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プロに聞く!不動産投資コラム 元サラリーマン大家が紹介! 赤井 誠氏(あかい まこと)

第7回 どんな物件を選んで購入すべきなのか(中級編)

2019年08月02日

ある程度物件を購入して一定の家賃収入が得られた後に、そのまま同じような物件を買い続けるべきなのか、それとも考え方を変えていくべきなのか、誰もが悩むと思います。

私は不動産投資においては、資産規模の拡大とともに重要視していくポイントを変えていく必要があると思います。今回は「それなりに潤沢なキャッシュフローを得た後」に意識すべきことをお話ししたいと思います。

積算評価とキャッシュフロー重視のメリット・デメリット

投資をはじめて間もない時の話は「第2回 可能な限りリスクを減らしたサラリーマンの投資戦略」「第3回 どんな物件を選んで購入すべきなのか(初級編)」に書かせていただきましたので、こちらを詳しく読んでいただきたいと思います。
簡単にまとめると
・銀行の評価基準である積算評価を理解して、その評価基準に合うものを買っていく
・キャッシュフローを最重視して資金を貯める
・金利より融資期間を長くする方が当面の資金の拡大には適している
ということです。

ただ、これにはメリットだけでなくてデメリットもあります。
・銀行融資の付くものが必ずしも良い物件とは言えない
・資産価値より利回りを優先しがちである
・高い金利で融資期間が長いと元本返済が進まない

資金のないうちは融資がつきやすい(≒銀行の評価が出る)ものを購入し、キャッシュフローを第一優先に考えなくてはなりませんでした。
しかし、自己資金ができてきたら、この考え方でずっと物件を購入し続けていくことが本当によいのかを、デメリットも踏まえて考えなくてはなりません。

利回りとリスクは比例する

一等地の駅前にとても素敵な物件があったとしてます。おそらく利回りが低く、物件価格は積算価格に比べて高く、銀行から十分な融資は受けにくいでしょう。対して、駅から離れているけど土地が広い物件の方が銀行の評価は高くて、かなりの金額まで融資してくれたりします。

しかしながら、駅前の物件の方が確実に家賃は取れるし、リスクが低いのは明白です。

すなわち、積算価格というものはあくまでも銀行の担保評価の目線であって、物件の価値を表しているものではありません。不動産も、ほかの商品やサービスと同様に需要と供給で価格が決定されることがほとんどです。これが実勢価値であり、私は本当はこの実勢価値が高いものが一番価値があり、安全な物件だと思っています。
高利回り物件にも注意が必要です。人はどうしても利回りが高い物件に目を奪われますが、そのような物件は何らかの問題を抱えている場合がほとんどです。都心部の場合は、立地が悪い(駅から遠い)、環境が悪い、地方では、駐車場がない、生活に不便である、人口過疎地域である、などです。

所有物件の少ないうちは、多少入居付けの難しい物件でも自分が他のオーナーより積極的に活動して、頑張って空室を埋めていくという作業ができます。しかし、所有する物件の増加とともにそれもだんだん困難になってきます。そうなるとどうしても空室率が上がってしまい、表面利回りの高い物件でも、結果として低利回りの物件になってしまいます。

そのため、ある程度の資金力がついてきたら、安定的に運営できるようにリスクの低い物件にシフトしていく必要があります。

キャッシュフローは利益ではない

キャッシュフローというものは融資期間を長くすれば増えるものです。しかし、融資期間を伸ばせば伸ばすだけ利益が増える、なんてことはありません。あくまでも年間の返済額を抑えることで手持ちの運用資金であるキャッシュフローが増える、すなわちリスクを先送りしているだけです。

そのため、ある程度のキャッシュフローを手にしたら、拡大ばかりを目指すのではでなく、リスクヘッジをきちんと行いましょう。このあたりをおろそかにすると、長期にわたって安定して経営を維持することが難しくなります。低金利の現在は借金も大きな負担になりませんが、金利が上昇した場合に今のうちから備えておくことは重要です。

ローン返済における元本返済率の重要性

ローン返済比率に関しては「返済比率50%以下くらいなら安心」と考えている投資家の方は多いようです。確かにこの程度に抑えることで、ある程度のキャッシュフローを手にすることができます。

しかし、ローン金利が上昇した場合や、今後の不動産業界の融資の不透明さを考えてみると、これだけでは不十分です。

返済期間を長くすることではなく、購入時に自己資金を多く入れることによってローン返済比率を下げるように切り替えるのも、一定の家賃収入が得られた後なら可能でしょう。新築ならまだしも、築年数の古いRC造マンションなどでは修繕費も大きくかかります。今は大丈夫でも、10年という年月が経ったときには、経営の体力に大きな差が出てきてしまいます。

それでは具体的に、「ローンの期間を延ばして返済比率を抑えた場合」と、「自己資金を入れて返済比率を抑えた場合」について比較してみたいと思います。

表1は、5,000万円の物件に、金利3.0%、期間30年で融資を受けた場合と、金利3%、自己資金20%(1,000万円)を入れて22年で融資を受けた場合の、1・10・20年目の各年の支払額の元本と利息分、借入金残高を示したものです。

(表1)

年間返済額に大きな差はありませんが、10年後の残債の差は、およそ1,300万円、20年後の残債の差は、およそ1,700万円になります。自己資金を1,000万円入れたことを考慮しても、後者の方が10年間で300万円、20年間で700万円ほど多く借金の返済が進んでいるということです。

自己資金を入れることで銀行も「安全な融資先」と認識し、金利の優遇を受けることも多く、その場合は支払総額にさら大きな差がでてきます。

時間を味方につける

自己資金を入れることによって、確かに投資効率は落ちてしまいます。ただ、いつまでも投資効率だけを追求すればいいのでしょうか。拡大ばかりを優先して、破綻してしまったら元も子もありません。
きちんと理解してほしいのは、家賃収入に対するローンの返済比率がほぼ同等でも、返済の進め方によって時間とともに経営体力の差がでてくるということです。

ローン返済のうち、利子分は銀行側に支払うものですが、元本分はあくまでも自分自身の借入金の返済です。元本の返済が進むことで借入金が減少し、決算書の財務もどんどん健全化します。それが、さらなる融資金利の低下につながり、経営の安定につながります。

そして、さらなるキャッシュフローの増加や元本の返済につながり、結果としてリスクの少ない不動産経営が実現できることにつながります。
ただばく進するだけでなく、たまには一歩立ち止まって「自分自身の財務状態の健全化が実現できているかを確認して、次のステップへ移行しましょう。

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