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不動産投資サイト「ノムコムプロ」 > 不動産投資コラム > 第17回

プロに聞く!不動産投資 実践編
不動産投資コラム
不動産投資歴12年、投資総額は6億超!
実体験をもとに不動産投資をわかりやすくお伝えします。
不動産投資のスペシャリスト
沢 孝史氏
1959年生まれ。サラリーマンとして勤めながら、不動産投資を開始。現在8棟のアパートとマンション2棟を所有、年間家賃収入は6,000万円となる。著書に、「不動産投資を始める前に読む本」(筑摩書房)他。

第17回 今、融資を受けるには(1)〜金融機関の判断基準を知る〜

どんなに良い物件でも融資がつかなければ入手は困難です。でも、ただ金融機関の窓口に行って「融資してください」と言っても徒労に終わる確率が高いでしょう。
融資を受けるには押さえるべきツボがあります。
融資申込みをする前に知っておくべきポイントとはなにかを考えてみましょう。

融資のキーワードは3つ。これだけは知っておこう

金融機関の融資担当者側は、様々な知識と経験に基づき融資審査をしています。

融資申込みをするには高度な専門知識は必要ありませんが、少なくとも担当者の言っていることが理解できるように基本的な知識は習得しておいたほうが、意思疎通もスムーズになりますし、好印象を与えることにもなります。

その為にも基本となる3つのキーワード「属性」「与信」「担保価値」を押さえておきましょう。

[1]属性

銀行の融資担当者と懇意になると、いろいろな話を聞くことができます。彼らとの会話の中で、よく出てくる言葉に“属性”があります。

属性とは「そのものに備わっている性質、特徴」のことですが、銀行では「融資を申し込む人の勤務先・年収などの社会的・経済的背景のこと」を指します。

たとえば
「○○に住んでいて△×株式会社の課長さん」
「4人家族で家は持ち家、年収は○百万円」
こういった内容が属性です。

言葉は悪いのですが、要するにその人にお金を貸して良いのか、貸すとしていくらが限度なのかを値踏みするわけです。

その値踏みの際には、年齢、勤続年数、雇用形態、勤務先規模、年収、居住年数、居住形態、家族構成など多岐に渡る項目が検討され、「この人の社会的、経済的地位はこのくらいだから、いくらまでなら貸すことができる」という形で判断が下されます。

[2]与信

そうして融資の限度額が決まってくるのですが、「この人にはいくらまでならお金を貸すことができる」と査定すること、つまり、人物の信用評価を行い、信用する限度額を設定する(与える)ことを与信といいます。

主に企業同士の取引で、いくらまで売り掛けで商品を販売するかということで問題となりますが、個人でも同様のことが行われるわけです。

では、個人の与信、つまり貸し出し限度額を決める際に一番重視される基本事項は何でしょうか。

もちろん個人の属性から導き出された様々な要素が複合的に評価されます。しかし一番基本となるのは、収入と支出のバランス、つまりインプットとアウトプットのお金の動きです。

端的に言えば、融資をしても返済期間に入ってくるお金と出て行くお金の差がプラスと予想される金額であれば、融資は可能と判断されます。つまり、与信額は融資後のキャッシュフロー状態によって決定されるということになります。

不動産投資の融資では、投資をする前の収入と支出のバランスと、不動産投資をした場合のキャッシュフロー(もちろんマイナスの場合もあります)を合算した結果が判断基準となります。

そのため資産価値は高いけれどもキャッシュフローがまわらない物件は元々の収入に余裕がある人でないと融資が厳しくなります。

[3]担保価値

そして金融機関が最も重要視するのが対象物件の担保価値です。一言で言えば「その物件の価値はいくらなのか」ということです。

物件の担保価値は、一般的に二つの方法、積算法と収益還元法で評価されます。

積算法とは、物件の土地評価額と建物の評価額を合算して計算します。土地は路線価や取引事例などを参考に、建物は新築価格から経年に対する減額を考慮して決定されます。

収益還元法とは、物件の正味家賃収入に対して、キャップレート(収益不動産に対して期待される収益の標準的な利回り)で割り戻す方法です。
正味の年間家賃収入が300万円で、キャップレートが8%であれば、収益還元法による評価は300万円÷8%=3,750万円と算出されます。

この二つの方式で算出された値をもとに、掛け値(担保価値に対して融資する割合)をかけた値が、金融機関の担保に対する融資限度額になります。これに個人の属性に基づいた与信金額を合算すると融資上限が決まってくるのです。

数式にするとこうなります。
融資上限=個人の与信+担保評価の限度額

この上限額を大雑把でも良いので自分で計算できるようになると、実際の物件資料を見た段階で「自分に買えるかどうか」「いくらに下がれば買えるのか」を推測できるようになります。

購入できる可能性のないものをいくら追いかけても徒労に終わりますので、自分自身の実力を理解しておくことが必要です。

金融情勢によって変わる金融機関の融資基準

お話した3つのキーワードを知っておけば、融資担当者の話も理解できるようになりますし、融資が難しいといわれたときにも、どこが問題なのかを聞き、その問題に対して解決可能かどうかについて判断が可能になります。

たとえば、与信は問題なくても担保価値が不足している場合、自宅などの他に担保として提供できる不動産があれば融資は可能になるわけです。

でも、そういった理論的な話以外にクリアしなければならない問題があります。

それは金融機関の融資基準です。
たとえば土地の評価は時価額の70%で、建物の経済的耐用年数は鉄筋コンクリートでも30年で計算するなど、各金融機関が個々に内部基準として定めているものです。

融資担当者はこの基準を元に検討することになるのですが、この融資基準は経済状況によって変更になります。
たとえば3、4年前、担保評価は収益還元法に重きをおいていましたが、現在は積算法が主体になっていますし、その評価額も以前に比べ辛めになっているようです。

地価も変動しますので、評価基準の変更はやむを得ないとは思いますし、地価が下がれば物件価格も下がる傾向になるので、購入に際して大きな支障ともならないでしょう。

ところが、この評価の見直しと同時に大多数の金融機関で行われているのは最低限必要な自己資金比率の確保です。

たとえば、1億円の物件があったとします。
担保評価、与信評価を合算すると1億円を超えた場合、計算上1億円の融資が可能なはずです。

しかし、「融資にあたっては自己資金20%以上とすること」という基準がある場合、融資してもらえる金額は1億円ではなく8,000万円なのです。

仮にこの物件が8,000万円に値下がりしたとしても、融資金額は8,000万円ではなく8,000万円の80%=6,400万円が原則になります。

とても不思議な感じがしますが、融資基準は基準として存在しているので、一般的には変えることができないのです。

知恵と工夫で資金を調達しよう

融資基準が決まっていると、その条件を覆すことはなかなか難しくなります。では、自己資金が足りない場合は、どうしても入手したい物件があってもあきらめるしかないのでしょうか。

不足額が数千万ではしかたないかもしれませんね。しかし自己資金が数百万足りないだけだったら、なんとかなるかもしれません。

たとえば、売主が預かっている敷金の清算方法を決済時に相殺とすれば、敷金分は購入価格から控除することができます。また、購入後の家賃清算を当該月の家賃は売主がそのまま受領して、買主が受領すべき家賃も売却価格から相殺することにしたらどうでしょう。

敷金の預かりが1ヵ月、家賃の清算が1ヵ月とすれば、2ヵ月分相当は物件価格から差し引いてもらえます。一方金融機関の融資は物件価格が基準ですので、相殺されて実際の支払金額が少なくなっても、融資金額は減額されません。つまり、この2ヵ月分自己資金が節約できるのです。

このように融資基準が厳しくなっている現在の状況でも、少しでも工夫をすれば道は開けるかもしれません。これは一例ですし、すべての物件に当てはまるわけではありません。しかし、個々の物件と個人の事情によっては様々な可能性はあるのです。

融資が厳しい時期は購入できる人が少なくなりますので、物件価格は下がる傾向になります。割安で良い物件を購入できる千載一遇のチャンスです。

金融機関から断られたからすぐあきらめるのではなく、何か方法がないか試行錯誤してみる価値は十分にあります。あらゆる可能性を模索し努力する人が物件を入手できるのです。

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本コラムは、沢孝史氏の経験に基づいた解説を中心に、分かりやすい情報を提供するよう努めておりますが、
その内容について、弊社が保証するものではございません。

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