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#マンション管理・コミュニティ

2019.01.31

まずはここから!マンション管理の基礎知識

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この連載では、これまでコンサルタントとして、また管理会社の代表として、マンション管理コンサルタントの深山州がさまざまなマンション管理組合の管理・運営支援をしてきた中で、実態について感じたこと、また適切に管理・運営を行い、住み心地や資産価値を高めていくための事例やノウハウについて紹介できればと思います。

新築マンションを購入した方や、中古マンションを購入してリノベした方、そしてこれからマンション探しをしようとしている多くの方にとって、個人とマンションとの関係は「購入→居住→いつか売却・賃貸・相続」という流れになっていると思います。実は最近において、「居住」を豊かにし「売却・賃貸・相続」を有利にする方法として「居住」とともに「管理」をセットに考える購入者が増えていることをご存じですか。

管理組合と管理会社の違い

管理組合をひとことで言うと「大家さんの集まり」「マンションオーナーの団体」です。

一軒家を購入すると、その建物と土地はすべて買主の所有物になりますが、マンションを購入する場合、買主が所有するのは、「(1)買主の部屋」と、「(2)部屋以外のすべて(ベランダや廊下、階段、エレベーター、集会室などを含めた建物そのものや敷地、樹木に至るまで)の持分割合」です。

管理組合は、(2)購入者が共同で持ち合っている部屋以外のすべての部分を所有者全員で管理(運営)していくための団体なのですが、あわせて(1)の個々の部屋についても、使い方や禁止事項を定めたり、室内設備の点検を実施するなどの影響力を持ちます。

例えば、ある住戸で過度な生活音を出したり、火災や水漏れ事故を起こしたり、部屋を店舗や民泊に転用するなどした場合、近隣の住戸だけでなくマンション全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。マンション全体の資産価値を守るために機能するのが管理組合です。

一方「管理会社」は、管理組合が行うべき細かな実務を依頼する、外部のパートナー会社のことです。管理組合は区分所有者から「管理費」を毎月徴収し、その中から管理会社に委託料を支払って業務を委託します。

委託する業務は、管理人の派遣や清掃、会計、各種設備のメンテナンス、セキュリティ、植栽の刈り込み、そして管理組合の執行部である「理事会」の運営補助などです。

『マンションは管理を買え』と言われるが、その意図は?

マンションを選ぶ時、その条件としてすぐに思い浮かべるのは「立地(駅からの距離や通勤・通学・買い物・レクリエーションに対する利便性)」「部屋の間取りや広さ」「室内設備」「景色や向き(日当たりなど)」「築年数(中古マンションの場合)」「室内の状況(中古マンションの場合)」「建物の頑丈さ」「地域性」そして「価格」などでしょう。比較しやすいスペック情報をもとに検討し、購入後に個人では変更しづらい要素を条件としてマンションを選ぶ方がほとんどだと思います。

ところが最近、「マンションは管理を買え」というフレーズを雑誌やネット情報でよく見るようになりました。管理を買え、という言葉には一体どんな意図があるのでしょうか。

分譲マンション数は昭和の時代、高度成長期から一貫して増加してきました。景気が右肩上がりの時代は国民の所得も上がり続けていたため、マンションは一軒家へ引っ越すまでの仮住まいという考えの方が多かったのも事実です。マンション購入者の多くが「古く・狭くなったら新しく、広いところへ引っ越せば良い」という感覚で、住み心地は「買いかえてより良くする」方法を採ってきました、また、資産価値は「土地神話で黙ってても上がる」時代が続きました。

しかし、バブルが弾け、デフレ、少子超高齢化社会、人口減少社会を迎えた平成の時代に入り、様相が変わり始めます。マンションでの暮らしは「仮住まい」から「終の棲家」に足るものへと人々の意識が移り変わりました。長く住み続け、資産価値を維持・向上することが重要になり、「マンションは管理を買え」という言葉が出始めました。

「管理を買え」の「管理」に問われているのは「マンションを買ってから将来にわたり、『住まい』として住み心地の良さが守られるか」そして「『資産(不動産)』として価値が守られ、向上させられるか」です。

これまで説明したように、管理を実行するための団体が管理組合ですから、「管理を買え」とは「管理組合を買え」、つまり「区分所有者団体の【運営力やチームワーク】に伴う成果や将来性を買え」ということなのです。

マンションを買ったら『管理を売れ』の時代に

元来、不動産の価値は「土地(立地)」と「建物(の状態)」に需給バランスが重なって決まるものですが、分譲マンションの価値はこれらに加え「管理の質」「管理組合の運営力」によって決まることを話してきました。100世帯のマンションの一部屋を購入すれば、部屋以外の部分の価値向上については自分以外の99名の区分所有者と運命共同体になります。マンションという買い物は、建物としての「ハード」要素のみでなく、「ソフト」の要素も含んだ買い物なのです。

そして「マンションは管理を買え」は、マンションを購入した後には「マンションは管理を売れ」に変わります。購入して自分の所有物になった瞬間に、立場が買主から売主へと逆転するためです。

都心部や一部の地方を除き、人口減少が全国的な現象となり、地方から空き家が増えていく時代となりました。今後も人口減少が止まらないことは確実で、「住み心地の悪い」「資産価値の守られない」マンションの価値が下がる時代になっています。

逆に、適切に管理されたマンションは、同じ立地や築年数の近隣マンションに比べて差別化できる時代になってきました。区分所有者同士がチームワークをもってマンションの将来を語り合い、一つずつ実行に移すことで、マンションの資産価値を高めていく。結果、高く売れる可能性がある。

まさに「マンションは管理を売れ」の時代なのです。

深山州(みやま・しゅう)

深山州(みやま・しゅう)

大手不動産流通業、大手マンション管理業などを経て、マンション管理コンサルタント(株式会社メルすみごこち事務所)、マンション管理会社(株式会社クローバーコミュニティ)それぞれの代表として、またマンション住民が理事長になったときの学び合いの場として「マンション管理組合の学校」を立ち上げ、今日に至る。

・株式会社メルすみごこち事務所
http://e-sumigokochi.com/

・株式会社クローバーコミュニティ
http://968com.jp/

・マンション管理組合の学校
https://schoolformkk.com/

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