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不動産投資の最新動向

不動産投資の物件選びのポイントや不動産投資の出口戦略、利回り・不動産価格・マーケット情報など不動産投資に関する最新動向をわかりやすく解説いたします。

宮澤 大樹
野村の仲介+
資産コンサルティング部
1998年から不動産業界に携わり、首都圏のマンション販売・投資用マンションの販売を経験。
その後、2005年より主に一棟マンション・ビル等の投資事業用不動産を中心とした仲介業務に従事。
はじめての不動産投資

区分か、一棟か?不動産投資のメリット・デメリット比較

2018年11月 2日

不動産投資の入り口として、「まずは区分マンション(ワンルームなど)から」というケースは少なくありません。そこで今回は、区分物件のメリット・デメリットについて、一棟マンションなどと比較しながら紹介します。



価格が低めで購入のハードルが低い区分物件

「区分マンション」は物件数が豊富で、一棟のアパートやマンションに比べて当然総額の価格は安いため、不動産投資の初心者も入りやすいカテゴリーといえるでしょう。

郊外のワンルームマンションでは、総額500万円以下、表面利回りが10%を超える物件もあります。価格が低く流通物件数が多いということは、流動性が高い、つまり売却しやすいということでもあります。

また、現金で購入できる水準のため、株やFXと比較して「利回りが高い」「インフレに強い」という不動産の特長から、「現金を実物資産に変えておきたい」という志向にも対応できます。



ワンルームとファミリータイプ、それぞれの特徴は?

投資用の区分マンションといえば、ワンルーム(1R)や1Kなどの単身者向けが中心と思われがちです。しかし、2LDK以上のファミリータイプを投資対象にするケースも少なくありません。1R・1Kタイプとファミリータイプのそれぞれの特徴をまとめておきましょう。

<1R・1Kタイプの場合>
1R・1Kの場合は、実需層が購入する可能性は低くなります。ただ、マンスリーマンションなどとして活用することによって、通常の賃料相場より高収益を得られる可能性もあります。

<ファミリータイプの場合>
ファミリータイプのほうが売却しやすい傾向があります。というのも、1R・1Kタイプの購入者はほぼ投資家に限られるのに対して、ファミリータイプは自ら居住する実需層にも売却できる可能性が高いからです。実需層の事を考えると、立地だけでなく、設備仕様やグレードも重視して物件を選ぶことが重要でしょう。



オフィス・店舗などのビル系区分物件のメリット

投資用の区分物件はマンション(居住用)だけではありません。オフィスや店舗などのビル系(事業者向け)の区分物件もあります。流通市場に出ている物件数がやや少ないことが難点ですが、バリエーションは増えつつあります。

収益性の点では、マンションよりもオフィスや店舗のほうが、高いケースが多いでしょう。住宅系の賃料水準は、多少景気が上向いてもすぐに上がることはなく、また値上げ可能な幅も大きくありません。

それに対して、オフィスや店舗の賃料は、好景気になって企業の業績が改善すれば、賃料の値上げが期待できます。周辺の開発整備によって賃料相場がアップすることもあります。そのようにして収益性が高まれば、売却価格の上昇にもつながります。ただし、景気が悪くなった際の賃料値下げもあり得ます。

オフィスや店舗を選ぶ際に注意したいのは、ビル内での所在階数です。基本的には、道路に面した1階フロアが有望です。地下や、2~3階以上の"空中店舗"はテナントが付きにくいといわれています。景気の影響、また、立地やグレードの良し悪しによる影響は、住宅系よりもオフィスや店舗のほうが大きいといえます。

表1.レジデンスとビルの違い

レジデンス(マンション)ビル(オフィス・店舗)
賃料 変動が少なく安定 変動率が大きい
大きく下落しにくいが、伸びしろ(上昇期待)は少ない 下落する可能性もあるが、上昇も見込める
景気変動の影響 小さい。賃貸需要が底堅い 景気による変動が大きい
融資 利用しやすい 融資審査が厳しい
立地・グレード 多少左右される 大きく左右されるい



投資効率が高いのは、「区分」より「一棟」

続いて、区分物件のデメリットについても見ていきましょう。

表2は、区分マンションと一棟マンションの表面利回りの推移を示しています(投資物件情報サイト「ノムコム・プロ」掲載物件の利回り推移)。一般的に、一棟マンションに比べて、区分マンションのほうが利回りは低くなります。利回りが低いということは、つまり収益性が低いということです。

表2.区分マンションと一棟マンションの表面利回りの推移


たとえば、総額500万円・表面利回り10%の中古ワンルームマンションを現金で購入したとします。想定家賃収入は、年間50万円です。出ていくお金は、建物の管理費・修繕費が12万円(1ヵ月1万円)、固定資産税が年間5万円、家賃収納代行などのために賃貸管理会社に2万円前後支払うとして、年間維持費が19万円ほどとなります。税引き前の手取りは31万円で利回りは6%程度となります。

さらに、所得税と住民税を合わせて30%の税金を払うと、手残りは年間22万円となり、月々2万円に達しません。投下資金500万円を回収するのに20年以上かかります。

しかも、これは入居者が居続けることが前提です。仮に1~2年ごとに入居者の入れ替えが発生すると、その度に原状回復費用、募集費用などがかかります。部屋が埋まるまでの賃料収入はゼロですから、2~3ヵ月の空室期間があると、費用を合わせて家賃5~6ヵ月分のマイナスです。ほとんど手残りがないか、赤字に転落する恐れがあります。現金で購入してもこの収支ですから、不動産投資ローンを利用すると採算的にはかなり厳しいといえるでしょう。

このように、区分の物件は一棟マンションやアパートに比べて投資効率が低い上に、空室リスクが大きいといえます。



管理状況や売却価格のコントロールのしやすさが違う

区分物件を購入する場合の注意点は、もう一つあります。区分物件には、一つの建物に対して複数の所有者がいることです。建物・設備の管理運営については、複数いる区分所有者の話し合いで進めることになります(通常は、管理組合が作られ管理規約に基づいて総会で話し合って決め、管理の実務は管理会社に委託されます)。

「大規模修繕や建て替えなどの重要事項は区分所有者による多数決で決められる」と法律で定められています(※)。管理状況を改善したい、リノベーションをして付加価値を高めたいと思っても、自分一人では決められないのです。一棟マンションの場合は、オーナー自身の裁量でバリューアップできます。

また、ワンルームマンションの場合は、棟内の清掃やゴミ置き場、駐輪場などの整備が行き届いていないという指摘も少なくありません。これはオーナーが自分で住まないため、管理状態への関心が薄いからです。管理状態の善し悪しは、賃借人の入居率に影響することがあります。

売却価格についても、区分マンションより一棟マンションのほうがコントロールしやすいといえます。区分マンションは、周辺の類似物件や同一マンション内の成約事例によって価格相場が決まり、その情報が比較的オープンになっているため、売主の希望価格が通りにくいといえます。一棟マンションは個別性が高く、売買情報もオープンにされていないため、比較的売主の意向を反映しやすい面があります。つまり、出口における売却価格のコントロールがしやすいわけです。

※大規模修繕や建て替えなどの重要な事項を決める特別議決の場合は、組合員総数(区分所有者数)と議決権総数に対して、共に一定以上の割合で賛成することが必要になる。組合員(区分所有者)の人数は、1人の組合員が複数住戸を持っている場合、1つの住戸を複数の人が共有している場合、いずれも1人と数える。議決権は専有部分の床面積割合(=共用部分の持ち分割合)で決まる。 特別議決の例 ...... 大規模修繕=4分の3以上、建て替え=5分の4以上。

区分は、価格が低く始めやすい半面、空室リスクと投資効率では分が悪いといえます。一棟は、元手や借り入れが大きくなりますが、投資効率・空室リスクについて区分よりも優れているでしょう。どちらにも、メリットとデメリットがあり、どちらがよいかは、「投資」に対する考え方によっても判断が分かれるところでしょう。



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