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特集:南部鉄器を楽しむ生活

いつの頃からか、暮らしの道具は
使い勝手を優先されるようになっていきました。
どっこいしょと持ち上げながら
手間ひまをかけることが、非合理的だと考えられがちに。
確かに、忙しい暮らしの日常使いの道具は
軽くて丈夫な使い勝手のいいものが一番いいのかもしれません。
鉄なんてもってのほか、かもしれません。
・・・でも、重いものは丈夫です。
鉄は錆付いても磨けばきれいになります。
日頃から、錆ないようにするために
自然と大事に扱うようになって
ますます愛着がわいてきます。
そんな手間ひまこそ
今に伝わる昔からある道具が
教えてくれるゆとりの生活なのです。
一度使ってみると、何の違和感もなく、
暮らしにすっと溶け込んで、
我が家の風景の一部になっていくことでしょう。

15代 鈴木盛久(熊谷志衣子)氏

鈴木盛久工房は南部藩御用達の鋳物師として、1625年(寛永2年)に創業した南部鉄器の老舗。作業工程は、鋳物造り、模様押し、鉄を流し込む鋳込み等、およそ50を超える職人さんの高度な技術と経験を擁し、伝統を受け継いでいる。15代鈴木盛久の熊谷志衣子さんは父である、鈴木貫爾(14代鈴木盛久)の急逝により1987年に鈴木盛久工房へ入り今も鉄と向き合い鉄の魅力をひき出す日々。「南部鉄器の奥の深さは言葉にできないほど深いものです」と鈴木氏。

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こだわりの朝を過ごしませんか。
「起きてすぐ鉄瓶でお湯を沸かすこと」。
鉄瓶は重いので前の晩、
コンロの上に乗せておき、事前セッティング。
鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかで、
しかも鉄分も含んでいるので
ヘルシー感いっぱい。
鉄分もイオン化しているらしく
体への吸収力も高くなります。
ゆっくり、ゆっくり、
お湯がわくのを待って
ポットに注ぎ、その日のお湯を確保しながら
幸せな朝時間を
すごしてみませんか。

小菊の模様の鉄瓶は砂鉄が施された独特な色が魅力。

鉄独特の凹凸が映える水玉模様。インテリアにもグッド。

15代 鈴木盛久オリジナルの手鞠模様は丸みが優しい意匠。

鉄瓶でお湯をわかすこと。これを朝一番にする喜びを。

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しぶいけど、どこか心地いい 南部鉄器の急須でおもてなしを。

南部鉄器の急須はしぶくて、かっこいい。
軽々しくなく、重々しくもなく
お迎えするお客様の気持ちを
さりげなくフォローしてくれるような厳かさもあります。
その急須でおもてなしをする素敵な時間から
会話に花が咲いたりするかもしれません。
あわただしい朝のお出かけ前のひとときや
夕食後のだんらんの時間に
ふわっと立ちのぼるお茶の香りは
何よりもの安息を運んでくれそうです。
・・・いろんなお茶時間に活用してほしい、
南部鉄器の急須です。

一度お湯を急須に入れて温めます。

もう一度入れ直し適温になるまで待ちます。(70~80℃)

30~60秒程、茶葉が開くのを待ちます。

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「今日はすき焼きよ」という母の言葉に
夕飯が待ち遠しくてたまらなかった
記憶がありませんか?
日本の食卓を彩り、
老若男女を越え、
誰もが愛する料理、すき焼き。
家族の高ぶる思いを受け止め、
食材そのものをおいしく
煮込んでくれるのが鉄鍋です。
熱伝導率が高く、保温性にすぐれているので
最後の最後まで、おいしさを保ってくれます。
食欲の秋、家族や仲間と、
アツアツのおいしいすき焼きで団欒しませんか。
安定感のある頼もしい鉄鍋は
みんなの思いをおいしく煮込んでくれそうです。

鉄鍋の重さがおいしさを加えてくれる。

すき焼きは日本人の心とも言うべき料理ですね。鉄ならではの熱伝導率は食材のおいしさを閉じ込めて逃がしません。さらに鉄鍋の表面は細かい凹凸があり、そこに油がしみ込むことで焦げ付きを防いでくれます。鉄鍋は家庭で重宝する頼もしい生活アイテムです。

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鉄のフライパンに卵を落とすと
ジュッと音を立てながら、すぐ焼けることを
ご存知でしたか?
鉄のフライパンも普通のフライパンと同じように
いろんな大きさがあって
目玉焼き用は小さくてかわいいので
そのまま食卓にのせてもいい感じです。
「おいしいね」の一言が
バタバタと忙しい朝時間も、
幸せ時間になるのです。

目玉焼き用フライパンを食卓に並べてみる。

南部鉄器のフライパンはハンバーグや餃子、野菜炒めなど幅広く使える優れもの。いつまでもアツアツのフライパンにのせてジュージュー音をたてながら食べると抜群においしくいただけます。使えば使うほど油がなじんでくるので、朝のおなじみの顔として毎日の食卓に。

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鉄瓶を花瓶として活用してみませんか?
和室でも、
洋間のリビングの一角でも、
玄関の飾り棚の上でも、
その存在感そのものが
豊かな空間を演出してくれます。
気を張らず、
投げ入れタイプの生け方をすれば
いつでも手軽にできそうです。
鉄瓶の中にオアシスか剣山をいれて
花をしっかり固定してください。
鉄瓶の重厚な雰囲気と
花のもつ柔らかさは
ミスマッチの中の
調和を生み出してくれます。

空間演出の道具にもなる鉄瓶の魅力の深さ。

使い方によって、様々な顔をみせる南部鉄器。鉄肌の深い味わいはその空間をやわらげてくれます。

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南部鉄器を使った
日常使いの道具の幅は広く
一般的な鉄瓶や鉄鍋のほか、
意外なものまでも含めると
さまざまなものがあります。
重さを活用した、書道で使う文鎮や
漬物の重しの代わりなどの他、
お茶時間の小道具の茶たくや菓子皿、
香りを楽しみたい時の
香炉や燭台など、など。
気負わず、さりげなく、
手入れをするのが面倒だからと
敬遠するのでなく
南部鉄器を楽しむ余裕を
持ってみませんか。
暮らしのゆとりって、
もしかしたらそんな
ささやかな時間の中に
あるのかもしれません。

400年の歴史を誇る南部鉄器は様々な形にその姿を変え、生活を彩る豊かな重みを培ってきました。その手作りの温もりとアイデア溢れる道具たちはその伝統を継承しつつ、新しい閃きに満ちています。その質感や風合いはこれからも使う人の心を魅了してやまないものばかりです。

手入れは大変だけど、だからこそ、ぜひ。

和ろうそくからアロマキャンドルまで使い勝手が良い燭台や書道用文鎮、亀型ペーパーウェイトなど鉄の重みを利用したアイテムたち。リアルな形が面白い鉄しゃもじと鉄ナスはぬか床に使う古釘のような役割をし、鉄分補給を簡単にできる優れもの。

お手入れ方法

水分が残っていると錆の原因になります。そのためのお手入れの方法として

(1)使い終わった後、水分をきちんと蒸発させましょう。使い終わった後の余熱がある場合は、そのままにして水分が蒸発するのを待ちます。
(2)鉄瓶が冷えた後も水分が残っている場合は弱火で空焚きしましょう。

※もし錆ができたら……。

(1)歯ブラシなどで優しく傷を付けないように錆をそぎ落とし、すすぎます。
(2)再度、水を入れてお茶のティーパックを内部が黒くなるまで煮出します。それを1回捨て、さらにティーパックそのままにして、その上から水を入れ、もう一度煮出します。これをお湯がきれいになるまでくり返します。

鉄瓶の内部に黒い皮膜が付着してきます。これはお茶のタンニンと鉄分が結合したタンニン鉄と呼ばれるもので錆の再発を抑える働きがあります。ぜひやってみましょう。

おいしいお湯は毎日の積み重ねが作ってくれます。ぜひ、使い続けてください。

協力:
鈴木盛久工房 問い合わせ先/TEL.019-622-3809 http://www.suzukimorihisa.com
いわて銀河プラザ 問い合わせ先/TEL.03-3524-8282  http://www.pref.iwate.jp/~hp0401/
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