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第9話 ローン金利の見直し時期が到来! 継続、それとも借り換え
念願のマイホーム生活を始めて丸5年、
半年後には待望の赤ちゃんが生まれることになり、幸せいっぱいの野村夫妻。
景気も良くなり、世帯収入も安定して、住宅ローンの返済のほうも順調です。
しかし、ちょっと気になるのは、 間もなく固定期間が終わる健太さんの住宅ローン。
最近は好景気のおかげでローンの金利も急上昇中。
健太さんのローンも、このままだと大幅に金利アップになってしまいそうです――。
世帯DATA
世帯年収 約800万円
住まい 賃貸アパート(2LDK)
子供 なし
あり
貯蓄額 約500万円
生命保険 未加入

野村夫妻の住宅ローン

  美咲 健太
借入額 1,500万円 1,500万円
金利 2.7%(固定金利) 1.5%(5年間固定)
※6年目から変動または固定を選択
返済期間 30年(360回) 30年(360回)
返済方法 元利均等返済 元利均等返済
月々返済額 60,840円 51,768円
総返済額 2,190万2,272円 --
完済時の年齢 61歳 62歳

ごちそうさまでした! あー、いいよいいよ、後片付けは僕がやるから! 座ってテレビでも観てて!

まあ、赤ちゃんができたっていうだけで男の人はずいぶん親切になるのねー(笑)

えへへへ(笑) 男かなあ、女かなあ……楽しみだなあ(ウットリ)。そうだ、ベビーベッドはいつ買う!?

もう、まだ半年も先なのよ(笑) その前に、そろそろケンくんが借りているローンの金利見直しの時期が来るんじゃない?

ああ、もうちょっと夢を見させてよ(苦笑) あと3ヵ月後だよ、見直し時期は。5年なんてあっという間だなあ。

5年前と比べると今はずいぶん金利が高くなってしまったわね……。

そうなんだよね……。また固定金利期間を選ぶにしても、金利は大幅に上がっちゃうだろうな。

今の様子だときっと3.5%から4%の間になりそうな感じね。しばらくこの調子で金利が上がっていきそうな気配だし、思い切ってローンの借り換えも検討してみたほうがよさそうね。

借り換え?

ええ。簡単にいうと、今借りているローンよりも金利の低いローンを借りて、総返済額を減らしましょう、ということ。

でも、今さら借り換えたところで、そんなに差が出るものなのかな?

固定金利から固定金利に借り換える場合の目安だけど、ローンの残高が「500万円以上」、ローンの残り期間が「10年以上」、金利が借り換え前のローンと比べて「1.0%以上低下」するなら、借り換えのメリットがあるそうよ。ケンくんの場合は、固定金利期間付き変動金利型だから、目安を満たしていれば必ずしもOKというわけにはいかないけど、一応参考にしてみたらどうかしら?

よし、とりあえず、その条件を満たすローンがあるかどうかを探してみるとするかな。

でもね、金利差も重要だけど、将来どれくらい金利が上がるかなんて誰にもわからないわけだから、いかに“金利上昇リスクが小さいローンか”も大切なポイントだと思うの。

なるほどね。固定金利期間が短いほうがたしかに金利は低いけど、2、3年後にまた「金利が上がっちゃった、どうしよう!」って悩むことになっちゃうもんね。

だから、多少金利は高くなっても、10年とか15年とか、長期間の固定金利が選べるローンを借りたほうが無難じゃないかと思うわ。

その間にどんどん繰上げ返済をして元金を減らしておけば、また金利見直しのタイミングが来ても、リスクはずっと小さくなっているというわけだね。

すごーい、ケンくん! もうすっかりローンの達人ね!(笑) それじゃ早速、いくつか金利のパターンを変えてシミュレーションをしてみましょう。

金利の違いによる借り換えシミュレーション

基本ローンは、融資額1500万円、当初5年間の金利が1.5%の固定金利期間付き変動金利型

パターンA:6年目以降返済完了まで「変動金利」を選択。金利は「5年ごとに0.5%ずつ上昇」すると仮定した場合
1.50% 3.50% 4.00% 4.50% 5.00% 5.50%
(経過年) 5 10 15 20 25 30
総返済額 2,391万295円(うち利息分 891万295円)
パターンB:6年目以降10年目まで「2.5%の固定金利」、11年目以降から返済完了まで「4.5%の固定金利」で推移すると仮定した場合
1.50% 2.50% 4.50%
(経過年) 5 10 15 20 25 30
総返済額 2,322万9125円(うち利息分 822万9125円)
パターンC:6年目以降20年目まで「3%の固定金利」、21年目から返済完了まで「5%の固定金利」で推移すると仮定した場合
  1.50% 3.00% 5.00%
(経過年) 5 10 15 20 25 30
総返済額 2,224万5798円(うち利息分 724万5798円)
パターンA − パターンC = 166万4497円

パターンAは、固定金利期間終了後ずっと変動金利にした場合のシミュレーション。パターンBは、固定金利期間終了後、さらに5年間の固定金利期間を選択して、11年目からは平均4.50%の変動金利で推移した場合。そしてパターンCは、パターンBよりもっと長い固定金利期間を選択したとして、シミュレーションしてみたわ。

うーむ、こうやって並べて比較してみると、ほんの数パーセント変わるだけで、返済額がかなり変わってしまうのがよく分かるね。

これが変動金利型ローンの“デメリット”ね。

今借りているローンを継続する場合、6年目以降の選択肢はパターンAかBしかないみたいだから、もしパターンCのような金利を選びたいと思ったら、他のローンに借り換えないといけないわけか。

そういうことになるわね。

このシミュレーションで判断する限り、もしパターンCのようなローンが見つかれば、借り換えのメリットは充分ありそうだな。よし、さっそく金利の情報を集めてみるとするか!

そうそう、ローンを借り換えるときには、もうひとつ注意しておかないといけないことがあるのよ。

ん?

今利用しているローンには「抵当権」が設定されているから、新しく借り換えるローンのほうに抵当権を移す手続きをしないといけないの。それは司法書士にお願いすることになるから、当然、費用が発生するわね。それから、新しく借りるローンは保証料を必要とする場合もあるから、その費用も考慮しないと。あとは、金融機関の事務手数料や印紙税もかかってくるわね(表2)。

ローンの借り換えの際にかかる諸費用

住宅ローンを借り換える場合、下記のような諸費用も必要です。保証料が不要のローンの場合は諸費用も安く抑えることができます。

  • 印紙税
  • 登録免許税(抵当権抹消・設定)
  • 司法書士手数料
  • 保証料
  • 事務手数料

かー、また諸費用がかかるということか……。電車の乗り換えみたいに、ひょいっと簡単に乗り換えられたらいいのになあ。

ホントよねえ。とにかく、借り換えによる金額差があまり少ないと、諸費用分で相殺されてしまって結局あまりお得にならなかった、ということもあるから、検討するときには気をつけないといけないわ。

了解! 銀行に行ったら、窓口で徹底的に確認してくるよ!

じゃあ私はインターネットを使って資料を集めてみるわね。赤ちゃんのためにも、少しでもローンを減らしておかないとね! がんばりましょう!

ファイナンシャル・プランナー's アドバイス
ローンを借り換える際の注意点は?

住宅ローンの「借り換え」は、高金利時代に借りたローンを、より低金利のローンに借り換え、利息負担を軽減させることがねらいです。したがって、あまり金利差がないローンに借り換えても、諸費用のコストを併せると利息軽減効果はほとんどなく、借り換えのメリットはあまりないといえます。とくに、最近の低金利の住宅ローンを利用している方の場合は、今すぐ借り換えをする必要はそれほどないでしょう。

ただし、変動金利型、1〜3年程度の固定金利期間付き変動金利型ローンを利用している方は、将来の金利上昇リスクを抑えるために早めに借り換えをしたほうがいい場合もあります。該当する方は、ぜひ情報を集めて、借り換えをした場合のシミュレーションをしてみてください。

ちなみに、低金利の長期間固定金利型ローンとして注目されている「フラット35」は、民間金融機関が窓口になっていますが、新たに住宅を建設または購入する方に限定されているローンのため、残念ながら、借り換えに利用することはできません。

「借り換え」チェックポイント!

  1. 借り換えができるのは「公的ローン→民間ローン」
    または「民間ローン→民間ローン」

    ―「民間ローン→公的ローン(「フラット35」含む)」への借り換えはNG

  2. 借り換えの目安は「ローン残高500万円以上」
    「ローン残期間10年以上」「金利差1.0%以上」

    ―変動金利型、固定金利期間付き変動金利型に借り換える場合は金利上昇リスクも要注意

  3. 担保評価額は充分か

    ―担保評価以上の融資は原則NG(担保割れしていても利用できるローンもあります)

  4. 団体信用生命保険に加入できるか

    ―大きな病気をした直後などは団信に加入できない場合も(団信加入が条件のローンは利用できません)

  5. 抵当権の順位は競合しないか

    ―複数のローンを利用する場合、抵当権の順位が競合して融資が受けられない場合も

「第10話 入居10年目、そろそろリフォームしたい! でも費用は?」へつづく!
今回の教訓 借り換えのメリットをチェックする際は、「諸費用」も忘れずに!
変動金利型に借り換える場合は、将来の金利上昇リスクも考慮すること!

その他のお話

第1話 住宅ローンはいくらまで借りられる? 続きを読む
第2話 頭金を上手に貯めるには?(更新中) 続きを読む
第3話 公的ローン? 民間ローン? ローンにはどんな種類があるの?(更新中) 続きを読む
第4話 固定? 変動? それとも両方? 金利はどれを選べばいいの?(更新中) 続きを読む
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