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プロに聞く「収益物件」売却術

松平 大
野村の仲介+
資産コンサルティング部
管理課長

当社では豊富な取引実績と、充実した専門家ネットワークを活用した独自のノウハウ・提案力が強みの1つです。今回は見落とされがちな「相続が発生する前段階の施策」にフォーカスして事例をご紹介します。

~事例紹介(4)~ 親の不動産が売却できない!? 相続の前に潜む落とし穴

政府の発表によると、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。もし収益不動産を保有している親御さんが認知症になったとき、資産の管理・処分はどうすればいいのでしょうか?気になる問題点と対策についてご紹介します。

2017年7月27日

■売買契約を結んだ後に売主様が認知症を発症

80代のお母さまが保有されている1棟マンションは築25年。賃料の低下とともに、メンテナンス費用や、入退去時の原状回復費用がかさんでいました。娘さんは賃貸経営に興味がなかったため、将来的に相続することを望んでおらず、お母さまご本人も売却を希望されていました。

早速、私の方で売却活動を始めたところ、買主様も見つかり、3ヵ月後には無事売買契約を締結することができました。この頃まではお母さまと直接やりとりしていましたが、ご体調を崩され、その後の手続きは娘さん中心に対応していました。

しかし、さらに3ヵ月が経った頃、決済・引渡しのタイミングで問題が発生しました。司法書士面談で、売主であるお母さまに本人確認をしたところ、いくつかの質問に対する返答が曖昧で意思能力に疑念を持たれてしまったのです。契約当事者の意思を司法書士が確認できなければ、所有権移転登記ができません。今回の事案では、お母さまがだいぶ緊張されていたようで、司法書士と時間をかけて面談を行なうことで本人確認が取れ、無事に決済・引渡しを迎えることができましたが、一歩間違えば契約無効になりかねない案件でした。

■認知症になってしまうと、財産管理や相続対策は難航

実は、親が認知症を発症し、意思無能力者になってしまうと、子どもはその資産に対する打ち手がほとんどなくなってしまいます。ご所有者本人の意思確認が取れないと、例えば収益不動産を売却して介護施設への入居費用に充てることも、建物を建て替えて収益性を高めることもできなくなってしまうのです。

「成年後見制度」という制度もありますが、「財産を守り、保全する」ことが前提になっているため、収益不動産の現金化や運用には認められないことがほとんどです。

さらに、親御さんが収益不動産をお子さんのために遺したいと思っていても、相続する側のお子さんとしては管理の手間やコストが負担になるため、不動産としてそのまま相続することは望まず、相続前に売却してほしいと願うケースは少なくありません。

できれば、意思能力の有無について危ぶまれる前に、資産を保有しているご本人と相続される方との間で、相続対象としてどんな資産があるのか、さらに今後それらの資産をどうしたいのか、双方の気持ちを共有しておきたいものです。そのような機会が持てれば、次にご紹介する「家族信託」という制度を活用することができます。

■元気な内に打てる手を打ちたいと、「家族信託」を選択

別の案件で、「万一のことが起こる前に、自分の資産の管理・処分方法を決めておきたい」とご相談にいらしたお客様がいらっしゃいました。そのお客様はいろいろな場所に土地を保有されており、当面は元気なつもりなので生前贈与までは考えていなかったものの、「今のうちに打てる手を打っておきたい」というお考えでした。

そこで、万一のための備えとしてご提案したのが、「家族信託」の活用でした。「家族信託」とは、信頼できる家族に財産管理を託すことができる制度のこと。資産をお持ちの方がお亡くなりになれば相続が発生しますが、万が一、それよりも前の段階で認知症を発症してしまうと、資産の管理や処分が困難になることは前述した通りです。しかし、事前に「家族信託」の信託契約を結んでおけば、親御さんが認知症になるようなことがあっても、託された家族によって資産の売却や運用が可能になります。

1つ目の事例でも、事前に財産管理・処分の信託契約を結んでいれば、例えお母さまが認知症を発症し、契約無効になってしまうほど進行していても、娘さんの判断でマンションを売却し、そのお金を介護施設の入居費に充てることができたでしょう。

■先々を見据えた対策と、想いの共有を

近い将来起きるかもしれないリスクに備えて、家族間で想いを共有しておくことは非常に重要です。「家族信託」はその上で、相続する親の側が取り得る選択肢の1つと言えます。被相続人である親にしても、相続人となる子どもにしても、自分や親が意思能力を無くしてしまうことを想像するのに抵抗があるでしょう。しかし、実際に親御さんが認知症になってしまってからでは遅く、対策の取りようがなくなるのも事実です。

まずは、万が一のことがあったときに、今保有している資産をどうしたいのか、被相続人と相続人双方の想いを共有しましょう。そして、特に収益不動産の相続に関しては、関連する法律や活用できる制度に詳しい不動産会社にご相談されることをおすすめします。

■お客様視点で問題解決にあたれるパートナー選択を

今回ご紹介した「家族信託」は、非常に便利な制度です。資産を託す側は、例えば物件によって処分権を与えるものとそうでないものとを指定するなど、自分の想いを反映させて託すことができます。また、資産を託される側にとっても、これまでご案内してきた通りの権利が与えられることになり、双方の合意さえ取れていれば、活用することにデメリットと言えるようなリスクはあまりありません。

しかし、「家族信託」自体の認知度がまだ低く、不動産会社や担当者によってはその存在すら知らない可能性があります。相続について相談するパートナー選びも重要なのです。それには、お客様双方の立場に立って問題解決に臨めるか、幅広い知見を持ち、数多くの選択肢の中からベストな方法を提案できるか、といったことも判断基準となるでしょう。

当社は、常にお客様の抱える問題の本質的な解決を目指す「コンサルティング」を意識しています。また、「家族信託」のようにお客様にメリットのある制度を熟知した司法書士をはじめとして、専門家とのネットワークが充実しています。
実際のお取引で培った経験を組織内で共有し、ノウハウとして蓄積し、その資産を活かして問題の全体を見渡しながら、複数の選択肢の中からベストを提案できることが強みだと自負しています。

不動産売却でお困りのことがございましたら、是非一度お話をお聞かせください。

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