
2000年以降、新築マンションは本格的に“大規模・タワーマンション時代”を迎えました。これは、主に東京湾岸エリアや都心近郊の再開発エリアに分譲されるケースが多かったのですが、共通する特徴としては、工場跡地や倉庫跡地などに、など高スペックで居住性能に優れたマンションが建設されたということです。もともと住宅地として発展してきたエリアではないのでマンションの分譲価格は比較的安価なのに対して、40階を超えるタワーマンションや総戸数1000戸以上という地域の「ランドマーク」物件が相次いで分譲されたことで、これまでにない新しさが購入者に人気となってマンショントレンドとして定着したのです。
タワーマンションは“眺望の良さ”、大規模マンションは“生活空間の豊かさ”がそれぞれ最大のアピールポイントですが、単にこれだけでは2000年以降のマンショントレンドを牽引できるはずがありません。これらのマンションは、それ以前に分譲されたマンションとは決定的に違うマンションだったのです。それは「共用施設の充実」でした。大規模マンションは建設コストも相応にかかりますが、分譲されるマンションの総額も大きなビッグプロジェクトです。したがって規模のメリットを最大限に発揮すると、総戸数が多い故に様々なサービスや設備・仕様を実現させることができるようになったのです。
では、代表的な設備や付帯施設を見ていきましょう。大規模マンションやタワーマンションに足を踏み入れると、エントランスは単に豪華であるだけでなく、空間にもゆとりがあって共同住宅とは思えないスケールの大きさを感じると共に、シティホテルのように機能的かつ落ち着いた空間と専門スタッフの存在に驚かれることと思います。「コンシェルジェサービス」と言われる建物内の案内や来訪者の取次ぎ、日用品の手配/販売、周辺施設の案内などはマンションという建物のホスピタリティを象徴するものですし、そのマンションに“格”を与えるものと言って良いでしょう。一方でエントランスでの有人監視という役割も果たしており、マンションの安全・防犯にも効果があります。また、このようなマンションはエントランスだけでなく、その内側(居住エリア)にも様々な設備があります。最近人気の施設と言えば、眺望の良い高層階に設置されたゲストルームやラウンジ、そのほかにはスポーツジムや温泉などが挙げられます。2000年以前にはシアタールームやパーティールーム、料理教室が開催可能なキッチンスタジオなども人気でしたが、やはり共用施設として恒常的に使用できるものが支持されるようです。特にゲストルームは遠方からの来客が活用できるマンションの"おもてなし施設"として人気が高く、立地の良いマンションでは平日でも空きが出ないほどの稼働率の高さを示しています。




また、近年ではマンションの共用施設という枠を飛び越えて、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、銀行のATMや医療機関、カフェなどが併設されるケースも増えています。これらは、マンションで想定される日常生活のほとんどのニーズに対応しようとするものですが、居住快適性だけでなく生活利便性も整ったマンションは“街”としての機能を有することになり、「こんなマンションに住んでみたい」と思う人を増やすことにも繋がるので、結果的に資産価値にもプラスに働く可能性が高いと考えられています。
様々な共用施設が整ったマンションは、当然のことながらそれらを維持管理するためのランニングコストも相応に発生しますが、規模のスケールメリットで住戸あたりの負担が大きく増えるということはありませんし、これらの施設を有効活用することで、コスト以上の利便性や満足感を得ることができます。これからは住戸の広さや間取りだけでなく、共用施設の充実度にも注目してマンションを選ぶという楽しみが加わりそうです。すでに高付加価値なマンションを使いこなして居住快適性と住む喜びの両方を味わう時代が来ているのです。
※データ出典・編集協力:株式会社東京カンテイ
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