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恩返しの第一歩

のーみ さん

26歳で結婚した。
結婚と同時に二人の通勤に便利な、でも全く馴染みのない場所に新築マンションを借りた。もちろんマンションに知り合いはおらず挨拶程度、朝家を出て夜帰って来る、家ではご飯を食べて寝るだけという生活が続いた。大好きな人と暮らす夢が叶って、これが幸せなんだと思っていた。
一年が過ぎ妊娠した。そのマンションは家族で住むには狭すぎたので分譲マンションを探す事にした。
なかなか決められず悩んでいた時、一年間ほとんど会っていなかった義母から主人に連絡が来た。
「うちのマンション、空きでたで。」
来て欲しいという押し付けのような感じではなく、ただの業務連絡のようなテンションだったと。
主人から相談され、私は正直嫌だと思った。友達との間で嫁姑問題の話題は尽きず、同じマンションに住むなんて絶対うまくやっていけるはずがないと考えた。
ただ時間がなかった。何軒見ても新居を決められず、どんどん出産が近づき焦った。義母のマンションはリフォームも済んでおり、もちろん主人が育った場所なので子育てには向いているという事はわかっていた。主人の実家が同じマンションだという事以外は完璧だった。私は焦りから、なんとかなるだろうとそこに決めた。

新生活が始まった。悪い予感は当たった。義母が毎日来た。妊婦はしんどいだろうという優しさから、ベランダの掃除や主人のシャツのアイロンがけ、手料理の振る舞い、何から何までやってくれた。その度に私はありがたい気持ちより、申し訳ない気持ちと、ほっといてくれという気持ちがどんどん膨らんだ。
その気持ちが変わったのが出産の時。夜中に陣痛が来た。初めての事で痛くて痛くて一人では車まで歩けなかった。主人が義母に電話をした。「車をとってくる間付き添ってやってくれ」と。夜中にも関わらず義母はすぐ電話に出た。出産予定日の1ヶ月も前からいつ何があっても対応出来るように準備しておいてくれたそうだ。私は義母に腰をさすられ痛みに耐えた。
車に乗る時「頑張って。大丈夫。赤ちゃん楽しみやね。」と言ってくれた。本当にありがたかったし心強かった。
無事に赤ちゃんが産まれ、以前にも増して家に来るようになった。でも私の気持ちは以前のようなものではなく、感謝の気持ちでいっぱいだった。娘をとても可愛がってくれ、育児に悩む私にアドバイスをくれ、なかなか行けない買い物に代わりに行ってくれた。
娘もママの次に覚えた言葉がばあばで、義母によくなついて大好きだった。
義母の誕生日に娘の写真でアルバムを作ってプレゼントすると涙ぐんで喜んでくれた。
今はエレベーターでも、ごみ捨てに行っても、義母の友達のおばさん達が声をかけてくれる。そしてみんなで娘を可愛がってくれる。
去年じいじが単身赴任に行って今は一人暮らしの義母。少し寂しいかな?私たち家族が近くにいることで、少しでも寂しさや不安がなくなれば恩返しの第一歩になるかなと思っています。

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