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プロに聞く!不動産投資コラム 大家さん税理士が指南! 渡邊 浩滋氏(わたなべ こうじ)

第1回 失敗から学んだ不動産賃貸業。なんのための不動産投資?

2016年02月16日

今回からコラムを担当することになった税理士の渡邊浩滋です。
実家の危機的な状況にあった賃貸経営を引き継ぎ立て直したという経緯から、大家さん専門の税理士として多くの大家さんの申告のお手伝いやアドバイスを行っています。
その経験をもとに、不動産投資で失敗しないためのノウハウを提供させていただきます。
第1回目は、私の実家の賃貸経営の失敗要因から学んだ成功のカギです。

「固定資産税が払えない」。
その母親からの一言で、まさか、自分が賃貸経営をやるなんて夢にも思っていませんでした。

私の実家は、もともと農家で、いわゆる地主でした。
昭和の終わり頃、祖父の相続税が心配になり、その対策でアパートを建てたというのが始まりです。

私は次男で、アパートは長男が引き継ぐものと思っていたため、賃貸経営には一切興味がなかったのです。
なんとなく実家がアパートを経営しているということで、お金に不自由なく暮らせているのかなぁという認識くらいはありました。

ですから、固定資産税を払えないくらいにお金がないということが信じられなかったのです。
しかし、現実は、預金通帳の残高0円。

頭が真っ白になりました。
なぜ賃貸経営をしていてお金がないの?

税理士の勉強をしていた私は、純粋に興味を持ちました。
そこから、お金がない要因分析とお金を増やすための対策を始めました。

ひとつ一つ改善し、なんとかキャッシュが残る状態にまでなりました。
しかし、修繕積立金をはじめとする貯蓄が一切ないため、まだまだ安定した賃貸経営とは言えない現状ではあります。

実家の賃貸経営が失敗した要因

なぜお金がなくなってしまう状況に陥ったのでしょうか。
私の実家の失敗要因は、大きく3つありました。


1.賃貸を"経営する"という意識がなかった
もともと祖父の相続対策で賃貸経営をはじめているため、そもそもの目的が相続税を下げることにしかなかったのです。
相続税対策は建ててしまえばそれで終わりですが、賃貸経営は建物がある限り続くものです。
経営という意識がなかったので、10室以上の空室があっても設備投資など対策を何もせず、自分たちの生活レベルを落とさないことを優先していたのです。

2.お金の管理がずさんで計画的でなかった
家賃収入の口座から生活費を必要なときに都度引き出すなど、賃貸経営とプライベートが一緒くたになり、一切お金の管理ができていなかったのです。
いわゆる「どんぶり勘定」というやつです。

家賃収入がいくら入ってきて、経費でいくら出ていくのか?
今後かかる修繕費はいくらで、そのためにいくらお金が必要になるのか?
また、そこから生活費としていくらお金が使えるのか?
なんて考えがなかったので、「貯蓄する」という発想もありませんでした。

満室経営が続くならどんぶり勘定でも大丈夫なのかもしれませんが、空室が増え、修繕費がかさんでくると、うまくいくはずがありません。



3.税金の相談相手も正しい知識を持っていなかった
私の実家は毎年の税金に追われていました。

私が税理士になる前は、実家の近くの税理士さんに顧問をお願いしていました。
毎月、税理士事務所の職員さんが来てくれるので、大丈夫だろうと安心していました。

しかし、数字は見てくれるものの、節税や資金繰りのアドバイスがなかったのです。
では、なんのために税理士にお願いしているのか、と思ってしまいました。

このことがキッカケとなり、「大家さん専門税理士」になろうと決意し、今につながっています。

大家さんは、相談する相手が少ないと感じています。
正しい知識がないと、正しい対策ができません。

賃貸経営で成功するためには

実家の賃貸経営の失敗を踏まえ、私なりに賃貸経営を成功するためのカギを導き出しました


1.目的意識を明確にする
賃貸業は昔から、相続対策で行う地主さんが多いという傾向にありますが、他の事業と比べて明確な目的をもって取り組む方が少ないと感じます。
考えてみてください。
なんとなくコンビニを始めてみようと思う方がいるでしょうか?

賃貸市場も厳しくなってきています。
楽して儲かる事業ではありません。
賃貸経営は、何十年と続く事業です。
目的を明確にしていないと続きません。

・資産形成をしたい(いつまでに、資産をいくらにする)
・家族に安定的な収入を残してあげたい(いつまでに、収入をいくらにする)
など、具体的な目的をしっかり持ちましょう


2.事業計画を数字で管理しましょう
賃貸物件を所有した瞬間から経営が始まります。
賃貸経営は家賃収入が入ってくるので比較的安定した事業ではあるものの、家賃を滞納されるなどのトラブルや、金利が上昇するなどの突発的な支出が発生します。

経営とは、これらのリスクを見込んで、どう対処すればよいかの先手を打つことです。
そのためには数字で目に見える形で、管理をすることが大切です。

ですから、事業計画表を作成するようにしましょう。
現在から数年後の予測を立てて、手残りがマイナスにならないか、マイナスになりそうであれば早期発見し、対策を打つのです


3.正しい知識を身につける
不動産投資は自己責任です。最終的には自分で判断しなければなりません。

自分の身を守るためにも、最低限の知識を身につけるのは当然のことだと思います。
とくに税金については、その対策が本当によいのか(節税という観点ではなく、経営という観点で)、判断に迷う部分が多くあり、ケースバイケースで解決策が異なることはよくあります。

不動産投資をすでにされている方もこれから始める方も、まずは目的を明確にすることを心がけましょう。

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本コラムは、渡邊 浩滋氏の経験に基づいた解説を中心に、分かりやすい情報を提供するよう努めておりますが、その内容について、弊社が保証するものではございません
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