗木に水をやりました。
すくすくと育つゴールデンアカシアの木は、一年で背丈くらいになり、たくさんの美しいライムグリーンの葉を茂らせました。
「あれ!」
ある日、子どもたちが指差した先を見ると、なんと枝の上にメジロが巣を作っていました。
「わぁ~」
大喜びの子どもたち。
それにしても、人が大勢住む市街地。
近所の子どもたちも毎日わが家の前で遊んでいるのに…
メジロにとっても、この家は快適なお家なのかな。
和室から丸見えのメジロの巣。
子育てが終わるまで、しばらく和室では音を立てないことに…そして極力 障子を開けないことにしました。
「メジロのママ、来たよ!いっぱいご飯持ってきたみたい」
広々リビングにも聞こえてくる、ヒナたちの元気な声。
ママとパパが戻ってくるとチチチチと“餌をちょうだい!”
と声を立てるのです。
「ママ~、お腹空いたよ~」
わが家のヒナたちも、おいしそうな匂いに釣られてキッチンに入ってきては大きな声。
一緒に子育てがんばりましょ!
親鳥たちを見ては、密かに そんな風に仲間意識を持っていました。
十日後、4羽のヒナはすべて巣立っていきました。
あのチチチチという鳴き声が聞こえてこないのが、なんだか寂しい…
巣立ちは喜びですが、同時に悲しいものですね。
同志が わが家から去って、半年…
「また戻ってきてくれるかなぁ」
木枯らしにも負けない、強い頑丈なお家を作っていたんだね。
メジロの巣は、すっかり葉が落ちたゴールデンアカシアの木に残っていました。和室から、親しい友人を懐かしむように空っぽの巣を見つめる子どもたち。
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