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プロに聞く!不動産投資 実践編 不動産投資コラム 物件の現地解説つき「所有物件 調査・購入ドキュメント」人気ブロガーの投資家けーちゃんが、実際に購入した収益物件の様々なポイントを解説しながら、物件の選び方や注意点を伝授いたします。人気不動産投資ブロガー 寺尾 恵介氏  大手保険会社に12年間勤務。2004年から不動産投資を始め、2008年3月までに7物件・94戸の不動産を購入し、サラリーマンを卒業。現在は大家業の他、不動産投資ブロガーとしても活躍中。著書『満室大家さんのヒミツ』(ぱる出版)他。

第26回 物件調査・購入ドキュメント(4) 後編

2012年09月07日

温泉街にあるマンション購入ドキュメント。後編は現地調査や購入交渉についてお話していきます。

前編でも書きましたが、販売図面やレントロールを見る限り、投資指標などの数字的な面では非常に優秀なマンションでした。築年数が浅く、銀行評価上の「積算」がしっかり出ますし、敷金の受領や入居年月のばらつきを見る限り、稼働率もしばらくは維持できそうだと思いました。

そこで、次は現地に行って調査をしてくる訳ですが、ここで確認しておかないといけないのが融資です。収益や担保評価は合格ラインだとしても、そもそも融資を受けようと思っている銀行が、物件の所在するエリアを融資対象としているかどうかは、最初に確認しておかないといけません。「現地を観て、価格交渉をしてようやく売主さんの了解が得られた。しかし、銀行に確認してみたところ融資対象外のエリアだった!!」なんていうのは格好悪い上に時間を激しく浪費します。

融資を受けて物件をどんどん購入していく人は、取引のある銀行の融資基準を概ね把握しています。その基準に合った物件を持ち込んでいるので、確実に融資を受けられるという訳です。「買いたい物件を見つける→融資の申込み」というよりは、「銀行との打ち合わせ→基準に合った物件を探す」という感じですね。

そこで、現地に行く手はずを整えつつ、既に何棟かの融資を受けている銀行に物件資料を送付して、「融資の対象エリアかどうか」「おおよその見込みはどうか」を確認しておくことにしました。年度末が近かったこともあるのか銀行からの反応は早く、「概ね大丈夫だと思います」との回答をもらいました。

ちなみに、このような事前打診の場合、「おおよその見込み」を探るくらいにとどめておくようにするのがポイントです。銀行は、あとで「貸せると言ったじゃないか!」というクレームを発生させないために、断定的な発言をすることを最後まで避けます。「本当に大丈夫ですか?」というような言質をとるような聞き方をすると、「何とも言えません」という回答しか返ってきません。

現地調査

さて、電車を乗り継いで現地を訪問しました。以前にも書いたように現地で行うことは「建物のチェック」「資料やネットでは分からない環境のチェック」「競合物件のチェック」の3つです。

現地で分かったのは、「築年数の割には汚れている」ということです。冬場は積雪が多いからか、建物が全体的に汚れている感じがしました。クラック(ひび)や建物の傾きなどには問題なさそうです。汚れは高圧洗浄できれいになるし、現状の見栄えが良くないことで他の投資家を遠ざけるかもしれません。不動産会社の方に空き部屋も見せていただき、とりあえず大丈夫そうだと思えました。

次に周辺環境についてですが、こちらは観光地ということもあり、街全体がきれいで整っている印象を受けました。ゴミが落ちていたり、マナーの悪い住民がいるようなこともありません。騒音や臭気も気になりませんでした。

そして最後に競合物件の調査を行いました。近隣にある近い間取りの物件をチェックし、どのくらいのグレードの物件がいくらの家賃で募集されているかを調査します。そして同時にその家賃でどのくらい入居があるのかも確認します。空室率はガスの開栓状況や電気メーターを目視で確認するのですが、さすがにリーマンショック直後の観光不況にあえぐ地域だけあり、なかなかの空室率です。どの物件も最低2割くらいは空いていました。

本来でしたら需給関係として厳しいエリアだと言えますが、近隣にはRC造のしっかりしたマンションはほとんどなく、木造の古いアパートばかりだったことで「購入しても大丈夫ではないか」と思えました。

「近隣の木造アパート」と「購入候補のマンション」は、募集家賃として1万円程度の差がありました。高い家賃を支払える入居者さんは、住環境の良いRCマンションの方を選びます。競合物件との差別化ができている点はプラス材料です。そしてもし、将来RCマンションの需要がなくなったとしても、木造アパートの水準まで家賃を下げてしまえば、「同じ家賃でグレードの高い物件に住める」ということで、本来なら木造アパートに住むような方が移ってくるだろうと思えました。

ということで、不動産投資として「?」と思えるような地域での売り物件でしたが、購入することにしました。

価格交渉・運営

既に十分高い利回りが確保できていたので、強引な価格交渉をすることもありませんが、売出し価格6300万円のところ、6000万円の買付けを出しました。事前に銀行から良い返事をいただいていたことを交渉の材料にして「既に融資の方も良いお返事をいただいています」と添えました。これは価格交渉でよく使われるテクニックですね。指値の買付けもあっさり承諾いただき、銀行の審査もスピーディーに進みました。先ほども書きましたが、年度末というのは本当に借り時だなと実感した次第です。

このマンションは購入後5年が経過していますが、購入直後と変わらず高い稼働率を維持しています。ただ、この地域に転入してくる方の総数が圧倒的に少ないため、空室が出ると長期化してしまう傾向があります。とにかく、不動産会社を訪問する人自体が少ないのです。管理会社の話では、閑散期には1人も来店がない日さえあるそうです(笑)。
ですから、内見があったら高確率で申込みが入るようにしなければなりません。条件面はフレキシブルに対応していますし、内見時に不快感を与えないような部屋作りを心がけています。

近隣の旅館に勤務する板前さんや仲居さんが、法人契約で入居されることも多いので、管理会社を通じて、定期的に近隣の旅館にご案内を郵送するという営業活動もしています。苦労はしますが、その分得られるキャッシュフローも大きく、今でも自己資金の積み上げに貢献してくれるマンションです。

ただ、このマンションを将来売却しようと考えたとき、高い利回りであっても売りにくいだろうなというのは容易に予測できます。残債も減っているはずなので売却損が発生することはないと思いますが、大きくキャッシュが得られることもないでしょう。物件購入当時には、出口戦略についてほとんど考えていませんでしたが、将来売りやすいかどうかは購入時にしっかりと考えて判断するべきだと思います。

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