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住宅ローンコラム FP菱田雅生が伝授!住宅ローン、賢く利用するためのコツ

繰り上げ返済よりも有利な条件変更がある!?

2020年04月08日

住宅ローンのトータルの返済額をできる限り少なくするための賢い方法として、「繰り上げ返済」があることはご存じの人が多いかと思います。今回は、繰り上げ返済よりも有利になりそうな条件変更の方法があることを紹介します。

繰り上げ返済の2種類の方法とは

そもそも住宅ローンの「繰り上げ返済」とは、通常の返済とは別に、手元にある資金を使ってローンの元金の一部を返済する「一部繰り上げ返済」のことを略して「繰り上げ返済」と呼ばれるのが通常です。

繰り上げ返済をした資金はローンの元金部分に充当されるので、それに対応する利息部分の負担がなくなることで、総返済額を減らす効果が期待できます。ローンの条件や繰り上げ返済をする金額にもよりますが、場合によっては総返済額を何百万円も減らす効果が得られることもあります。繰り上げ返済が有利だとされるのはこのためです。

繰り上げ返済には、大きく分けて2種類の方法があり、1つが毎回の返済額を変えずに残りの期間を短くする「期間短縮型」で、もう1つが残りの返済期間を変えずに毎回の返済額を少なくする「返済額軽減型」です。

<期間短縮型のイメージ>

<返済額軽減型のイメージ>

前回のコラムでも触れたとおり、返済期間を短くしたほうが総返済額を減らす効果は大きいので、総返済額の減額効果(=利息の軽減効果)は期間短縮型のほうが大きくなります。

とはいえ、どちらの方法を選択しても、繰り上げ返済をした金額から得られる経済効果は基本的には同じです。繰り上げ返済をした金額を、ローンの残りの期間にわたって借入金利で運用していくのと同様の経済効果が得られます。つまり、利息の軽減効果の絶対額は期間短縮型のほうが大きいのですが、経済効果自体はほとんど変わらないということです。

したがって、手元にあるお金を住宅ローン金利以上の利回りで運用するのが困難なのであれば、どちらの方法でもよいので、とにかく繰り上げ返済を実行したほうが有利だと言えるでしょう。

繰り上げ返済よりも有利な条件変更とは

近年では、少額からの繰り上げ返済を可能としている金融機関も増えていますが、繰り上げ返済で大きな効果を得るためには、まとまったお金を貯めておく必要があります。この「お金を貯めていく時間」がもったいないのです。その間にもローン残高に対して利息が計算されてしまうので、利息負担をより軽くするための方法として、上手に条件変更を利用することで有利になるといえるでしょう。

条件変更とは、その名のとおり、ローンの条件を変更することです。金融機関によって対応が異なる場合もあるので、実際にできるかどうかは現在返済中の金融機関に問い合わせていただく必要がありますが、基本的には対応してくれるところが多いはずです。

利息負担を軽くするための条件変更にはいくつかの方法がありますが、まず1つ目が、残りの返済期間を短くする条件変更です。繰り上げ返済のためにお金を積み立てていく余裕があるなら、その積立額の分だけ返済額を増やして、残りの返済期間を短くしてしまうわけです。

例えば、現在のローン残高が2,000万円で、借入金利は1.5%、残りの返済期間が25年だったとします。毎月返済額は約8万円(79,987円)です。毎月2万円を繰り上げ返済用に積み立てていって、約4年ごとに100万円ずつ繰り上げ返済(期間短縮型)をする場合と、毎月返済額を約10万円に増やした場合を比較してみましょう。

残りの返済期間 残りの総返済額 利息の軽減効果
繰り上げ返済も
条件変更もしない場合
25年 約2,400万円
約4年ごとに
100万円ずつ繰り上げ返済
19年10ヵ月 約2,317万円 約82万円
条件変更で
毎月返済額を約2万円増額
19年3ヵ月 約2,304万円 約96万円
注:繰り上げ返済や条件変更の手数料は考慮していません。

毎月2万円の積み立てで100万円が貯まったら期間短縮型の繰り上げ返済をする場合は、合計4回の繰り上げ返済を実行することができ、トータルで5年2ヵ月の期間短縮と約82万円の利息の軽減効果が得られます。

一方、毎月2万円(正確には19,747円。79,987円→99,734円)を返済額に上乗せして、残りの期間を短縮する条件変更をすると、残りの期間を5年9ヵ月短縮することができ、約96万円の利息軽減効果が得られるのです。

つまり、繰り上げ返済用のお金を積み立てるより、条件変更をして毎月返済額をその分だけ増額したほうが効果は大きいということです。毎月5,000円でも1万円でも増額できる余裕があるなら、条件変更をしたほうが有利と言えるでしょう。

ボーナス返済を利用する条件変更も効果的

意味合いとしては同様のことではありますが、毎月の返済額は増やせなくても、ボーナス月に1回あたり5万円や10万円なら返済できるという人は、毎月返済のみの返済計画をボーナス返済併用の返済計画に条件変更するという方法もあります。

もちろんボーナスというのは、勤務先の業績によって、出なくなってしまう可能性がゼロではありませんので、ボーナス返済に頼った資金計画は避けた方がよいですが、ある程度の金額は安定的に支給されている人は、ボーナス併用返済に条件変更をすることで、残りの期間を短くすることが可能になります。

重要なのは、毎月返済額を変えずに、ボーナス返済を上乗せして、残りの期間を短くするということです。ボーナスを貯めておいて繰り上げ返済をするよりも利息の軽減効果は大きくなります。

例えば、先ほどの例で計算すると、毎月返済額を約8万円のままにして、ボーナス月1回あたり約20万円を上乗せして返済していくとすると、残りの返済期間が16年8ヵ月となり、8年4ヵ月もの期間短縮ができ、残りの総返済額も約2,263万円と、約137万円の利息軽減効果が得られる計算になるのです。

これから住宅ローンを組む人が、ボーナス返済を利用することで借入金額を多くしようと考えるのはおすすめしませんが、現在返済中の人がボーナス返済を利用して早くローンを終わらせようと考えた場合、可能な範囲でどんどんボーナス返済は利用してもよいのではないかと思っています。とにかく残りの期間を短くする。そのための条件変更を積極的に行うのもよいでしょう。もちろん、日常生活の家計運営にしわ寄せがいってしまうと元も子もありませんので、その点はご注意ください。

なお、そのほかの条件変更としては、
・現在返済中の元金均等返済から、より期間を短くした元利均等返済に変更する。
・現在返済中の元利均等返済から、残りの期間を変えずに元金均等返済に変更する。
などの方法も、総返済額を少なくする(=トータルの利息負担を軽くする)効果が得られます。金融機関によって対応の可否や手数料等のコスト負担が異なる場合はありますが、賢くローンを返済していく方法として知っておくとよいでしょう。

執筆者:菱田雅生(ひしだまさお)

ファイナンシャル・プランナー(CFP、1級FP技能士)、1級DCプランナー、住宅ローンアドバイザー

1969年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、山一證券に入社し支店営業を経験。山一證券自主廃業後、独立系FPに。以後20年以上にわたり、資産運用や住宅ローンを中心とした相談、執筆、講師業に従事。2000年以降の講演回数は4,000回を突破!(2020年2月現在)。近著には「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」(すばる舎リンケージ)がある。

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